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〖英雄〗サテュロス No.2 騎士と始祖


 数日前。ヘファイストス地方の西の地より魔法世界アリーナの全世界に鳴り響いた青き爆発を聞き、神成刹那と共に旅を共にしてきた仲間達は彼からのメッセージを知る。


『魔法世界は終末を迎えた後、何も無くなる。それを阻止する為にどうか皆の力を貸してほしい』


 これはイシスと神成の策であった。イシスから今後の神々の黄昏ラグナロクがどう行動するのかを聞かされた神成による。ギアートル・ホーエンハイムが魔法大陸エウロペに解き放つであろう刺客達への対象する為の対策。


 信頼するかつての仲間に魔法大陸エウロペの救援求める。それが神成刹那が考えた策であった。


『炎上する始まりの大森林』


「最初から全力でいく……神代魔法(白)〖白刀竜剣〗」


「白色の剣……騎士だから剣の扱いも得意だとでも言いたいのかな?」


「当然……敵対対象を鏖殺おうさつする」


【なら。私が産み出す子供達を倒してごらんよ。獣神魔法〖獣火群〗】


 身体に火を纏った獣の群れが出現し、メリュジーヌを取り囲む。


「「「「ルオオオ!」」」」


「自分の身体を分離させて獣型の魔獣を造り出すなんて、どんな身体の構造をしているのかな? 〖白刃〗」


【子孫の繁栄、住処の提供、豊富な資源と原初の〖英雄〗は何でも用意してやらないといけないんだよ。それが子を産み育てる母の務めだったからね。そんな偉大な私に勝てると思っているの?】


「勝てると思っているよ。だって此方こなたはユグドラシル地方で最強だからね。それとね……君のお陰でこのユグドラシル地方を豊かになったからってね。終末の為に始まりの大森林を焦土にするなんて、そんな身勝手許されるわけないよ。神代魔法〖白刀乱舞〗」


 メリュジーヌは火を纏った獣の群れに向けて真空の刃を一瞬で数千回放った。すると獣達は一瞬で細切れと化してしまった。


【妖精、騎士、神、人族の混合種。流石に強いね。この世界は混ざれば混ざり合う程に強くなる。だから強者が生まれ戦争な紛争が起こるんだね。英雄の母はそれがとても悲しかった。だから全ての獣の子達には一度白の世界で元の一つになってもらわないと困るんだ。それを邪魔するオーディンの系譜は排除しないとね。獣神魔法〖水雷獣開放〗】


「今度は水と雷の二体の獣かい? 原初の英雄獣サテュロスは何でもありの化物のなんだね。本当に」


【今の時代の獣達が軟弱過ぎるだけじゃないかしら? 私はちゃんとあの子達が暮らせる土壌を用意して去った。なのに子孫はその豊富な資源を取り合いもせずに譲り合うなんて……闘争心が無いのにも程があるわ】


「……この残酷で過酷な魔法大陸エウロペでそんなに場所があるなら最高だと此方こなたは思うよ。そんな偉業を自分から壊そうとするなんてやっぱり可笑しい。止めさせて貰うよ獣の英雄サテュロス」


【身の程をわきまえた方が良いよ。君との格の差というのを教えてあげようね。獣神魔法〖火水雷獣群〗】


 火を纏う獣が再び現れる。水を纏う獣がサテュロスの身体から分離し、遠吠えをあげる。雷を纏う獣が空から現れ、メリュジーヌへと向け雷撃を容赦なく放つ。


「……君はいったい一度の魔法発動で、この始まりの大森林を更地にする気なのかな?」


【当然でしょう。元はといえば私が子供達に与えた物。それを取り上げる権利はいつでも私にはあるの……だって私はあらゆる獣の始祖なんだから】


 メリュジーヌに向けられたサテュロスの容赦ない攻撃は、始まりの大森林の緑を黒焦げの焦土へと変えた。

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