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〖機巧〗カリオストロ No.2 魔女に沈まれし発明者


数日前の魔道船ユピテル


「……兄弟子達消えちゃった」


「仮面の方の仕業ですね。それを合図とばかりに―女神―ヘラ様の地で動き出そうとする方々も動こうとしていますね。では、サーシャ。貴女をガリア帝国まで投げ飛ばすので対象し来て下さい」


「……待って。エリス姉……言っている意味が分からないんだけど」


「大丈夫です。貴女には七聖―女神―の加護がついているのですから。それでは行ってらっしゃいま……せっ!」


「……ま、待って! エリス姉えぇぇ!!」



「サーシャ! 何故、お前がどうしてここに居る?  確か1ヶ月前に届いた手紙にはティアマト地方で暮らしているとあったが」


「……うん。さっきまで居たけど。聖女様に打ち上げられて此処ここに降って来た。それよりもバルバッハお爺ちゃん。凄い怪我してる」


「わ、私も怪我をしていますよ。私のサーシャ」


 お爺ちゃんの隣で倒れているランスが五月蝿い。


「お爺ちゃん。大丈夫?」

「サーシャ! 私も怪我をしているのですが」


 またランスが五月蝿い。


「……ああ、何とかな。サーシャよ。ランスロットと共にここから避難しろ。ここは危険だ。あの機巧とか名乗る老人は俺が引き付け時間を稼ぐ……ゴホッ!」


 お爺ちゃんが口から大量の血を吐いた……あの鎧のお爺さんから受けた攻撃のせいなのは明白。


「お爺ちゃん!」

「バルバッハ元帥。確りして下さい!」


「サーシャ、ランスロット……逃げろ。俺達ではあの機巧とやらには勝てない」


【やっと気づいたかね? ならば大人しく終末が過ぎ去るまで大人しく暮らしているのだ。そうすればワシはこのガリア帝国をこれ以上、侵略はせぬ】


「……でも貴方は私のお爺ちゃんを傷付けた。地魔法〖地殻層〗」


【?! これは?……身体が地中に沈んで行く?!】


「……そう地中なら貴方の機巧の鎧は上手く発動出来ない。地中に沈めたら…今度は水攻め……水魔法〖激流層〗」


 次に機巧のお爺さんを沈めた場所に大量の水を注ぎ込む。魔機械は水に弱いって兄弟子が良く言っていたからそれを試す。


【おのれ! 止めんか! 汚濁の濁流がワシの鎧の中に侵入してくる】


 地中深くから機巧の叫び声が聴こえたけど気にしない。あの人は私のお爺ちゃんを殺そうとした。私はそれを絶対に許さない。機巧の人が戦えなくなるまで攻め続ける。


「……止めない。止めれば貴方は私のお爺ちゃんをまた傷付けるから」


「サーシャ……お前。いつの間にそんなに強く……」


「うん……列島大陸イザナギで神の獣を倒したから強くなった……魔術院からやっと魔女として認められたんだ。それで色は〖緑〗で地味な色」


「何?……ワシの孫が魔女になっただと?」

「……それは凄い。現代ではフレイヤ地方のシエル様が一番新しいだったはず、流石、私のサーシャ!」

「黙っていろ。ランスロット……サーシャ。お前が本当に新しい魔女なのか?」


「……うん。やっとなれた……マーリン師匠と一緒の魔女に」


「……そうか。俺の孫が魔術院の名誉ある魔女になったのか。良かったな。サーシャよ……」


 バルバッハお爺ちゃんが泣きながら嬉しそうに笑ってる。魔術院から魔女に選ばれるのは、魔法使いでも数百年に数人しか選ばれない本当に名誉な事、お爺ちゃんはそれを良く知っている……私が昔からそう教えてあげていたから。


 だからこんな状況でも私を祝福してくれた。


 ゴゴゴ!!っと地中から何かが上へ飛び上がって来た。


【ボオラアアア!! 貴殿が魔女だと? 娘! だからか……先程からワシの機巧に対し、優勢を取っていたのは。魔女は機巧の天敵。小さき娘をいたぶる趣味がないが……今は終末を優先する。機巧戦術〖ベルガモの戦車〗】


「……させない。雷魔法〖雷鳴層〗」


 機巧の周辺に雷の断層を造り出して、一気に電撃を周囲に放つ。


【……確か、ギアートルが昔、言っていた言葉では……〖緑〗の魔女は自身の魔法に天候の一部と取り込みだったか。これでは機巧が維持できん。このままではギアートルが創る終末後の世界に支障がでる……機巧戦術〖カリオストロ機巧城〗】


 突然、ガリア帝国の空から巨大な魔機の建物が出現した。大きい、大きいお城みたいな金属の塊が。


「……何だ? あの巨大な岩の城は?」

「わ、分かりません。ですがあの城の用な建物……少しずつ落ちて来ていませんか?」


【さよう。ワシのカリオストロの機巧城は、ガリア首都へと落とし、巨大な爆撃によりアテナ地方の全土を更地化させる】


「何? 貴様、今、何と言った?」

「……確かにあんなに巨大な建物が落ちて来ればアテナ地方の国々は跡形もなく無くなかもしれません」


 バルバッハお爺ちゃんとランスは空を見ながら、驚愕の表情をしている。


「……じゃあ、私が何とかする。五属魔法〖戻りの場所〗」


 私は虹色の小箱に火、水、雷、風、地の五属性の魔力を注ぎ込む。そうすると小箱から虹色の光が飛び出して来て、機巧のお爺さんに当たった。


【ガハハハ! 今更、何を使用とも遅いわ。娘……貴殿が来なければ、ワシは大人しく終末が過ぎるのを待っていたのだ。それが貴殿のせいでアテナ地方は更地と化すのだぞ】


「……うん。そうなる前に貴方には帰ってもらうから。バイバイ……マキナの雲海の彼方かなたにね」


【何? マキナの雲海だと?……まさか?! 先程の虹色の光は!】


「うん。場所戻りの箱……兄弟子がくれた転移の箱。それを貴方に使ったから……全部終わった後に戻ってきてね。機巧カリオストロさん」


【き、貴様!! ワシを見知らぬ彼方へ飛ばすつもりか? お、おのれ! やはり魔女は機巧に取っての厄さ……】シュンッ!


 機巧カリオストロが消えると、同時にガリア帝国の空に出現した大きな城も一瞬で消えた。


「こんな勝ち方があるとはな」

「ええ、何が起こったのか分かりませんが、機巧カリオストロ……消滅を確認しました」


「……うん。セルビアで兄弟子に貰った転移の箱が役にたった。ありがとう兄弟子……お爺ちゃん手当てをしないと……後、ランスも」


 私はそう言うとバルバッハお爺ちゃん達の所へと歩いていく。


 私がアテナ地方に飛ばされている最中に起きた、ヘファイストス地方の青色の大爆発……あの爆発のさせ方は兄弟子が助けを求める時に使う魔力爆発。


 機巧のお爺さんも終末とか言っていたし……魔法世界アリーナはどうなるのか。私は少し不安に成り始めた……



〖機巧〗カリオストロ


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