ルアとアナスタシアが地球にやって来た
〖地球 とある昼下がり〗
チュンチュン……チュン
今日も平和だ。
アヤネや委員長はケレス女学院に幽へ…編入したままで出て来れないし。
以前は騒がしく家に訪問して来た女子達も来なくなった。
家に居るのはアヤネの専属メイドだった寧々さんと芽愛位で。最近はエスフィールと共に穏やかに暮らし。
たまに学校の寮から帰ってくる星奈に何故か、嫌みを言われる日々だ。
「これまでの人生がハードモード過ぎたんだよ。これからは、ゆっくりと学生ライフを過ごして生きて行こう」
リビングで1人だらけきっている俺。ああ、ビバ暇! 最高だ。などと考えていると突然、魔法陣が現れた。
「ん? これは……エスフィールが魔法世界から戻って来たみたいなだ……」
シュンッ!
「ウィーッ! 喰らえ! 神成!」ドスッ!
「グエッ!」
「カハハハ! セツツツッ! 貴様、良くも私達を置いて行ったな!」バコッ!
「ガハッ!」
「……これは自業自得じゃな」
「お、お前達は……ルアとアナスタシアだと? 何でここに2人が居るんだ?」
「……神成。置いてくの酷い!」
「カハッ! そうだぞ。この非常者め」
展開された魔法陣から現れたのは、金髪幼女のルアと銀髪幼女姿のアナスタシアだった。
「魔法大陸の大陸会議があってのう。そこでこやつ等と再会したんじゃが……お主に会わせろとずっと騒いでおってのう。学校にも通いたいとも言っており、手がつけられなって連れてきたのだ」
「連れてきたのだって……いや。駄目だろう。あっちの世界の関係者をこっちに連れてくるなんて」
「それを言ったら私もその関係者じゃがのう」
「いや、君は俺のお嫁さんだから特別だろう」
「……お、お嫁さんなどと。こやつが居るのに何を恥ずかしい事を言っておるのだ。刹那は……たくっ」
「……ウィー、進展してる」
「……カハッ! だから。2人だけでこっちに帰還してきたのか」
ジト目で俺とエスフィールのやり取りを2人は見ている。
「ああ、そうだ。だから君達がこの家に住むと、俺とエスフィールのイチャイチャタイムが減る……だから大人しく平和になった魔法世界に大人しく帰……」
ドカッ!バキッ!ドゴッ!バキッ!ドゴッ!バキッ!
「ぎゃあーーー!」
「刹那!!」
金髪幼女と銀髪幼女は俺を容赦なくタコ殴りにし、戦闘不能にすると以前、使っていた自分達の部屋へと。魔法世界から持ってきた荷物を置きに行った。
「ア、アイツ等。前より強くなってないか?」
「……修行したらしいぞ。お主に仕返しする為にのう。何が何でもここに住むとも言っておった」
「んな? アイツ等。ふざけ……ゴホッ!」
「ウィー、神成。久しぶりに私達と戯れろ!!」
「カハハハ! セツよ。さっきはボコボコにして悪かったのう。遊んでくれ」
ルアとアナスタシアは俺に抱きついて来た。
「……まあ、しばらくの間は居させてやるか。なあ、エスフィール」
「相変わらず。素直ではないのう。勇者殿は」
「ふん……うるさい。魔王さんだな」
俺はルアとアナスタシアの頭を撫でながら、そう告げた。