終末決戦・〖勇者と魔王の未来の為に〗No.8 勇者と相棒
『ソロモン山脈 入口』
「どんどん沸いてくるぞ。隊列を崩さずに倒していけ」
「「「「オオオオオオ!!」」」」
「魔法部隊は剣士達の援護と補助魔法を」
「「「「「はい!」」」」」
「ニャー、凄いニャア。あれが剣技大陸の何とか学園たか言う生徒ニャア? 皆、一人一人が強いニャア。そんであっちが剣の里。ティアマト地方の海兵ニャア?……いつの間にかセツニャの手駒がメチャクチャ精鋭揃いになっていたんだニャア」
「ええ、これも勇者様のお力と加護のお陰です。ああ、勇者様。貴方は今、どこに……」
「ニャア……だからオニャエの直ぐ近くに居たニャロウ。これも―女神―ヘラの女神の祝福のせいニャロウが……! そろニャア。今の聖獣のわっちならエリスにかけられた女神の祝福も解けるかもしれないニャア……エリス。ちょっと失礼するニャゾ」
「はい?……何ですか? セシリア……私を食べようとするなんて?!」
◇
『ソロモン山脈・峰』
「下が騒がしいな……」
「そうだな。それにしてもここに来て魔道王アルゴンとは、どれだけ奥の手を隠してるんだ? ギアートル・ホーエンハイムは?」
「神ノ使徒に教える情報はない。ましてやこれから死に行く者などにはな」
「そんな事を言っていられるのも今のうちじゃないのか? さっき剣技大陸のレイカさんから念話が届いたぞ。大アルカナの〖女教皇〗を倒したとな。神々の黄昏も残りアンタと新しく登場した愚者だけになったわけだな」
「……だからどうした?」
「アンタの部下。七死霊も倒された。どんどん不利になっていくぞ」
「……ならばと降伏を進める気か?」
「いや……逆だ。もっと追い詰められてくれ。アイツの為にも」
「ん?……アイツだと?」
「ああ、その方がアイツに有利に戦えるからな。そうだよな? スヴァローグ……」
「神明魔法……〖インフェルノ〗」
「……この力はスヴァローグ・イグニッションか?」
「ああ、お久し振りです。義父よ……勇者の呼び掛けにより馳せ参じた。我は貴方の終末を否定する……かつて神々の黄昏がフレイヤ地方に行った謝罪としてな。貴方を焼き払おう」
「笑止……大アルカナ〖太陽〗の片割れを棄てた者が今更何を言うか……だが良いだろう。我を止めるか。それならば先に裏切り者の始末を行おう。不承の我が育て子供をな」
「承諾した。セツ……勇者よ。魔転移の手紙。助かった……そして、願わくば」
「ああ、どっちかが勝つまでは手を出さないさ。スヴァローグ」
「恩にきる。ならば始めよう。我が養父の行う終末を止める戦いを!」




