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心の救済


ログハウス内


「ちょっと!セツナ‥‥君。ちょっと距離近いから離れてくれないかな?食事しにくいからさ」


俺はアルディスにそう言われ、アルディスから少し距離を取った。先ほどと違い。何故か、アルディスの態度が少し冷たくなった気がした。


「‥‥‥何かな?セツナ‥君」


「あのさぁ、俺なんか、アルディスを怒らせたかな?」


「ううん。何も怒らせてないよ!何でそんなこと聞くの?」


「いや、なんか、さっきよりも君の態度が冷めているというか、冷たくなったというかな」


俺がそう言うとアルディスは少し顔を赤く染め慌て始めた。


「もしかして、セツナ君の魔力暴走の事?」


「あ、あぁ、そうだな」


「‥‥‥‥セツナ君!あれは僕の軽率な行動のせいで君を危うく殺しかけてしまったんだよ。そんな状態になったら誰だって必死になるんだ」


「必死になる? だからあんな事をしたのか」


「あんな事を?‥‥‥‥‥‥」


アルディスは何かを思い出し。物凄い赤面した。


「セ、セツナ。いい! 魔力暴走は、ああするのが一番の最善だったんだよ?! じゃないと君は本当に危ない状態だったし。エウロペ大陸では、ああいう事が‥‥‥その、たまにあるからね。魔力暴走を抑える薬も魔道具も無かったから。あれを‥‥‥するのが一番だったの!! 分かった!セツナ‥君!だから、君がそんなに責任を感じる事は無いの。転移魔法陣に一緒に入った僕が悪い‥‥‥責任なんだからね! いい!」


何故か長台詞を言い終えたアルディスは興奮気味になっていた。


「ああ……でもなぁ……」


俺はアルディスの身体全体をジーッと見つめる。


やはり、良い身体をしている。


それに顔も流石は『セルビア』の王族だ。かなりというか黄金比率の様に整っている。


おっぱいも大きいし綺麗だった。今でも脳裏に焼き付いてはなれない。


それにあの腰周り。うん! 素晴らしかった! そして、アルディスが俺の腹に乗ったときのあのベストショットあれも素晴らしかった‥‥‥‥だが、俺には心に決めた人が入るのだ。



「ねぇ? そろそろ、その、イヤらしい目付き‥‥‥変態!」


俺を見るアルディスの目が、ゴミを見るような目をしていた。


「あ、あぁ、済まん。済まん」


「魔力暴走の時は緊急だっただけだからね。セツナ君。女の子の身体は結構デリケートなんだよ」


アルディスはそう言うと。上目遣いで俺を見てきた。


「これは……破壊力が……」


(のう。セツナ)


はっ! 俺は何を‥‥‥‥一瞬、エスフィールの顔がよぎったし。


「セツナ?君」


「‥‥‥‥ごめん。アルディス!君の気持ちも考えないでこんな事を‥‥‥すまない」


「‥‥‥フフフ、良いんだよ!セツナ!」


アルディスはそう言うと俺の身体にしなだれてきた。


「ゆっくりで良いんだよ。セツナ。ユナちゃんや他の子の事も色々あるんでしょう? 地球だっけ?もと恋人とかもいたりとかユナちゃんから聞いてるよ。セツナ君‥‥‥フフフ、モテる男は大変だね。よしよし」


アルディスはそう言うと俺の頭を優しく撫でてくれた。


「セシリアから色々。セツナ君の昔話を聞いたよ‥‥‥‥沢山。本当に沢山苦労したんだよね‥‥‥‥」


「いや、俺は‥‥‥‥」


「ううん!それも今も同じだね‥‥‥‥セツナ!『セルビア』や『妖精国』の為に頑張ってくれている。ううん…僕達の為にいつも闘ってくれて本当にありがとう。いつも、いつも、こんなに気づついて僕達を守ってくれてありがとう。セツナ!僕はそんな、セツナの事が大好きだよ。だから、だからね!慌てないで!あと少しだから。ねぇ、セツナ!後、少しだけ一緒に頑張ろう。そうしたら、僕は君に僕の全てをあげるからね。よしよし」

 

俺はアルディスの言葉を聞いて涙が出てくる。


「ア、アルディス!俺は‥‥‥‥あぁ、いつもボロボロで‥‥‥」


「うん。分かってる、分かってるよ。セツナ君。僕は君と入国管理館で君と会って以来。君の事をずっと見てたからね。うん。君は、頑張ってる。頑張ってるよ。よしよし」


そして、また、優しく俺の頭を母の様に優しく撫でてくれた。


「あぁ……俺は……」


俺は普段余り感情的に泣いたりはしない。しないが、最近は疲れていた。心が疲弊していた。


癒しが欲しかったのだ。アルディスの様な。優しい女性に聞いて欲しかった。俺の本音を、吐露を、心の叫びを、あぁ、ありがとうアルディス!


君のお陰でまた、闘える。疲弊していた心が癒される。

だから、だから、俺は心の底から君に思う。

俺と出会ってくれてありがとう。


アルディス・セルビア姫。


俺の心を救ってくれた。大切な人。


本当にありがとう。


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