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ガラ・ハット先生



「‥‥‥‥」


「‥‥‥‥セツナ君?」


「ありがとう。アルディス。もう大丈夫だから!」


俺はそう言うと優しく。アルディスの手を握った。


「本当?」


俺は『ラファエル』を手に持ち掲げる。


「あぁ、だからもう終わらせよう。この『妖精国』の内乱を‥‥‥‥召還魔法・『契約・出近』」


 召喚魔法陣が現れ。


「来てくれ。タマキ!蓬莱様!」


「はい!ご主人様!」「我らはここに!」


「‥‥‥‥『妖精国』の龍脈はどんな感じだった?」


「龍脈?」


「はい!やはり、全十二の領地に存在しました」


「あぁ、タマキ様と手分けして例の魔道札の塊か?あれを各領地の都市に貼り付けて来たぜ!なぁ、タマキ様」


「えぇ、『妖精国』中の兵士は(ほとん)ど中央地帯の北部『キャメロット城』か南部の『ペレアスの湖』に集結してますから。警備はざるそのものでした」


「兵を中央に集めてか。タマキ、蓬莱様どう思います?」


「‥‥‥‥‥そうだな。何かの生成か!‥‥‥器を作るとかか?」


「新たな神の誕生とかですかね?」


「‥‥‥‥新たな神?どういうこと?セツナ‥君」


心配そうな顔で俺を見つめる。アルディス。


「あぁ、それわね。アルディス‥‥‥」


俺は今までの俺の考えた考察と地球の伝承等をアルディスが分かりやすいように説明した。


「ギネヴィア妃とランスロット卿の不義? 黙示録の獣?新たな神話の創世? え、え? なにそれ? 冗談だよね?セツナ君」


「‥‥‥‥まぁ、あくまで俺の予想だから。余り深く考えないでくれ。アルディス‥‥‥余り怯えないでくれ。心配になるからな」


 俺はそう言ってアルディスの震えている両手を優しく掴む。


「う、うん分かった。ありがとう。セツナ君」


「「‥‥‥‥‥‥」」


 蓬莱様とタマキは俺達のやり取りを見て何か察したようだがあえて何も言ってこなかった。


「しかし、これからどう動きますか?ご主人様!」


「‥‥‥あぁ、そうだな!先ずは‥‥‥」


ピンポーン!


 俺が先の事を話そうとした瞬間。ログハウスに設置されているインターホンが鳴った。


「地球の人でも無いのに良くインターホンを鳴らしたな。いや、それよりも何でこんな、森深くに人が来たんだ?」


「どうしよう? セツナ君」


「アルディスはここに居てくれ。タマキ、蓬莱様はアルディスの近くに居てください」


「はい!」「あぁ、任せてくれ!」


 コクり。と俺は(うなず)く。


 ピンポーン!


 またインターホンが鳴る。だんだん怖くなってきた。


 ピンポーン!


「ハイハイ! 今、開けます!」


 ガチャリ! キィィー!


「‥‥‥いったいどなたで‥‥‥‥」


「やぁ、久しぶり。セツナ、ガラ・ハット先生だよ。大きくなってないね。ていうか昔に姿、戻ってない?」


 扉を開けるとそこには、懐かしい姿が立っていた。

 俺が中央魔法国の魔術院へ入るきっかけになった人。

 ガラ・ハット先生が立っていた。


「ガラ先生!が何で『妖精国』に?」


「うん。久しぶり。セツナ、勇者のお勤めお疲れ様でした。‥‥‥そして、今度は私の産まれた国の為に奔走してくれてありがとう」


「えっ?あっはい!‥‥いやいや、そんなことよりも何でガラ先生がここにいるんだ?」


 俺は当然の疑問をガラ先生に聞いた。


「何でて、それは、私がこの国の出身で円卓の北西部の一つを任されている。ギャラハット卿。その人だからだよ」


「は?」


 ガラ・ハット。ギャラハット。ガラハット。ギャラハット。魔術師マーリン、厄災、聖杯、現在は中央地帯に入る‥‥‥‥ギャラハット卿?!


 あぁ、そう言うことか。


「って、納得いくか。何で『妖精国』に先生が居て。中央魔法国にも先生の気配があるんだよ。そもそも、水門はもう‥‥‥‥」


「おぉ、流石は警戒している者に対しての魔力感知は群を抜いて優秀だね。セツナ」


「いや、そうじゃなくて」


「うん。それはね私の神代魔法(黄橙)『写しみの虚像』で私の身体を2つに分離してるんだ」


「なに?分離だって?」


「そうそう。君もつい最近、アグラヴェイン卿にやってたじゃないか?写し水晶を使ってたじゃないか」


 俺はアグラヴェイン領の事を思い出す。


「‥‥‥‥あぁ、あれか」


「そうそう、それは元々は私が試行錯誤して作った魔道具でね。私の魔法残滓を少し加えているんだ。凄いだろう?」


「まぁ、凄いけど!それで、俺達の所へは何のようで来たんだ?ガラ先生」


「うん迎えに来た」


「迎えに?」


「そう。セツナ、君が転移魔法でやって来た。この地はね。『妖精国』中央北部地帯『キャメロット』近くの『クイーンキャメル』っていう森の中なんだよ」


「『クイーンキャメル』?ここが?」


「そう‥‥‥良いのか、悪いのか。分からないけど。君が転移魔法でここに来てくれたのはありがたい。‥‥‥後、数日したら中央地帯の『カムラン平原』で我が『キャメロット』軍と謀反を起こした『ギネヴィア』軍との最後の戦いが始まるからね」


「『カムラン平原』で最後の戦いだって?」


「うん!君やフローレンス卿の大暴れによって。敵側の東南部は、ほぼ壊滅状態。これを逃すまいと。モルガン様は『ペレアスの湖』に駐屯している‥‥‥ランスロット卿‥‥とモードレッド卿、ぺリノア卿を討つ事に決まったんだ」


「‥‥‥‥成る程。俺が寝ている間に物事がかなり動いてたみたいだな」


「詳しい事は、『キャメロット城』に言ってから説明するよ。君のフィアンセ‥‥かい?彼女とその、契約者達と共に一緒に来てくれないかい?」


「いや、アルディスはフィアンセじゃなくて」


「ん? アルディス? アルディスって、あの、アルディス王子かい?‥‥‥あぁ、ごめん!変な勘違いをしてしまったね。今の発言は忘れてくれ。セツナ!」


「‥‥‥‥‥了解です」


「ありがとう。それじゃあ、準備ができたら『キャメロット城』に一緒に行こう」


 ガラ先生‥‥改めて。ギャラハット卿はそう言い。俺達の準備が終わるまで待っていた。



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