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乖離決戦・列島を想いし皇天は未来を願う No.18 三明と闇の剣 聖痕散銃口


〖伊吹城 闘技の間〗


「……神明を奪われる事などあるのかい……〖玉藻の前〗にそんな能力はなかった筈だ。僕と離れている間に何があったんだ? 何故、僕の事を偽物と呼ぶ?……何故、この【皇帝】の僕がここまで追い詰めれる?」


「それは君のこれまでの行いの結果だろう。【闇星剣(シュヴァルツシルト)】……〖雷闇(らいやみ)〗」


 俺は地面へと寝そべる帝に向けて【闇星剣(シュヴァルツシルト)】を振り落とした。


「〖最良の神ノ使徒〗君……ここで君が来るのかい! 〖光和天(わこうてん)流〗━━〖層爛(そうらん)〗」


 帝が持つ〖天羽々あめのはばきり)〗から何重にも重なる雲が出現し、雷闇と衝突する。


「天羽々あめのはばきり)の出力が落ちている……やはり一本だけでは連戦は厳しくなるね……出現せよ、〖天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ〗よ!」


 帝は荒い口調で叫ぶが何も起こらない。


「……やっぱり。出現しない。〖黒龍〗。君はどれ程、先を見据えていたんだい? まさか新たな契約者を結ぶ事で、僕との因縁を絶ちきるとはね。恐れ入ったよ」


 ……日本の伝記では日本武尊(やまとたけるのみこと)の愛剣は草薙の剣だったと、現代の日本では伝えられている。そして、草薙の剣にはあらゆる別名が付けられている。


 帝が先程、叫んだ剣の名前……〖天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ〗。もしそれが、この場面で現れていたならば俺は負けていたかもしれないな。


「帝。君は神話から現代までの行いが本当に悪かったんだな。まさか自身の愛剣にまで愛想を尽かされるなんて……もしも君が少しでもこの列島大陸(イザナギ)を思って行動していたのなら、ここまで追い詰められる事にはならなかっただろう……まあ、そんな事は九条先生が言ったみたいだな」


「〖鈴鹿御前〗〖玉藻の前〗〖天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ〗……君は僕からあらゆる物を奪うんだね。〖最良〗君。本当に酷い事をしてくれるね」


 帝の顔は憎悪の表情に満ちていた。ヤマトタケルと言う武神……神が浮かべる表情とは思えない様な酷い表情を。


列島大陸(イザナギ)に住む人達から、色々な物を奪ってきた奴に言われたくないな……君はやり過ぎたんだよ。人の心を軽んじ過ぎたんだ」


「……五月蝿い子だ。本当に五月蝿い……まあ、良い……こんなつまらない長い戦い初めてだよ。それに全盛期にまで身体を成長させて。たかだか俗物三人に対してさ……そろそろ終わらせないとね」


「ああ、終わらせよう。君が造り出した、この歪んだ動乱を」


 俺と帝はお互いに剣を構える。彼とは体格差もある。魔力の差も。筋力も……一つ違う事は、近くに仲間が居てくれる事だろう。


「【闇星剣(シュヴァルツシルト)】……〖雷闇徨(らいやこう)〗」


「〖光和天(わこうてん)流〗━━〖暴雨雲(ぼうらんう)〗」


 伊吹城内に雷闇と暴風雨の衝突が巻き起こる。


「……次だ。『天弾(エンゲージ)装填巧(デバイス)』第六形態〖聖痕散銃口(シークレット・サイレント)〗……聖痕の銃撃に沈め!」


 この段階で俺は隠し球。〖ラグエルの書 天弾(エンゲージ)装填巧(デバイス)〗の〖聖痕散銃口(シークレット・サイレント)〗を解放した。


 第六武器の武器性能は数万を越える〖神秘〗の銃弾だ。


「……何だい? その奇怪な武器は」


「創作技巧武器〖聖痕散銃口(シークレット・サイレント)〗だよ。ショット!」


 俺はその掛け声と共に銃口の引金を引く……その瞬間。数百ある銃口から必中の〖神秘弾行〗が帝へと向かっていく。


「くっ! こんな隠し球をまだ持っているのかい!!」


 ドドドドドドドド!!っと帝を指定の位置まで吹き飛ばす。


「ぐぅ……くそおおおぉぉおお!!」


「吹き飛んだか……三人に合図を送らないと……天雷魔法〖光雷〗」


 俺は伊吹城の真上に雷の光雷を撃ちはなった。



〖神帝区画 第二摩天楼〗


「あの光は……刹那からの合図か。確か……剣に魔力を込めるのじゃったな。そして、勢い良く伊吹城へと投げ込み叫ぶか……行け! 〖小通連〗」ブンッ!



〖神帝区画 偽りの見張り台〗


「……合図ですな。神気とやらを込め……放り投げるですか……〖大通連〗。行きなさい!」ブンッ!



〖神帝区画 人処刑の地〗


「主からの合図受け取りました。ではでは投げま~す! 顕明連!!」ブンッ!



〖伊吹城 帝宮〗


ドガアアアン!!


「……ここまで吹き飛ばすのかい。突然の攻撃で驚いてしまったけど。こんな攻撃では僕は倒せな……」


 帝がそう告げた瞬間だった。その瞬間、神帝区画の三方向から三つの剣。〖大通連・小通連・顕明連〗の三振りの剣〖三明の剣〗が向かい……帝を突き刺した。


ドスッ!……ドスッ!……ドスッ!


「がぁ?!……この三剣は?……何故、こんな所にある?……そして、何故。僕、目掛けて飛んでくるんだ?」


「ああ……仲間と作戦を立て、協力して君に喰らわせた。そして、これが『天弾(エンゲージ)装填巧(デバイス)』第七形態……最後の形態。〖白亜の機空間(ホワイトホール)〗だ。呑み込まれろ……〖エル〗。頼む!」



〖神帝区画 帝守閣〗


「……yes………LaLa………LaLaLaLaLaLaLaLaLaLaLaLaLaLaLaLa♪♪♪♪」



〖伊吹城 帝宮〗


「……これは……身体が別空間に吸い込まれる?」


「〖擬似天罰界〗の中にな……ラグ。導いてやれ」


(了解!)


 〖黄金の宝物庫〗が光。一人の天使が現れた。


「……世界の悪玉さん。さようなら……この聖なる一撃で倒れてね。『天弾(エンゲージ)装填巧(デバイス)』……Shot!」


 ……ドンッ!


「がぁ?!………これ……は?」シュンッ!


 帝……いや、ヤマトタケルの額に放たれた聖痕が直撃する。するとヤマトタケル周辺が歪み。


 ヤマトタケルはその歪みに吸い込まれた……



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