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黒龍は鬼神と相対する No.2 般若と能面


「シュラララ!! さあ、怒れ、怒れ。鬼神よ。そして、その内なる(けだもの)を解き放つのだ」


スパンッ!


「グギギギ! 俺を狙いつつ無差別な攻撃で周りに被害をもたらしやがって……これだから西の黒龍は遥か昔から嫌われる存在なんだろが。〖能面(のうめん)〗来い!」


 大嶽丸(おおたけまる)が叫び声を上げると。不気味な仮面を付けた男が突然、現れた。


「シャシャシャ……お困りの様ですな? 大嶽丸様」


「来たか。能面! 良いか! 中級区画の〖(えさ)〗共は必ず守れ。あれ等は帝様がこの列島大陸(イザナギ)を落とす為の大切な……」


ドゴオオンン!!


「……貴様……黒龍。また、帝都を破壊しやがったな。ボケが!」

「シャシャシャ……何と出鱈目(でたらめ)な西の黒龍ですな」


「我と対峙しているのにそんな仮面の者と話す余裕など無い筈だ。さあ、もっと荒ぶり興奮せよ。さすれば貴様は我をもっと楽しませられよう。鬼神よ」


「俺を怒らせて楽しむだと? こんな状況でイカれているのか〖七原龍〗は……」


「シャシャシャ……そんな事、神代の時代からそうですじゃ。奴等は我々〖怪異〗を虫か何かだと思っ……て?」


グサッ!


「シャシャシャ…何故、ワシの面に剣が突き刺さっている?」

「隙だらけですな……黒龍様にさの邪魔にならないよう。共に落ちてあちらで戦いましょう」


スパンッ!

「お前さんは……白の……ギャアアア!!!」


 能面はそう叫び、中級区画と上級区画の壁から落ち、下へと落ちて行った。


「……〖能面〗が一撃で仕留められただと? 般若(はんにゃ)よ。どこに居る? 能面を助け。共に黒龍共を……」


「無駄だな。今ごろ。〖 夜刀神やつのかみ)〗にでも喰われ、腹の中へ行っているのではないか?」



〖中級区画 露天市場〗


「アハハハ! 化物が大量の蛇を引き連れ、帝都の民を殺すか」


「帝都の民を殺す?……何を言っている? もう数年前にとっくに死んでいるだろう? これは……酷い扱いをするものだ。半人の身体に怪異を入れて生きている様に見せかけるなど。以前の〖選別〗で生き残った者達以外は半人半怪異といった所なんだろう? そうでなければあの人族にお優しい大蛇様が、あれ程の破壊行為は他の神地で行う筈がないからね」


「アハハハ! あたい等はアンタ達神々に復讐できれば何でも良いんだよ。その為なら何でも利用するわ。」アハハハ! それに野蛮なアンタ達と違い。帝様は私達に居場所と役割を下さる。至高の方。何が〖七原龍〗だい! 神話が終わって、神代にはいっても、現代に入ってものさばりやがって! お前達など帝様や大嶽丸様に殺され滅んで……」


グシャ……!


「〖七原龍〗様達への侮辱は許さん。それが神聖高き面の者達でもな……」



〖中級区画 壁上〗


「……般若の気配が消えた? 殺されただと?」


「我との戦いに集中しないからそうなるのだ。鬼神よ。どのみち我と〖緋龍〗の現在の主人たる我が新しき主の〖怪異〗を仕向けた貴様達を我は許さぬ。あの者は我を下し、従わせた強者だ。それに引き換え貴様等は術中権謀を計り。〖月詠〗や〖天照〗を殺した卑怯者共。報いは受けてもらう故、覚悟しろ」


「……では一時期、西側から聴こえ来た、あの噂は本当だったのか? 西方の〖西の賢者〗と言われる男に〖七原龍〗の一体が討たれ。姿を消したと。帝様は隠れただけだとも申していたが……貴様のそのもの言いからして、本当の様だが……?! まさか。あのガキ共の中に貴様を下した者が居たのか?」


「シュラララララ!! さあな? そんな事を我が敵対者である貴様に話すと思うか? 伊勢の鬼神 大嶽丸よ。そろそろ貴様の怒りも頂点に達するであろう? 見せてはくれぬか? 地球(リアース)の日本……最強の鬼神の力を我に」


「……この魔法世界(アリーナ)とは違う異世界があるのは、帝様から聞いてはいる……〖八岐大蛇〗。貴様が俺の中の何に期待し、それ程、無意味な挑発を繰り返しているのか分からねえがな……いい加減に……堪忍袋は限界だったんだよ。腹心の能面の身体を切り刻み、般若を丸飲みにされてな。良いぜ! ぶちギレてやろう。テメエの願い通りにな」

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