表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
764/867

乖離決戦・列島を想いし皇天は未来を願う No.6 九条の玉藻の前


〖黄金の宝物庫 隠し部屋〗


「今回の相手……【皇帝】は大アルカナの最上位に位置する存在だ」


「……それなら無闇に戦わず。帰られば良いじゃない。何でもかんでも関わっていたら命なんて幾つあっても足りない。大人しく地球(リアース)に帰れば良いと。ラグは忠告するよ」


「駄目だ。〖神々の黄昏(ラグナログ)〗を放置すれば、魔法世界(アリーナ)は滅ぼされる。それだけじゃない。他の別世界もメチャクチャにされる」


「何でそんな事を知っているのかは疑問だけど。今は聞かないでおくよ。でもね。相手は大アルカナのNo.4だよ。No.4」


「今の状態で勝算は何れぐらいだと感じる? ラグ……」


「なにかの邪魔が入らなければ、五分五分じゃない? 〖鵺〗〖エル〗〖無闇の武器〗をどう使うかで結果は全然変わるだろうけど」


「……そこに君の名前が無いな」


「当たり前でしょう。この〖ラグ〗がそう簡単に表舞台で戦うわけ……」


「〖ラグエルの書〗……ヘファイストス神の為に、この世界の平和を導く為に我に全力で力を覚醒させよ」


「これは……ヘファイストス様の強制詠唱……ぐっ! これは……〖エル〗! どうにかしてよ。ちょっと!」


(興味無し。私は舞台で歌えればそれで良いもの)


「なっ! この劇場お馬鹿がぁー! 全線でこき使われるのは私なんだから、庇いなさいよおぉぉ!」


「これで、ヘファイストス神様からの許可は降りた。出番の時は全力で活躍してくれよ。〖ラグ〗」


「……最悪」



▽▽▽▽▽


 『天弾(エンゲージ)装填巧(デバイス)』は七種の武器へと変わる変幻自在の〖七つの秘宝〗の一つだ。先ずは第一の武器形態〖天翔銃〗の弾痕(バレット)を帝に向かって撃ち込んだ。


「その弾丸とやらは、絶対に受けてはいけない攻撃みたいだね……片目の力は数日失うけどしょうがないか……使かおうか。〖叫喚眼〗を……おいで九つの尾を持つ、神聖、怪奇、美麗を(あわ)せ持つ妖狐〖玉藻の前〗よ。君はあの〖最弱〗の神ノ使徒の相手を頼むよ」


 帝は弾丸が迫るなか、早口で詠唱を行った。すると帝の左目が輝き出し、列島大陸(イザナギ)式の魔法陣が展開されていく。


 そして、そこから召喚された者が現れた……帝は〖玉藻の前〗と言っていた。玉藻の前……〖九尾の妖狐〗か。


「ここでまた、新しい〖怪異〗を召喚するとはな。それも日本三大妖怪の一角を呼び出すとはな……現れるか。クソッ!」


 ズズズ……シュンッ! パシッ!


 弾痕(バレット)が魔法陣から現れた何者かに受け止められた。帝はいったいどんな強者を喚び出したんだろうか。


「……む? 何だ。この鉛は?……それにこの場所は……〖神地 灰神楽〗か? 何故、次元を越え、列島大陸(イザナギ)に?」


「ハハハ……君を召喚して良かった。では、そこの〖最弱〗を早く倒して……」


「貴様は……スサノオではないのか……あのアホ二人の授業中だったというのに、邪魔したのか。ムカつく別人が。〖一尾の戟〗」


 〖玉藻の前〗?は受け止めた弾丸を帝へと投げつけた。すると弾丸は恐ろしく速度をあげ、帝にぶつかった。


「な? 君はいきなり何を……しているだあぁあ!!」


 〖帝守閣〗の下。摩天楼塔へと落ちて行った。


「……何だ? 何が起こったんだ?」


「貴様は……神成 刹那か」


「は?……九条先生? 何で魔法世界(アリーナ)に? 九条先生が、〖玉藻の前〗?」


「ふむ。今はこっちに来ているのか?……聖豊中学校を一時的とはいえ、転勤になったからな。他生徒の情報までは把握できないものだな。それもこれもあのアホ二人のお守りのせいだ」


「……あ、あの九条先生……何で九条先生がここにいるだよ?」


「ん?……そんな事は今どうでも良いだろう。それよりも追わなくて良いのか? 〖神々の黄昏(ラグナログ)〗の一員を……ソフィア様を殺した組織の者を」


「アンタ。何でそんな事を知ってるんだよ」


「良いから私に構わず、さっさと行け。神成 刹那。全く、私が受け持つ生徒はどいつもコイツも癖がありすぎるな。全く」


「この戦いが終わったら、色々と聞かせてもらうからな。九条先生。焔、先に行ってるぞ」

「え? は、はい! 私も〖玉藻の前〗を倒したら合流します」


 俺は焔にそう告げると、下に落ちて行った帝を追いかける為に〖帝守閣〗を後にした。


「……行ったか」


「……お覚悟を」


「む?……貴様は不知火家の血筋の者か?……だいぶやつれている様だが、何かあったのか? 詳しく教えろ」


「へ? いえ、戦いは?」


「そうだな……今の魔法世界(アリーナ)列島大陸(イザナギ)、神々について貴様が知っている範囲で詳しく話せ。その間に貴様の身体を癒してやろう。〖二尾の癒〗よ」


「これは……身体の疲労が消えていく?」


「しばらくこちら側を留守にしている間に色々変わってる様だな。あのアホ二人は……放置すると何をやらかすか分からんし。神成がこちら側に居ると分かれば、何をやらかすか分からんな。難儀なものだな。お前もそう思わないか? 不知火の血筋殿」


「は、はぁ~、それよりも戦いは?」

「安静にしていろ。そして、情報を私に寄越せ、この九条にな……」



この回でやっと九条先生の伏線は回収出来ましたね。


まあ、九条という名前かして、玉藻の前関係なので、分かりやすい伏線でした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ