七死霊降臨
ユグドラシル地方『始まりの大森林 キャッツアイ』
「ガルド族長。空がいきなり暗くなっちまったぜ」
「これは死の大地から広がって来た雲か。何故、ユグドラシル地方まで覆い始め……」
ドゴオオン!!
「?! 何だ? 空から何か降ってきた?」
【痛たた……神話時代振りの故郷か……あんなに小さかった世界樹も地下ですくすく育っているようだねぇ。まあ、そんな事より。終末を始めようか。私の子孫君達】
〖獣の祖 英雄サテュロス〗
「このお方は……まさか」
◇
アテナ地方『ガリア帝国 首都テトクリス』
「首都の復旧もだいぶ進みましたね。バルバッハ元帥」
「ああ、一時期はどうなるかと思ったが。これも南部の兵を復興部隊として連れてきてくれたお前のおかげだな。ランスロット」
「いえ……私など何もしておりませんよ」
【ほう。ワシが造ったガリア防衛機巧もまともに使えんのか? 現代のガリア人は?】
「誰だ?」
「全身……魔道具の鎧?」
【ほう……迷彩機巧を発動している我に気づくか。面白い相対してやろう】
〖魔道具の祖 機巧カリオストロ〗
◇
ヘファイストス地方〖都市 オアシス 時計塔〗
「ラインバッハ様。先日の西地帯側の調査の件が上がって参りました」
「ああ、ご苦労。今まで行くことが出来なかった、蜃気楼の砂漠。やはり調査隊を向かわせるべきか……」
【いえいえ。そんなの結構よ。だって今日で貴女達の世界は終末に向かうのですもの……ねえ? ラインバッハ】
「誰だ?……何処から入って来た?……お前はマロか?」
【ええ、そう。お久しぶりね。私の元弟子君。終末の時間が来たわ】
〖大魔女 マギア・アル・マロ〗
◇
フレイヤ地方『蜃気楼の屋敷』前
「おいおい。ジーン。何だよ! あの黒い雲は? ずっと広がり続けてるぜ」
「不気味過ぎるね……」
「……終末の雲です。ですが私が呼ばれていないと言うことは……」
【変わりはボレが次いでやったぜ。アニギ……へへ】
〖偽魔神 ジャズ〗
「うわぁ? キメラか?」
「気持ち悪い……」
「貴方はジャズさん……何故、そんな姿に」
〖魔神 ジン (離脱派)〗
【アンタの変わりに代理人とやらに拾われたんだよ。アンタを殺せば七死霊として取り立てるとな。だから、俺の為に殺されな。魔神のジンさんよおおぉ!】
◇
ヘスティア地方『ルア・カトリク』
「クロ。あの黒い雲はいったい?」
「不吉だな。直ぐに竜の里から守備隊を予備警戒態勢を止らせよう。夜叉」
「ええ、分かりま……」
「緊急! 緊急! 緊急! ソロモン山脈側より異形の怪物達が襲来! ルア信徒兵は直ちに迎撃の準備を……」
「……ソロモン山脈から」
「怪物だと?」
ヘスティア地方〖ソロモン山脈側 剣山〗
【ギアートル様に報告していて遅くなってしまいましたが……終末の時が来ました。さあ、終わりにしましょう! この世界に終末を】
〖博士 アレイスター〗
◇
ティアマト地方『魔道船 ユピテル』
「……兄弟子達が消えちゃった」
「いえ、これは魔法の強制発動では……」
【あらあら? お早い帰りだったわね。でもギア様が危険ししていた子達はもう居ない様だし始めしょうか……終末を。アヌビー】
「ブオオオオオオオ!!」
「……巨大な怪物魚と」
「女の子ですか?」
【そうよ。そうよ。そうなのよ! 私が海の禁則地の主 マリーさんよ】
〖婦人 マリー・アントワル〗
◇
ヘラ地方『影の国 王宮前』
「……今更何しに来た? アルカ」
【終末の時だ。霊王……だがお前とは闘わない。好敵手が来るまではな】
「何?」
【夜霧のヒスイが現れるまでは何もしない……それが契約だからな】
〖不死騎士〗アルデバラン・アルカ〗
七つの地方に七種の死霊が現れ、魔法世界を終末へと導こうと動き出した……