乖離決戦・列島を想いし皇天は未来を願う No.19 七原龍の創成
〖帝都 伊吹城天格〗
ポンッ!「焔君。あれの気配が列島大陸から消えたようだ……自分は少しここを離れるよ。彼等と合流して、儀を終えてくるからね……その後は分かってるね」
「(〖緋龍〗様がムササビの姿に)……は、はい。了解しました」
「ありがとう……それから済まない。自分が長い間ここを離れていたせいで、この様になってしまってね」シュンッ!
「〖緋龍〗様……」
〖帝都 上空〗
シュンッ!
「準備は?」
〖緋龍 灰神楽〗
「〖灰神楽〗か。今、終えた」
〖黄龍 鳴神〗
「シュラララ……ならば始めようか。再生を」
〖黒龍 八岐大蛇〗
「なにを偉そうに言っているんですか? そもそも大蛇様と緋龍様が神地を空けなければこんな事には……」
〖白龍 月詠〗
「月詠。今は時間がないよ。後でにしよう。」
〖樹龍 森羅〗
「それでは列島大陸の再生を始めましょうか。再び邪魔が入らない様に」
〖虹龍 天照〗
「……私が最後ですか……遅れてごめんなさい」
〖青龍 蒼〗
列島大陸の神々が集う。
七色の龍が天を彩る。
帝が亜空間へと幽閉された数分間で奇跡を起こす。列島大陸の天地創成を始める。
「「「「「「「 穢れ無き今、魔法世界に捧げる。我々、〖七原龍〗が力を集った。奇跡を……ただ奇跡をお願い奉る。この列島大陸に再びの恵みを、死した者達には安らぎを、明日を生きる者達には希望を……悪意ある者達には制裁を願う。我々はそれを願い、集い、列島大陸の未来の栄光を願う」」」」」」」
(…………あの少年に免じて特別に許可をしましょう。今後のアナタ達の行動に期待します)
列島大陸の全空から黄金の輝きが降り注いだ。魔法世界の祝福の神秘が全域に広がった。
(………彼に感謝を捧げます)シュンッ!
「アリーナ様が消えていくね」
「かなり激怒していたな」
「シュラララ! 当然だ。消されなかっただけ良しとせよ」
「君が言うなよ。八岐大蛇君」
「ええ、本当に……」
「では私は天空に新たな結界を張ります」
「私は海域を……」
七つの龍達が天空を舞う……アリーナから降り注がれた祝福を、新たな結界として形成する為に奔走し始める。
そして、その数分後。とある亜空間から瀕死の【皇帝】が現れた。




