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虹霓決戦・〖豊饒の女帝は真実と共に〗No.1 女帝と幻想の国


 ───ここは何処でしょうか? 確か、私は何か強い力に引き寄せられて、大きな扉を潜らされた様な……


「捕縛対象が出て来たぞ。捕えてイシス様の元へと連行し、外界側の交渉材料にする」


「「「「「ハイッ! ゼート様」」」」」


 取り囲まれている? それも数千人もの女性達に……ここはまさか弟君が言っていた〖異界 イシス〗の国とかいう場所でしょうか?


「周囲を調べて見ましょう……かっ!」


 私は周囲がどうなっているか確認する為に、空中へと飛び上がりました。


「ゼート様。捕縛対象が……空高く飛びました」

「み、見えない……」


「……落ちて来た時に一斉に攻撃しろ。イシス様からは生きていれば何でも言いと言われているからな。容赦するな」




 ……周りは砂漠ともやがかかった蜃気楼。所々に草木が映えるオアシスが点在していますね。


 そして、ここもだいぶ大きい都市に見える。都市の奥には幾つもの宮殿や三角形の建物が確認できる。


 遠い場所には小さい町や農村もちらほらと確認できます。規模は小さいですがここには数万規模の人が住んで居るようですね……


「そんな場所に一人で招かれるとは思いませんでしたが……確か数ヶ月前、ヘスティア地方の西側で勇者様の目撃情報があったと御兄様が言っていましたね。そして、ここは〖異界〗……しかも女性しか居ない世界だなんて。年上好きの勇者様がここに滞在していても可笑しくありませんね。フェンリル」


シュンッ……

「はい。エリス様……ですがこの〖異界〗にも、雄の気配を微弱ですが感じます」


 私は杖の中へと待機させていたフェンリルを、呼び出しました。


「雄の気配ですか……あの勇者様なら捕えられるという事はまずあり得ないと思いますが。もしもし牢屋などに入れられ、身動きが取れないとなれば……」


「外界との連絡が出来ない状態におちいっている可能性は十分にあるかと」


「……そうですね。では、フェンリルが感じ取った、男性気配がするという場所を目指しましょう。ですがその前に、この〖異界〗の方々をしばらくの間、無力化していただかなければなりませんね……七聖―女神―の杖〖メタトロン〗……天聖結界を張りなさい」


(はい……シスターエリス……〖天啓〗よ……)


 私が手に持つ杖……七聖―女神―の杖〖メタトロン〗から白い稲妻が〖異界 イシス〗全体へと放たれて行きます。


「これで良いでしょう。ではフェンリル。男性の気配がしたという場所に案内して下さい」


かしこまりました。エリス様。ですがここは敵の本拠地になります。数多の敵が現れるかと思われますが……」


「殺さず手足をが無事なら好きにして下さい。どのみちあちら側は私を捕えようと敵対行動をしたのです。今更、容赦は入らないでしょう」


「……はい。では極力。民は傷付けずそれを率いている者達を狙います」


「ええ、言った事を守ってくれていれば、好きな様に暴れて下さい。では行きましょう。フェンリル」


「了解しました。聖女エリス様」


 私とフェンリルはとある建物を目指して空を降りて行きました……



〖女帝の宮殿〗


「イシス様。外界から異界を守る為の蜃気楼とオーロラが消えていきます」

「女帝様……フレイヤ奪還の第一陣との連絡が途絶えました」

「……先程、捕えようとした金髪の女ですが行方をくらました様です」


「蜃気楼とオーロラには〖ケルト〗の魔術師達に結界を張り直させて……第一陣はヘカテが率いているから心配ないわ。でも第二陣にはいつでも行動出来る様に待機させておく事、〖千里眼〗の魔眼を持つ〖寺院〗のババ様達に探させて、それから都市に被害が出る前に民には避難勧告を出しておくの」


「おお、流石、我々の女帝様だ。次々に指示を出して下さる」

〖アマゾネス族 族長 マーラ〗


「当たり前でしょう。イシス様はこの〖異界〗の争ういに勝った女帝様なんだから」

〖亜人の女王 フレデリカ・オーバン〗


「フゥー、ロキから〖代理人〗の手紙を貰ったせいで慌ただしくなってしまったものね。本当なら、もうしばらく時間を稼いでから進行を始めるつもりだったのに、イヴ御姉様が動き出したんなら、私も動かざるおえないわ」


ストンッ!

「ここですか? フェンリル」

「……はい。エリス様、この地下深くに気配を感じます」


「何奴?」

「何者だ?」


「貴女は? ●●? なんでここに?」


「……沢山の敵対者ですか。それもかなりの手練ればかり。ここは城と共に潰れてもらいましょう。聖魔法〖聖拳〗」


 私は床に向けたて、手をゆっくりと下ろしました。そして、手の拳と床が接触した瞬間。宮殿が崩壊し始めました。


「これは? 侵入者。貴様、何をした?」

「く、崩れ!!」


「……何で貴女が眷属を作っているの? ●●」


ドゴオオオンン!!


 その崩壊と共に、私は宮殿の地下へと降りて行くのでした。




〖イシスの宮殿 地下牢獄〗


「ブオオオオ!!」


ガチャンッ!…ドゴンッ!

「ガハハハ……今日の拷問はやたらと力が入っていたな。不細工な牛よ……覚えておれよ」


「……盗賊さん。貴方、無傷でしょう。嘘は言っては駄目ですよ」


「ガハハハ。何だ妖精の王……お前の場合は飢餓きがの刑だろう? よく喋る気力があるものだな」


「ええ……再び出会いたい剣がありますからね……聖剣が……この世界の何処かにある筈なんですがね。だから僕はこの世界を隅々まで楽しく旅をして来た」


「この世界のう……だからお前は旅をしにここに来たと? こんなつまらん世界を……この世界はつまらん、飽きた……だから別世界に行きたいものだな」


「別世界? 魔法世界アリーナ以外に別の世界があるんですか?」


「……分からん。分からんから、この〖異界〗に来たのだ。そして、捕まった」


「……僕もです」


「しかし……上が騒がしいのう。祭りでもやっておるのか?」


「祭りですか。それなら是非、参加させてほしいですね。盗賊さん」


「……だな。騎士の主よ……」


「グゴオオオ!」


「ニャー! 離せニャア! わっちは猫族の娘ニャゾ! 不審者じゃニャイニャー! 離せニャー!!」


ガチャンッ!


「…迷い猫族ですか」


「ガハハハ! 数百年振りの客人か……こんな世界に猫族とはな。珍しいものよ」


「……何ニャ? オニャエラ? そんなにガチガチに鎖に繋がれて……何者ニャア?」


「騎士達の王です」「富の王だ」


「……二人の王様ニャア?」


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