反逆の騎士は国を思う No.2 フェイルノート
「行きます! モードレッド! 神代・回帰(橙)『フェイルノート』」
橙色の美しい項を描くようにして。流麗な弓が表れた。
「おぉ、それはトリスタン家の宝弓『フェイルノート』!なんという美しさでしょう! ヒヒヒヒ!」
モードレッド卿はそう言いながら。不気味に笑う。
「‥‥‥‥貴方が乗っ取られる前に聞きたかった言葉です!モードレッド!! 『贖罪の弓・覇』」
「ヒヒヒヒ?!」
トリスタン卿か放った数多の覇弓がモードレッド卿へと向かって行く。
「おお!! なんという美しき技! では、では、神代剣技(青)『幻影剣』」
モードレッド卿が『幻影剣』を発動するとモードレッド卿は複数に分裂する。
「この」「技に」「対応」「できますかな?」「
御二人共?」
「「「「「ヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ!!」」」」」
「モードレッド卿の得意とする戦術。『幻影剣』!」
「ガウェイン卿。別れて闘いましょう! 私は左の2人を相手します。ガウェイン卿は」
「右の2人ですね。トリスタン卿、了解です。では‥‥‥‥神代結界(黄)・『黄金結界』」
ガウェイン卿は唱える。神代の結界魔法。
それは黄金の輝き。闇を払う太陽の光。
その結界の中に分裂した2人のモードレッド卿を閉じ込めた。
「‥‥‥‥おの」「れ!流石」
「ガウェイン」「卿。ですな!」
「‥‥‥‥‥トリスタン卿。魔の方とは離しました。後は、貴方次第です‥‥‥‥」
『黄金結界』の外
「‥‥‥‥こうして2人で‥‥‥‥いや、この状態だと3人ですかね?フフフ。話すのは久しぶりですね。モードレッド」
私は彼に優しく語りかける。
「‥‥‥‥トリスタン卿。今は戦争中ですぞ!無駄なお喋りは‥‥‥‥‥」
「貴方との会話に無駄なんて1つも無いです。‥‥‥‥もう、良いですね。この喋り方も疲れます。トリスタン卿を演じるのも。騎士の仕来たりも!」
「それはアーサー王に対する無礼ですぞ。トリスタン卿! 一族の衰退が決まっていた。トリスタン家にアーサー王自らの財を投じてトリスタン家を建て直しして下さったのに‥‥‥‥○○○○殿」
「‥‥‥‥ええ! それは、感謝しています。それと同時に嫌悪も。そのせいで貴方の領地の者が苦しんだのを後で知らされましたから」
「‥‥‥‥」「‥‥‥‥」
「ありがとう!モードレッド!貴方はいつもそうやって影からこの国を『妖精国』を守ってくれる英雄です」
「‥‥‥‥違いますな。トリスタン卿。私は反逆の騎士モードレッド卿。今回だって、謀反を起こし。『キャメロット』を占領しようとする大悪党ですぞ」
あぁ、なんて悲しそうな顔をするのモードレッド!
「貴方は変わらないわ。昔から。そうやって進んで悪者わ演じる役者になるんですね」
「‥‥‥‥‥」
「覚えいますか? モードレッド! 2人で見たあのコーンウォールの泉の美しさ景色を」
「‥‥‥‥‥」
「覚えていませんか? 円卓の騎士達で競い合った闘技場を」
「‥‥‥‥‥」
「思い出して下さい。貴方の大切な心を! 私との思い出を! ねぇ?モードレッド!」
「‥‥‥‥‥」
「モードレッド卿?」
「‥‥‥‥‥トリスタン卿‥‥‥いえ、○○○○殿! もう、遅いんですよ。何もかも。もう手遅れなのですよ。こんな、無駄な闘いも、私の存在も、この国も、全てはあの『女王』様の贄に過ぎません」
「贄?」
「長話が過ぎましたな。そろそろ、闘いを再開しましょう。トリスタン卿!」
「‥‥‥‥モードレッド!」
「では、神代剣技(青)『反逆の青激』」
2人のモードレッド卿が同時に青色の斬激を放つ。
「くっ! 神代弓技(橙)『橙霞弓』!」
神代魔法の魔力を矢に込め。渾身の力でモードレッド卿に向けて放つ。
「ぐう!! 流石は円卓の騎士が1人『フェイルノート』のトリスタン卿! 1人やられてしまいましたか!」
「ヒヒヒヒ!! ぎい?! がアア!!!」
「モードレッド‥卿もやはりお強い。やりますね」
「○○○○殿はいつも私を惑わせますな。いや、私だけではない。トリスタン卿という人形を被り。無き彼の為に演じ続けるお方‥‥‥‥‥」
「彼は生きています。今も私の中に!」
「‥‥‥‥ええ、そうですな。彼は‥‥‥‥トリスタン卿は我々の中にちゃんといますな‥‥‥‥失礼。では、続きを! トリスタン卿!!」
「そう思うなら。そろそろ正気に戻って下さい!! モードレッド卿!!!!」
そして両者は再び。激しい打ち合いを始めるのだった。




