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乖離決戦・列島を想いし皇天は未来を願う No.4 炎、水、雷

 

〖神話時代末期〗


「この……わからず屋の……堅物が……」


「……それは君もだろう。オオウス。眠れ」


「くっ……お前ごときにこの俺があぁ……」ズズズ……


「沈めたのですか?…………タケル様。」シャン……!


「なっ? 何故、オオウスを封印した?! タケル。オオウスには、西の地が平定した後に治めてさせるんじゃなかったのか?」


「鵺……彼は駄目だ。使えないよ。君や凛、以外の子達は本当に使えない……僕には優秀な部下が必要なのにさ。なのにだ……人種族は無能ばかり。これなら後に生まれる怪の異を部下にでもした方がまだましだよ」


「……それは人種族が無能なんじゃない。お前が人と言う存在を理解しようとせずに、モノとしてしか見ていないからだ……だから、お前には部下が付いていかないんだ」


「なんだい?……今回はやけに突っ掛かって来るじゃないか。鵺、どうしたんだい? それよりも西の地をもう少しで平定出来るんだよ」


「タケル……済まないが俺はここで別れさせてもらう。次なる時代〖神代〗でお前が成長する事を心から願おう。去らば……」


「……何を言っているんだい? どこに行く! 鵺!」


シャラン………!

「……タケル様。鵺が……」


「……君まで僕を裏切るのかい……僕の神獣・鵺……!」



『鵺の伏魔殿』内


「ギハハハ!!」「ルハハ!!」「アハハハ!」「イヒヒヒ!」「ギギギギ!」


「……邪魔だよ。漿神(すいじん)魔法〖白彗の太刀〗」


「「「「「ギャアアアア!!」」」」」


「この跋扈は、お前が神話に殺めた者達の怨念だ。タケル……お前はいつもやり過ぎる。。神話時代、現代でもだ」


「そんな事を言う為に、こんな所までやってきたのかい? かつての僕の相棒の鵺……突然、僕の前から姿を消した裏切り者の鵺よ。今はあの〖神ノ使徒〗の懐いてる様だね! 神獣・鵺!! 〖白嵐〗」


「……お前が〖怪異〗や〖士族〗達を利用し、暴走する前に……強大になる前に止めるべきだった。雷様の為にも、一割…いや、二割の体力は削らせてもらうぞ。タケル! 〖号雷跋扈〗」



◇◇◇◇◇


 数分間の静寂が流れた。鵺様が作ってくれたこの数分間の間に幾つかの仕掛けもした。後はあの亜空間から帝が出てきたら攻撃的を仕掛けるだけなだが……


 パキンッ……パリンッ!!


 『鵺の伏魔殿』が割れ、そこから傷だらけの帝が現れた。


「全く……一体、一体に意思がある〖幻獣残滓〗とね。やってくれるね。元相棒は……」


「出てきたぞ。焔!」

「ええ……先程の汚名を晴らします。不知火神術〖緋龍神楽〗」


 帝が立つ場所に炎の柱が上がる。その炎は〖神気〗と〖神秘〗を帯び、帝の全身を焼き付くそうと囲み燃える。


「まさか最後に亜空間を強制的に閉じて逃げたすとはね……鵺はそっちの本体に戻ったのかい。〖神煌具〗……『鵺の伏魔殿』にいたと思えば、突然、消えるんじゃないよ。昔の様にさ……鬱陶し火柱だね! 神気・水〖青連・激〗」


「させないぞ! 〖黒白・雷鵺の大瀑布〗」


「……次から次へと……鬱陶しいね。〖最良〗の神ノ使徒!!」


 最初は炎柱に立ち込めた。そして、そこに帝が放った〖神気・水〗の気が交わり、最後に俺が放った神秘の雷撃が加わる事で大爆発を生んだ。


ドガアアンン!!!


(……雷様。今の攻撃で俺は当分意識を失う……)


 鵺様はそう告げると、双曲の短刀の状態から小兎の姿に変わってしまった。


「……鵺様。分かりました。後の事は任せてゆっくりと休んでいて下さい。〖黄金の宝物庫〗よ。鵺様を安らぎの場に導け」


(済まねえ。雷様……帝の奴を……タケルをどうか解放してやってくれ、あの馬鹿は無関心過ぎるんだ……人や神にな)シュンッ!


「(タケル?)……お疲れ様でした。鵺様。お陰で帝に大打撃を与える事が出来ました」


 そんなやり取りをしていたタイミングだった。突然、流水の柱が出現し、辺り一面が水浸しになる。


「余り、親しげにしてるんじゃないよ……それは僕の相棒だ。鵺は僕の神獣……だった。君が親しく楽しげにしているんじゃない。〖最良〗の神ノ使徒」


「だいぶダメージを喰らったみたいだな。帝……いや、ヤマトタケル」


「五月蝿いね。鵺と言う最上の武器を失った君に何が出来るんだい? 鵺は至上の武器だ。それをあれ程、荒く使うなんて許される事じゃないよ」


「鵺様が居なくなった途端に、鵺様を褒めるんだな。君は……」


「鵺は僕の特別だ……った。なのに君が勝手に鵺を使うんじゃない……腹が立つよ」


「そうかよ。それよりもいいのか?……今の君、隙だらけだぞ」


「……何?」


「〖神気・火〗〖朧桃火(おぼろとうか)〗」


ドスッ!


 帝の胸部に焔が刺した刀が見えた。


「ゴホッ!……〖最弱〗が。この僕に刃を刺すかい」


「ええ、隙だらけだったもので……〖火焔〗」


 刺された部分から炎が着火し、帝の全身を(おお)っていく。


「これは……〖神気〗かい?!」


「それ雷だ。天雷魔法〖霧雷(きらい)〗」


 俺は炎に包まれた体に追い討ちをかける様に、帝に容赦なく天雷魔法を撃ち込んだ。

本日は《三度目の転生は〖苗木〗でしたので、一度目の人生時の最強賢者へと再び至る為、初期スキル〖吸収〗で最強種へと返り咲こうと思います》も更新しました。


そちらの作品もお読み頂けると幸いです

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