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向かうはソロモン山頂


『ヘラ地方 ゲイボルグ城』


「こんな終末が近づく時ではあまり豪華なおもてなしは出来ないがな。少年と夜霧の仲間達よ。今夜はゆっくりとこの城で英気を養ってくれ」


「ニャー、遠慮なく頂くのニャア~!」

「霊王殿。私は……」


「メイドの者。今は名乗らなくてよい。終末が無事に終わった時にでもまたゆっくりと話そうぞ」


「は、はい。分かりました。お気遣いありがとうございます」


「ハハハ! 何だ。魔……うちのメイド様は霊王のおっさんとわけありかい? それよりも早く飯を食おうぜ。冷めちまうからよう!」


「ヒスイ。霊王殿をおっさんなどと呼ぶでないわ。この御方は死の大地の奥地に潜む化物共の進行を長きに渡り防いでくれておる。魔法大陸エウロペの守護者なのだぞ」


「よいよい。ヒスイとは酒を酌み交わし、友と認め合ったなかだ。それに終末が来た事により、死の大地に跋扈していた魔獣や魔神共は全てソロモンの糧へと消えた……この霊王の役目もな」


「ソロモンの糧ですか? それはいったい?」


「ギアートルのしもべ達として作り替えられたのだ。あれらは天空大陸の扉を開け、上の世界を攻める為の兵力とするのだろう。天空大陸が終われば。魔窟の暗黒大陸……そして、最後に魔法大陸エウロペと三つの大陸が落とされればギアートルが望む終末の先が完成する……皆が消えるのだ」


「皆が消える……ですか」


 俺はエスフィールと霊王…レオンさんが何か話をしているのを見つめながら、外が見えるゲイボルグ城のバルコニーでスカサハと対面していた。


「久しぶりだな。アグナの廃棄炉スクルータで別れた以来か。スカサハ。無事だったんだ」


「再会……ええ。カミ君も無事で何よりだったわ。お互いあれ以来、別世界に飛ばされていたから。連絡も取れなかったわね」


「やっぱり君もどこかしらない世界に飛ばされたのか?」


「肯定……私は夢の世界に飛ばされたわ。そこから夢魔の力で自力で脱出したの」


「そうか……そういえばこの時代のアイリスには……」



「ニャホホ。またセツニャらが違う女と仲良しこよしやってるニャア。これはまたメイエスがかんかんに怒るかもニャア。ヒスイ」


「いや。あれは恋だの好きだのの関係じゃなさねえよ……長い時間を共にした仲間つう雰囲気じゃねか?」


「旅をした仲間ニャア? セツニャの奴。わっち達意外とも旅をした仲間がいるのニャア? そんな時間あったかニャア?」


「さあな。だが、あのスカサハとか言う女。神成とかなりの修羅場を共に潜って来たのはよく分かるぜ」



 ヒスイとセシリアが俺達の方を見て何か会話をしていたが、どうせ俺とスカサハがどうのとかの話だろうから気にしない事にした。


「そうか。会いにいたのか。アイリスさんが居る魔王領に」


「成長……大きくなっていたわ。色々と……不思議な気分になったの」


「最後には別れた時は子供だったのに、こっちの世界で会ったら大人になってるんだもんな。そりゃあ驚くさ。それでどういう反応を……」


 俺がそんな質問をしようとした時、黄金の宝物庫が光出し。二人の少女が飛び出して来た。


「よう! 神成。ルア、チョイとテレシアに行ってくる」

「カハハハ! かなりのピンチらしくてのう。加勢して来るぞ。セツ」


「ルアとアナスタシア……お前等勝手に外に出てくるなよ。ソロモン山脈に着くまで黄金の宝物庫で天使達の部屋に居るって約束だろう」


「無理! 時間無いから。行ってくる!」

「カハ! 安心しろ。ヘスティア地方を救ったら決戦には間に合わせるからな。〖雪吹雪〗」


ビュオオオ!!


「あっ! コラッ! 待て幼女共!」

「雪風になって西に行ってしまったわね」


 スカサハは冷静にルアとアナスタシアが飛んで行った先を指差してそう告げた。




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