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動乱の旅路と帰還者との再会

 

〖神成邸 リビング〗朝


「良し! 準備は抜かり無く出来たな。エスフィール、そっちも魔法世界(アリーナ)に戻る準備は終わっているか?」


「うむ。今回はロングスカートのメイド服なのだ。ヴィクトリアンメイド型というスタイルなのだ」


「VICTORY? つまり勝つって事か、そうか。いつも通り気合いが入っているな。エスフィールは」


「うむ。ヴイクトアアンメイド型なのだ。これでスカートの下は鉄壁なのだぞ。セツナ」


「そうか。エスフィールは固いのか。頼もしいな」


「……神成君とユナさんの会話が全然噛み合っていません。送り出す側で見ていると不安になってきますね」

「カハハハ! 何を言うか。可憐。いつも通りではないか。」

「ウィ~! 神成、ユナァ~、お土産。買って来い~! ルア、饅頭が良い~」


 可憐ちゃん、アナスタシア、ルアが俺達の会話を見てそんな事を言ってきた。

 

「セツナ様、ユナ様。お気をつけて~」

「……(ちな)みにヴイクトアアンメイド型はメイドが働く時の仕事着の事をさします。つまり、ユナ様は仕事モード中という事です」


 愛芽さんはほんわかと俺達に手を振り、寧々さんはメイドさんの仕事着について皆に語り始めた。


「そ、そうなのか……メイド服好きの俺としては新しくメイド服について知る事ができて良かったよ。じゃあ、可憐ちゃん、愛芽さん、寧々さん。ルアとアナスタシアを宜しく頼む。じゃあ、行ってくる。転移門よ……」


 ズズズ……ガコン……


 俺の掛け声と共に〖黄金の宝箱庫〗の扉が現れた。いつも通りここを潜れば、魔法世界世界(アリーナ)へと行ける。


「は、はい。分かりました!」

「はい~、いってらっしゃいませ~」

「ん?……ここはリビングですが? 何故、扉が突然?……マジックですか? 凝ってらっしゃいますね」


 可憐ちゃんと愛芽さんは俺に手を振り、寧々さんは撮影ですか~、仕掛けはどんな~、何て事を(つぶや)いている。相変わらず。ファンタジー何かにはは一切興味が無い様で、全ては何かの機械を使った演出だと思っている様だ。


「……アナスタシア。ルアと地球の事は任せた。本気で何にか会った時は、アヤネや委員長達を頼ってくれ……アイツ等ならケレス女学院居るし、こっちの事情も知っているからな。何かあれば力になってくれる筈だ」


「カハハハ! おう。了解だ。セツ、今回も気をつけて行くんだぞ……列島大陸(イザナギ)は七大大陸でも、神々や魔が渦巻く神聖が色濃く残る大陸……上手く七原龍達に協力してもらい、〖神々の黄昏(ラグナログ)〗達に勝って来い」


「ああ。分かってる……ルアも済まない。今回の旅が終わったら、ネズミの国へと連れていくからな。留守番任せたぞ」


「ウィ~?! ネズミのクニイ~? ウィ~! 了解~、神成、任された~」


「では、行ってくる。エスフィール。飛ぼう。魔法世界(アリーナ)へ」

「うむ。列島大陸(イザナギ)を救いにのう」

「……では、皆。数日したら帰って来る……開門」


……ガコン……シュンッ!


 黄金の光に包まれると同時に俺とエスフィールの身体は扉の中へと吸い込まれた。


「……消えちゃいましたね」

「私も一度、魔法世界(アリーナ)って所に行ってみたいですね~」

「止めておいた方が良いですよ。甘露寺さん……あそこはとても危険な場所なので…」

「そうなのですか~? それはちょっと怖いですね~」


「……素晴らしいマジック……仕掛けが気になります」

「いや、これはマジックでもなんでも無いぞ。アヤネのメイド殿」

「ふぁ~! ルア眠くなってきた……」


 残された者達はそんな会話をし始めた一方で……



『ティアマト地方 アレス灯台』


 ガコン……シュン!


「今回はあっという間に着いたな。ここは……ティアマト地方か……」


「フム、指定した場所の近くにまで、飛べるとはのう。セツナ。お主、以前よりも魔力操作が上手くなったか? 次元の狭間もあれ程安定しているし。お主、成長しておるのだな」


「……いや、それは多分、〖廃棄炉〗を牛耳っていた〖神々の黄昏(ラグナログ)〗の奴が居なくなったからだろう。それで以前よりも安定して通れる様になったんだ」


「〖神々の黄昏(ラグナログ)〗が? 何故、それをお主が知っておる?」


「……いや、何となくな」


「何となく?……なんじゃそれは……まあ良いか。今のお主に聞いてもはぐらかされるだけじゃからな。そんな顔をしておる」


 流石がエスフィールさん。結構な日々を共に過ごしているだけあって、俺の行動パターンを覚える様だ。


 そうだ。俺はまだ、〖廃棄〗でのあった事は誰にも話さない。あの滅びの話しはなまだな……


ズズズ……


 そんな事を考えていると俺とエスフィールが居る近くに魔法陣が現れた。


「何だ? 転移魔法陣か?」


「……いや、これは違うぞ。セツナ……これは召喚魔法陣じゃな」


「召喚魔法? 何でこんな場所に?」


「それは今から現れるお主の契約者に聞く事じゃな……現れるぞ」


「みたいだな……」


ブオン……シュン!


「……へぇ、連鎖召喚で呼び出されるのね。こことは違う世界だったけど。上手く貴方の場所に飛べて良かったはお久しぶりね。契約者さん……ロマ・テレシア以来ね」


「……君は……『ヘル・デア』の時の……そうか。ロロギアかわ夢で言っていたのは君の事だったのか。幻神鳥(ハーピィー) ハルピュイア」


「ええ、契約者様……貴方と上手く出会えて良かったわ……どうか私の大切な主人を……マリア・シュリル様を救う為の万能薬を私に下さい……契約者 神成 刹那様」


 ハルピュイアはそう告げると、俺に向かって膝を着いたのだった。

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