もう一度貴方に伝えたかった
《神成家 リビング》
地球とアリーナを行き来する長い長い旅を終え1週間程経った。
あれからユナと特別な関係になったり。
アナスタシアとルアがアリーナから地球にやって来て。神成家は毎日がお祭り騒ぎの日常が繰り広げられている。
「お主等。朝食は大人しく食さぬか」
「カハハハ! 分かっておるわ。ユナママよ」
「ユナママ……ご飯お代わり。飯旨い」
「……居候のくせに遠慮が全然ないじゃと? 刹那っ! お主はどんな教育をこやつ等にしておったのだ?」
「自由奔放に育ってもらってたらこんなフレンドリーファイヤーなモンスターに育ってたぞ」
「誰がモンスターだ? 刹那。私は神で」
「ルアは教祖様」
ドスッゴスッ!
「ゴハァ? お前等……何?(ワサビとカラシをどこから取り出したんだ? それを俺の口の中に突っ込んで何をする気だ?)」
「神を馬鹿にした神罰を喰らえ。セツよ」
「神成は私達を何だと思ってる?」
ブチュゥゥッ!!!……チューブ状のワサビとカラシが俺に口の中に同時に流し込まれた。
「ゴォアア?! モンスターッ! やっぱりお前等幼女の姿をしたモンスターキッズだわ」
「……朝から何をやっておるのだ。お主は……」
ブオンッ!
「む? ブオンッ?……この音は確かタマキの転移門が現れる時の音じゃな。まさか? 地球にやった来たのか?」
「はぁ? タマキ? 何でこっちの世界に?」
ギィィーガコンッ!
俺がそう言っている間に突然現れた転移門の扉が開き……
「ご主人様ッ!! お久しぶりで……ギャファ?!」
「おうっ! 何だ? この狭い部屋はよう?」
「フンニャア!! やっぱりわっちはこっちだと子猫の姿になっちゃうのニャア?」
タマキが扉から出てきたと同時に懐かしい奴等がタマキを床へと押し潰して現れた。
「ヒスイに……セシリア……とまさか? 君は……アルディスか?」
「うん。そのまさかだよ。セツナ君」
転移門から最後に現れたのはドレス姿に身を包んだ以前よりも女の子らしくなったセルビア国の王女アルディスだつた。
「……アル先輩。やっとこちらへ来る事を決めたんですね。良かった」
ユナは静かに涙を流して微笑んでいる。
「アル……何で地球に?」
「うん。それはね……うん……それは……ボクは……アルディスは……セツナ君にもう一度会って伝えたい事があったからやって来たんだよ」
「伝えたい事?」
「うん……うん。伝えたい事……ずっとずっと会いたかったっ! ボクの大切なセツナ君……会って伝えたかったんだよ。ボクは君を愛しているんだってっ!」
アルはそう叫ぶと俺の胸元へと飛び込んで泣きじゃくり始めた。
「アル……そうだったのか。俺も君に何も伝えずに居なくなったりしてごめん。本当にごめんよ。アル」
「うん。絶対に許してあげない……だからボクが許すまでずっとセツナ君の側にいさせてもらうんだからね。ううぅ…ウエェェンン!! セツナ君に会えて良かった。良かったよぉぉ!!」
「アル。ああ、俺も君とまた会えて良かったよ。ありがとう」
そうして俺とアルディスは涙を流し合い再会を喜びあった。