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虹霓決戦・〖豊饒の女帝は真実と共に〗No.7 血染めのエリス


女帝イシス宮殿跡〗


「ニャー……瓦礫の山ニャ。エリスの奴、相変わらず滅茶苦茶過ぎニャイか? フェンリル」


「エリス様が滅茶苦茶なのはいつもの事です。セシリア女王」


「セシリア女王って……オニャエは何年後の話をしてるのニャア? わっちの就任はまだずっと先ニャロウ?」


「セシリア様はいずれはユグドラシル地方の女王様になられるお方。ですので私はそう呼ばせて頂きます」


「ニャー、相変わらず。フェンリルは変なところで生真面目だニャア……それより。北側の方は大爆破してるし、西側は黄色光がいっぱい空に打ち上がってるニャけど。エリスも含めたあの三人はぶっ飛び過ぎてニャイかニャア? フェンリル。アイツ等、この国を滅ぼす気かニャア?」


「……エリス様も含めて皆様、臨界突破を極めたお方達です。そんな存在を自分達で招き入れた時点で、この異界は崩壊の道を選んだのでしょう」


「〖臨界突破〗? セツニャがピンチの時にたまに使う技かニャア? 何なのニャア? その臨界って」


「魔法や剣技を極限まで極め、神々からの寵愛たる〖権能〗と〖資格〗を与えられ、それらを独自の技として使用する方々の事をさして言います」


「……それでこんなに被害を出すニャンてヤバいニャア。だから。セツニャのニャツは被害を出さない様に普段は地球とか言う場所に帰って、魔法を使わない様にしてるのかニャア?」


「勇者様ですか……やはりこの世界とは別の世界にいらっしゃるんですね。それならば〖幻獣の楽園〗の者達に魔法大陸エウロペ全土を捜索させても見つからないわけですね」


魔法大陸エウロペの全土を捜索させたって……セツニャに対してのエリスの愛は本当に重いニャア」


「ええ、それもエリス様が眷属とされている七聖―女神―様の影響かもしれません」


「エリスの眷属神は確か……」


「はい。死の大地の……地方のあのお方です」




〖イシス宮殿別館〗


「女帝イシス様。ご報告します。本殿は瓦礫の山と化し、北地の亜人の女王フレデリカ様が戦死。亜人居住区は壊滅状態。アマゾネス部族兵達は謎の発作後、発狂し始め同士討ちを初めたとの事です」


「……そう。報告ご苦労様……下がっていいわ。ゼルト 君はこの混乱に乗じて避難者達を南の地へと避難させなさい。ずっと南下していれば、そのうちファラオの所へ着ける筈よ」


「は……い?……よ、宜しいのですか? イシス様はどうされるのですか?」


「私は残って戦うは、この異界を壊されるない為にも………それにこの異界にあの娘が現れた時点でこんな事になるだろうと予測していたわよ。あの娘一人だけなら私で対象出来たかもしれないのに、よりにもよって、私から国を奪ったアリババと妖精国の王が現れるなんて誰が予想できるの」


「……イシス様」


「ああ、ここにいらっしゃいましたか。女帝さん……いえ、イシスさん……さあ、私と共に来て下さい。この異界に居るかもしれない勇者様を探さないといけないので」


「貴様は?! どこから侵入した? ここを何処だと思って……」


「五月蝿い人……吹き飛びなさい。〖聖仗〗」


ドガッ!


「がぁ?!……この私が?……」ドサッ……


「ゼルトを一撃で倒すなんて相変わらず、デタラメな力ね。貴女」


「……はい? 貴女とは今日、お会いするのが初めてのはず。なのに何故、私を知っている様なくちょで話すのですか? イシスさん」


「何それ? 笑えない冗談言わないでくれる? 貴女とは七聖―女神―の座を争って、私を死の大地から追い出したんじゃない!」


「言っている意味が分かりませんし、私の頼みを聞こうともしてくれないのならば、強制的にお連れいたします。〖聖突〗」


「カハァ?!……何なのよ……この力は?」


 私は一瞬でイシスさんとの間合いを詰め、イシスさんを首都の上空へと吹き飛ばしました。


「では、参りましょうか……〖聖爆〗……あら? イシスさんを叩いたせいで服が血だらけになってしまいましたね」


ドゴオオン!!


 宮殿を破壊した後、彼女を追いかけて私も外へと飛び出しました。




〖外界と異界イシス〗を繋ぐ扉前


「私は幸せでした……感謝しています。私の救世主 イシス様……」


「……ヘカテ?……ちょっと……返事をしなさい! 私の大切なヘカテ!………そんな………」


 少し彼女を見失っていましたが、ようやく見つけました……一人の女性を抱き抱えて、泣いている様ですね。


「……ここでしたか。イシスさん。さあ、早く共に勇者様の捜索に行きましょう」


「五月蝿いわ。本当に五月蝿い! 今は私を放っておきなさいよ。今さっき、私は大切な友人を失ったんだから!」


「そうですか。ですが敵である私にはそんな事、一切関係ありません……言う事を聞いてくれないのでしたら、力強くで従わせて頂きます。イシスさん。お覚悟を」


「ウゥゥ……五月蝿い……アアアァァ!! こんな事になるなんて……何なの? 貴女は……七聖―女神―ヘラ!! なんでこんな事をするのよ!」


「……私はエリスですよ。〖女帝 イシス〗……審判の時が来たのでしょう。お覚悟下さい……」

〖七聖―女神―ヘラの眷属 聖女エリス〗


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