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現代魔女と逸話御前 No.2 現代魔法の恩恵


「二重詠唱・地水魔法〖濁流〗」


 サーシャ殿が中心地となり、濁流が出現し、焼失した花魁通りを覆っていく。


「ほんに広範囲どすな。災害級……厄介やね。鈴鹿剣術〖小通連・白鳥剣〗」


 数千を越える光の短刀の達が上空に現れ、サーシャ殿が出現させた濁流へと迫って行く。


「うちわ簡単に殺したんやから、あんはんも一度しんどきなはれ。西の魔法師はん。〖舞鶴〗」


「……私は死なない。だって……貴女の攻撃は、私には無効だから。二重詠唱・地風魔法〖土風壁〗」


 鈴鹿御前による光の短刀から〖神秘〗の力がサーシャ殿が放った魔法により失われ、消えていく。


「蓬莱殿……あの現象はいったい? 何故、鈴鹿御前の神代の力が消えていくのでござるか?」


「「「「「おおおおおお!! 死ね! 巨大な(いたち)よおおぉ!!!」」」」」


「邪魔だ! 死に損ないの現代怪異があぁ! 蓬莱雷術〖鎌切雷風〗」


「「「「「ギャアアアア!!!! 俺様の身体が死んでいく!」」」」」


「騒がしい肉塊やろうだ……建宮。あれが現代魔法の恩恵らしいぜ。昔、神成様が言っていたのを覚えている」


「現代魔法の恩恵?……それはいったい?」


「神成様、エスフィール嬢ちゃん、焔の将軍の様に〖神秘〗に汚染されていない純粋な現代魔法の使い手しか与えられない代物なんだとよ。確か、その効果は〖神話〗と〖神代〗の力を極限まで弱める事が出来るとだったか」


「なんと? それでは神成殿とサーシャ殿はそれを最初から分かった上で……」


「ああ、サーシャ嬢ちゃんは残ったのさ。〖女神〗〖魔王〗〖鬼〗〖天〗とあらゆる逸話が有りすぎる鈴鹿御前の相手をしているのさ」


「……だから、あれ程に強力そうな〖神話〗と〖神代〗の力が消えているのでござるか」



〖上級区画 快楽通り〗


「……うちの〖小通連〗の〖神秘〗が、かき消されるなんて……酷いわあ~、ムカつくわあ~、だから倒したるはあんはんの事、神話・回帰……〖鈴鹿の烏帽子たてえぼし〗」


 鈴鹿御前の服装が変わっていく、荘厳に白く輝く着物と烏帽子(えぼし)を着飾る。


「……光の着物? 私の知らない力。まるで昔の兄弟子みたいな力」


「………あんはんこの力を知ってるん? うちはなあ、元は神代の〖天照〗の眷属なんよ……簡単にいえば、列島大陸(イザナギ)の最高戦力やね」


「……〖天照〗の眷属? それって……兄弟子と同じ……〖神ノ使徒〗……」


「なんや。それも知ってるなんて……あんはん。こっち側の関係者なん? 鈴鹿剣術〖小通連・滅却〗」


 鋭い光の柱が空から堕ちてくる。それは上級区画の街の一部をいとも簡単に破壊していく。


「……力が増幅させたの? そんな破滅しそうな力を……三重詠唱・三連魔法〖爆水雷光〗」


 サーシャ殿はそれに対抗すべく、爆炎、水流、雷撃の三種の属性魔法を発生させ、鈴鹿御前が堕とした光の柱へと当てていく。


「あんはんの名前。確か、サーシャはんとか言うんよね?……うちの力が神話と神代の力がこんなに効かない相手ははじめてなんやけどね。〖滅光〗」


「……アリーナは、時代変化の取り残しを気にしている……今でも色濃く残る〖神話〗と〖神秘〗が増幅する事を余り良く思ってないの」


「アリーナって……魔法世界の創造神さんのお名前やんね……あんはん。ちょっと、このまま戦う振りをしながら、うちに話しい……興味湧いたわ。〖滅剣〗」


「……興味を湧いた?……私は夢でアリーナの代理の人に言われただけなんだけど」


「良いから言いなはれ。その話はウチにも関係する事なんやからね」


「……列島大陸(イザナギ)の神々は、人族を中心としいる新時代を現代を託そうとしていから応援するけど。それを邪魔をする〖神々の黄昏(ラグナログ)〗はとても許せない。だから、彼をここに導いたって言ってた。二重詠唱・雷水魔法〖雷水爆〗」


ドガアアアアンン!!


「……〖神々の黄昏(ラグナログ)〗が……帝様が邪魔……魔法世界のアリーナはんが、そんな事を言った?……………確か魔法大陸(エウロペ)は帝様が居る組織〖神々の黄昏(ラグナログ)〗の人達が、一番落としたい大陸やったよね」


「……ぶつぶつ独り言ばかり。戦う気ある?」


「どうやろね。あんはんの話を聞いて失せてきたわ~、列島大陸(イザナギ)は世界情報には疎いから、取り残されてる感は感じたわ~、ウチもそろそろ地上に居ないで〖天界〗帰る時期が来たんかもしれんね~」


「……〖天界〗? アテネ様が住んでる場所の事?」


「まあ、そんな所やね……これ以上、手を抜いてるのが帝様にバレはるな~、そろそろ本気出したるから。覚悟しい。サーシャはん……もし、ウチに勝てたら二本の剣をあげたるわ~、ウチに勝った証として持ってれば、この列島大陸(イザナギ)の雪国で優遇されるんよ~」


「……そう。じゃあ、兄弟子にでもこの後、あげるかな……」


「あんはん……かなりの大物やね。まだ決着が着いていないやろに、未来を見据えるなんてなあ~! 鈴鹿剣術〖烏帽子の舞鶴〗」


 鈴鹿御前のその詠唱により、白い鳥達が現れ、上級区画の上空を飛び始めた。

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