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反逆の騎士は国を思う No.3 ガウェイン卿とトリスタン卿


 九十年前の『トリスタン』領


(ソガ殿。何故、私を突然、呼び出したのかな?トリスタン卿はいったい何処に?)


(‥‥‥‥こちらへ、モードレッド様)


(どうしたのです? いや、まず私の話を‥‥‥‥? ガウェイン卿? 何故、貴殿がトリスタン卿の屋敷に?)


(あぁ、モードレッド卿。貴公もやはり呼ばれたか)


(ん? やはりとは? 何ですかな。ガウェイン卿)


(御二人共。こちらの部屋へどうぞ)


私とガウェイン卿はトリスタン家の際奥の部屋の扉へと招かれた。


(……?)


ガチャリ!


(やあ、ようこそ。モードレッド! ガウェイン!)


 扉の向こうには、この屋敷の主にして、現代のトリスタンの名を授かった円卓の騎士。トリスタン卿の痩せ細った姿がそこにはあった。


(トリスタン卿? 何故ここに? 貴殿は今、『キャメロット』城の修練場で‥‥‥‥)


(モードレッド様。余り騒がれぬよう。お願いします。トリスタン様のお身体に障りますので)


(お身体に障る? いったいどういう?)


(いやはや愛する女性の奪い合いに勝ったのは良かったんだかね。マルクの呪いにやられてこんな状態さ。ハハハ、情けないね)


(いや、呪いって?! トリスタン卿が? ランスロット卿と並ぶ最高の騎士トリスタン卿が呪いですと?)


(‥‥‥‥‥モードレッド卿。実はですな。トリスタン卿は金髪のイゾルデという女性に恋をしたのだ)


(金髪のイゾルテ? 何の事です? ガウェイン卿?)


(ハハハ、長らく旅をしていてね。最後の最後でへまをしたんだよ。モードレッド。一国の王を怒らせてね。途中までは良かったんだかね。結婚もできた。別れもあった。だが、最後は呪いを受けた。ただそれだけなんだ)


(いや、トリスタン卿。いや、トリスタン。貴殿の言っている意味が‥‥‥‥)


(あぁ、分からないだろうな。今は‥‥‥‥ゴホッ!)


(主様!)(トリスタン卿!!)(トリスタン?!)


(あぁ、もう時間が無いな。全く‥‥‥‥俺の最後のお願いだ3人共。今、『キャメロット城』にいる。「現在」のトリスタン卿を見守ってくれないか?あの子はまだ、若い。それに未熟だ!だから、後ろ楯になってやって欲しい! ガウェイン!)


(あぁ、勿論だとも)


あぁ、ガウェイン卿は昔から知っていたのだな。


(‥‥‥‥はい! 主様)


そして、側近中の側近!ソガ殿も。


(‥‥私は、私は、トリスタン)


(‥‥‥‥あぁ、良いんだ。モードレッド。俺の死に際に立ち会わせて済まなかった。長きに渡る友よ。少しで良いんだ、モードレッド!ほんの少しだけ気にかけてやってくれ!彼女を○○○テを)


(トリスタン‥‥‥‥)


(あぁ、‥‥‥‥この先、『妖精国』は栄華を極めるだろう。だが、光が大きくなればそこには闇も広がるさ‥‥‥‥その闇からどうか少しだけでも彼女を守っ‥‥‥て)


(主?!)


(トリスタン卿?!!)


(‥‥‥‥トリスタン‥‥‥‥)


 あぁ、まただ。私はいつも大事なところで間違うのだ。


 ‥‥‥どうして、トリスタンがなくなる前に一言。


(任せてくれ! 彼女は私がちゃんと影から見守り支えてやると)言えなかったのか?


 済まない。


 いつも間違えしまう。


 済まない。


 ガウェイン!


 済まない。


我が王! アーサー王!


済まない。


我が友。トリスタン


だが、だが君の最後の願いは、我が友。ガウェインと共にしっかり聞き受けよう。


 彼女を影から支えると。


 彼女の成長を見守ると。


 それが我らの約束なのだから。なぁ、ガウェイン!




『太陽結界』内


「暑い」「ですな!ヒヒヒヒ!」


「‥‥‥‥貴殿はモードレッド卿ではないな?」


「いやいや、私はモードレッド卿です!ヒヒヒヒ」


「彼は今、外ですね? ルキウス殿? いや、架空の魔人殿」


「ヒヒヒヒ‥‥‥‥」「ヒヒヒヒ‥‥‥何故? 知ってる?」


「我が国の伝承や物語ルキウス・ティベリウスという架空の登場人物が出てきます」


「‥‥‥それが、どうかしたのか? ヒヒヒヒ」


「その、伝承によりますとその架空の魔人は円卓の騎士の誰かに乗り移り国を滅亡へと導くと‥‥‥‥それが、今、現実に起ころうとしている。そうですな?ルキウス殿?」


「ヒヒヒヒ‥ヒヒヒヒ!だからどうした?」


「だからどうした?‥‥‥さっさと我が友!モードレッドの身体から出ていきなさい。架空の魔人よ」


「‥‥ヒヒヒヒ」「やだね! アイツと約束」


「しん」「だ!」


「約束?」


「そうだ!」「モードレッドと約束」


「こ、この国を」「良い方へ導くと為に」


「『妖精国』を導く? 貴方はいったい何を?」


「お前が知ることじゃない!」「消えろ!ガウェイン卿神代剣技(青)『青の逆鱗』」


「なっ? 青い竜の爪? くっ!神代剣技(黄)『太帝剣欄』」


バギンンンン!!!


 凄まじい剣技の音が戦場に伝わる。


「か、怪物同士の闘いだろ?あんなの!」


「そ、そりゃあ! そうだろうよ! お互いあの円卓の騎士同士だぜ!」


「つうか何で俺達。同じ国の国民同士で闘ってんただ?」


「そんなの俺が聞きてえよ!」


ガギーン!!



「‥‥‥‥やりますね。流石はモードレッド卿のお身体」


「ヒヒヒヒ! お前もな。さっきの攻撃で俺の片方は消し飛んだがな!‥‥‥‥だが!」



「ええ!‥‥‥長引かせても勝負は着きませんからね。お互いの」


「神代・回帰で勝負を着けるぞ! ヒヒヒヒ! ガウェイン!!!」


「来なさい! モードレッド!!!!!」


「神代・」


「回帰!!!」


「神代剣技(青)『青国の反逆者・メドラウド』!!!」


「神代剣技(黄)・解放『太陽の獅子・ガラティーン』!!!!」



「終わりだ!!! モードレッド!!!!」


「終わりだ!!! ガウェイン!!!!!」


「「うおおおおおおおおお!!!!!」」




 互いの神代・回帰がぶつかり合う。

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