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反逆の騎士は国を思う No.1 モードレッドの受難



 数十年前の『妖精国』キャメロット城


(陛下! アーサー陛下! 我が領地の僻地の民が‥‥‥‥)


(あぁ、そうだね! モードレッド卿!)


(このままでは飢えで‥‥‥‥)


(あぁ、では、ランスロット卿の領地の食料を分けて貰って)  


(いいえ! ランスロット卿の領地も干ばつで今年の収穫量は厳しく‥‥‥)


(そうだったかい? ごめん。ごめん。そこまでの詳しい事は把握できていなかったんだ。今は、『ペレアスの湖』の開発も忙しくて)


(‥‥‥では、陛下。我が領地は食料が余っていますのでモードレッド卿とランスロット卿の領地に分配致します)


(おお、本当かい? ガウェイン卿? 良かったね。モードレッド卿。これで民が飢え無くて済むよ‥‥‥)


(‥‥‥‥陛下? 良かったねとは?‥‥‥何故、それ程に自国の民に対して他人事の様な言い方を?)


(ん? あぁ、ごめん。ごめん。そうだったね。僕の今の言い方は少しおかしかった。悪い、悪い、モードレッド卿)


(‥‥‥‥いいえ。こちらこそ。陛下に対しての言い方。大変失礼致しました‥‥‥‥失礼致します‥‥‥)



『キャメロット城』通路


(モード‥‥‥モードレッド卿!!!)


(‥‥‥?! トリスタン卿? どうしました? そんなに慌てた顔をして? 美しいお顔が台無しですよ‥‥‥)


(そんな事は、どうでもいいのです。それよりも貴殿は大丈夫ですか?)


(はい? 大丈夫とは? この私が?)


(‥‥‥そうです。モードレッド卿がです。先ほどのアーサー王に対する態度といい。最近の貴方は、心配になる場面が多々ありますよ)


(トリスタン卿‥‥‥その美しき弓の腕と同じ私の心も見透かされてしまいましたかな‥‥‥ハハハ)


 私は力無く。感情の笑いをした。


(‥‥‥モードレッド卿が自領の事を第一に考えている事は良く分かります。現在の『妖精国』は中央地帯の開発の為に各領内の僻地にまで目を向ける事ができなくなっています。そのせいで‥‥‥)


(そのせいで、身分の低い妖精達やはぐれエルフの人達が飢餓で死んでいるのをあの王は知らないのだ! トリスタン卿。この国の王だというのに!)


ドガアアアン!


 私はキャメロット城の廊下にあった鎧をおもいっきり蹴り飛ばした。


(モードレッド卿‥‥‥‥)


(‥‥‥‥済まない。トリスタン。少々、怒りっぽくなっていた。最近は国内事業や地上の『セルビア』の景気が良いから。国の生産性も上がっているから忙しいものな。そうだ、そうだ。仕方がないな!アーサー様もモルガン様も。そのせいで最近はお忙しい。そんな状態では、たかだか一領地の僻地の事まで頭が回る筈がないのにな!‥‥‥ハハハ‥‥‥)


(モードレッド卿。貴殿は少し休んだ方がいい。いつも、頑張り過ぎるのだ。一度、円卓の騎士を休み。自身の領地で療養した方が良いのではないですか?)


(‥‥‥トリスタン。ですが、私には領地での仕事が‥‥‥‥)


(はぁ‥‥‥‥とりあえず、明日から私と一緒に私の領地でしばらく、暮らしましょう。行きますよ。モードレッド、長期に休む連絡は先ほど。ケイ殿を通して。アーサー王に伝えておいたので。後の事まはケイ殿がどうにかしてくれますよ。モードレッド卿の領地。僻地の事も)


トリスタン卿は私の右手掴むと凄い力で私を引っ張る。


(な、なんと。かってな……って! 聞いているのか? トリスタン卿!)




『トリスタン領地』コーンウォールの泉


(どうですか? 綺麗でしょう? モードレッド?)


(‥‥‥いきなり私をこのような場所に連れて。そう言われてもな‥‥‥)


(フフフ、貴方には、休息が必要ですから)


(‥‥‥私には休息ですか?トリスタン卿‥‥‥いえ、○○○○殿)


(まぁ、それは捨てた名です。モードレッド卿。今はトリスタン家に来た。トリスタン卿です)


(‥‥‥そうですか。‥‥‥それは、失礼をトリスタン卿‥‥‥‥良くみれば確かに美しい景色ですな。‥‥‥‥あらんでいた心が救われる様だ)


(えぇ、貴方には、少し時間が必要なんですよ。モードレッド。だから、ここで好きなだけ休んで下さいな)


(あぁ、ありがとう。トリスタン卿‥‥‥‥)



現代・『カムラン高原』


「モードレッド卿!!!!」


「ヒヒヒヒ! トリスタン卿!!!!」


ガキーン!!!


両者の剣技がぶつかり合う。


「‥‥‥‥貴殿は何者かに操られている。正気を取り戻せ! モードレッド!」


「正気ですよ! ほら、このように!」シュン!


ザシュッ!


「モードレッド様?! 何を?! ギャアアア!!!‥‥‥」


「‥‥‥‥モードレッド‥‥‥貴方‥‥‥」


「もう何を言っても無駄です。トリスタン卿!! 以前のモードレッド卿はもう存在しない!」


 ガウェイン卿がそう叫びながら。モードレッド卿に剣を突き立てる。


「‥‥‥‥分かっております。ガウェイン卿‥‥‥お覚悟をモードレッド卿」


「ヒヒヒヒヒヒヒ! 殺してあげますよ! トリスタン卿!!ガウェイン卿!!」

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