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北欧の義兄弟 No.2 トリックスター


 ロキは地球に居た時、ずる賢い者、空を旅する者、人々の恐れ、狼の父等とあらゆる別名で呼ばれておった。


 あらゆる事件の裏で暗躍し、神々や巨人達をあざ笑い怒りを買っておったのを今でも覚えておる。それが今でも伝記とやらで伝わる《ロキの口論》《ロキの捕縛》というものだ。


 奴は地球でのラグナロクで、ヘイムダルと言う者と相討ちになりその生涯を終えたとワシは勝手に思い込んでおった。


 だが、それは違った。こちらの世界──創造世界アリーナで、子供の姿へと自身を変え有りとあらゆる悪戯いたずらを行う存在……世界の害悪と化していたのだった。

 

 アリーナの世界は創造神様が皆が、幸せに暮らせる世界にする為にお造りになられた世界。


 そんな世界にワシも賛同し、地球側の役目を終えた後、こちらの世界に辿り着き。セルビアの建国などに尽力し、ワシの力を受け継ぐ子供達も地球から呼び寄せ神代魔法や色彩の力をこの世界に広め定着させていった。


 それを良しとしないのが、ロキだった。奴は自身の方が先に死に、この魔法世界へと送り込まれたのだから自身の力がこの魔法世界に悪影響を起こさせた方が、この世界の為だとワシの前に突然、現れのたまった。


 ……それ故にワシはあらゆる〖権能〗を行使し、ロキの力を弱体化させ倒そうとしたが一瞬の隙をつかれ逃げられてしまった。


 ……あれから数千年もの時間が流れ、再び奴と相対している。かつての義兄弟と。魔法世界アリーナを終末へと向かわせようとする黒幕同然の敵と戦っている。


「ハハハ。神代魔法、色彩の力、ルーンを解読させて現代魔法の基本を、現代に定着させた現代魔術の祖とも言われるオーディンとこうして、また戦っているなんて本当に信じられないよ」


「ワシもじゃ。普通ならばお主もワシもとっくに地球で死に、物語として語り継がれる存在になっておるだけの存在なのじゃからな」


「……それを狂わせているのがこの異質で歪みきった世界『アリーナ』だろう。この世界なら何でも叶う、何でも出来る……そう地球のラグナロクで出来なかった終末を、生き残ると言う行為を達成出来る」


「その為にこの世界で長年に渡り暗躍していたというのか?」


「そんなの当たり前だろう。あっちじゃみじめな役目しか与えられなかった……ボクが口を開けば周りは怒り、捕まえ様として……とてもとてもつまらなくてくだらない世界だった。だからこの世界では最後の方まで目立たず、暗躍し終盤で主役として登場するのさ。生き方が全て物語の主人公の様な君の様にね。オーディン!! 逝きなよ! 父さん。〖残酷に打つ《ファールバウティ》〗」


「……お主が歪んだ原因はワシにあるか。それも一理あるが、根本的にお主がこの世界に介入した事が問題なのだロキよ。この世界は創造神アリーナ様が世界に平和にとお造りになられた。世界……お主やギアの様な者が介入し汚していい世界ではなんいじゃよ! 〖ユールのもの《ヨールニル》〗」


 傀儡人形と人型の雷が衝突し、ヘファイストス地方の空に魔力暴走を引き起こす。それは周辺地帯の大気や魔力残滓を歪ませ、魔力嵐を巻き起こり争う二人の神に襲いかかった。


ドガアアンン!!


 


「年寄りの分際でボクの技と互角とはね。流石が世界の恩恵を100パーセント使えるだけの事はあるね。地球でも魔法世界でも君は大英雄様だ。ボクとは格が違うよ……とか言うとでも思ったかい? オーディン。君は老いぼれで、ボクは未来がある子供……力の差がここまであるとは思わなかっただろう?」オーディン。老いすぎたね。まさか昔、馴染みの知り合いの人形に攻撃をするのを一瞬戸惑って致命傷を負うなんて……思ってもみなかったかい? 老いぼれのオーディン!」


「ゴホッ……まさか魔力暴走の力を利用し、ワシにそれを向けるか。その狡猾さ。昔と全く変わっておらんな」


「オーディン。戦いというのはね。勝てば全てが許されるんだよ。許されてその勝者が未来へといく。未来へと行って伝説になり語り告げれる。かつての君の様にね。だから次はボクの番てわけさ。ボクは君に勝って先に行く……終末の先。白の世界に」


「白の世界……そうか。ならば止めよう。貴様の未来……スキルヴィング……オーディン」


「は?……君? 今、何にを唱え……ゴガァ?」ドガッ!


「この高密度の魔力暴走内だから可能な芸当だ。ロキ……神話回帰……ワシは……いや、俺は自らの若さを回帰させた。これで対等に殴り合える。かつての様にな!」


「……お前。その姿、まるで若かった時のオーディンそっくりじゃないか」


「ああ、この姿でお前を止める……覚悟しろ義兄弟ロキ……ヴァルハラへの帰還の時だ」

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