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ここはもはや牢獄ですわ

《ケレス女学院裏口 夜》


カチャカチャ...…ギイィィ……


「開きましたわ。これで逃げられますわ。惠」


「流石よ。アヤネ。ストーキングスキルが冴え渡っているわ」


「当たり前ですわ。セツ君の部屋に侵入する為なら火の中水の中異世界の中ですわ」


「………ストーカーの鏡みたいな発言ね」


 惠が酷い事を言っている気がしますが。今はそんな事気にしている暇はありません。


 もうこんな生活限界ですわ。


 毎日毎日女の子に囲まれながら。夜は九条先生のとんでも特訓で人外じみた力が付くようになってきましたし。


 これではわたくしホントにか弱いお嬢様キャラから脳筋魔法使いにジョブチェンジしてしまいますわ。


「しかし九条先生もあれよね。アヤネ」


「あれ?……何がですか? 惠」


「アリーナの世界の問題は解決したらしいけど。私達はケレス女学院に残って引き続き特訓してろって酷いわよね?」


「……そうですわね。九条先生は私達を信用しなさすぎですわ」


モワワ~ン!


(スゥー……ハァー……力は付いてきたが。変態思考で中途半端な実力のお前達を学園外に出すと色々とやらかすだろうから。1人前になるまでここで鍛える事にした。喜べ可愛い愛弟子共)


(い、嫌ですわ。私はここを一刻も出てセツ君に会いに行くのです)


(わ、私だって新しい恋を探しに行くんだから)


(黙れっ! ビッチ共っ!)


ペチンッ!(アウッ!) ピシッ!(シャンッ!)


(力を使える様になって中途半端が一番死にやすい。それにお前達は色々ど変態だからな。一歩でも外に放てば騒ぎを起こすのは目に見えている)


(し、信用が無さすぎますわ)

(そ、そうよ。人権侵害よ)


(1度脱走を計ろうとしてた奴等が良く言えたものだな)


((ギクッ!!))


(スゥー……ハァー……まぁ。アリーナは平和になったが。こちらの世界では何か起こるかもしれん。起こらなくても対象できる力は身に付けろ。そうすれば他の場所でその力が役に立つ時がきっと来る…………あっ! お前等。どこに行くつもりだ。逃げるな。お前達っ!!)



「あの隙をついてここまで来たもののですわ」


「見つかったら確実に私達は九条先生に血祭りにされるわね」


「誰がどんな奴等を血祭りにあげるって?」


「「ひぃ!! 九条先生?!」」


「スゥー……ハァー……ガス抜きも必要だったか。お前達。私の車に乗れ。高級焼肉連れていってやる。その後はカラオケなり神成の家なり好きな所に少しだけ連れていく」


「「はい?」」 


「………これからは私が同行した状態なら外出は許可してやる。本当は天王洲家や神無月家からも作法や武術も教える様に言われているが。ストレスを貯め過ぎて倒れられるのも面倒だからな」


「九条……先生」

「う……そ? 良いんですか?」


「嫌なら修行再開するが? 嫌なのか?」


「い、嫌ではありませんわ」

「い、行きます。自由な外に行きたいです」


「フッ……そうか。ならさっさと乗れ。アイツ等も私達を待っているだろうしな」


「「アイツ等?」」


「行けば分かる。ほら。さっさと主発するぞ。さっさと乗れ」


「「は、はい。分かりました」」


「………今日は満月か。セイメイもあっちで元気にしているんだろか?」


 九条先生はそう言うと静かに車に乗り込み。私達を待つセツ君達の元へと向かってくれたのでした。


 その後にも色々な事が起こりましたが。それはまたは別のお話です。


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