【皇帝】はその時を語り出す
『列島大陸』 〖儒艮神社〗
「相変わらず。霊魂達で賑わっているね。此処は」
「それ程までに、この列島大陸が活発化しているという事でしょう。流石は節操の主でございます」
「……いや、まだだね。これからもっと活発化させて、彼等を…〖七原龍〗達を殺してあげなくちゃねえ」
「神殺しですか。それはそれは素晴らしい! して? 主様が寄り道をと立ち寄った、節操の館にて何をお聞かせ願えるのですかな?」
「うん。君は僕と同じ〖神々の黄昏〗だからね。《黄昏の園》で、悲しい報告と、今後の僕達の動きについて話してあげようと思って立ち寄ったんだよ。観勒君」
「おぉぉ! それは有り難き幸せ。どうかお聞かせ下さい。主様」
「うん……実に悲しい知らせと、今後の方針をね」
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《黄昏の園》
ガゴン……キィィ!
「よっと……誰もまだ来ていない様だね。数ヶ月振りの黄昏の会議。何を話し合うのやら、手傷もやっと癒えたというのに、でばらって来いとは忙しいねえ」
〖大アルカナ 【皇帝】 ヤマトタケル〗
スゥー………
「それもこれも〖代理人〗のせいではなくって? ねぇ? 御姉様」
「どうかしらね。私はあまり興味無いもの……貴女もでしょう? イシス」
〖大アルカナ 【女教皇】 ●●〗
「そうですわね。私は私の世界が平和と御姉様がご健在なら、それで満足ですもの」
〖大アルカナ 【女帝】 イシス〗
「……相変わらず。仲が良いね。お二人は……しかし、これで三人かい。少々、少ない集まりだね」
ズズズ……シュンッ!
「……済まんな。遅れてしまった。そして、これは詫びのフレイヤ地方の菓子だ」
「〖代理人〗さん。遅かったですね。いつもなら一番早くいる筈なのに」
「ああ、済まんな。【皇帝】、フォルトゥナと……〖運命の輪〗と話し込んでいた」
〖大アルカナ 【???】 ギアートル〗
バリバリ……ドゴオォォン!
「………我で最後か。遅れた謝罪しよう。そして、これで全員揃ったな。黄昏の会議を始める」
〖大アルカナ 【愚者】 ●●〗
「はい? 何、言ってるんですの? 〖主格〗の【教皇】ちゃん、【力】ちゃん、【運命の輪】ちゃんがまだですわ。」
「いや、【運命】ならば、現在、〖アグナの廃棄炉〗に要注意人物だった〖救国の担い手〗を堕とし、始末に向かって……」
ガゴン……
「その【運命の輪】……フォルトゥナならやられちゃったよ。〖代理人〗」
「……お前はロキか? 遅かったな。そして、何の冗談を言っている?」
「いやいや、それだけじゃないよ。マザーグース、エスシス、ソフィアも倒されちゃった。あぁー、何れも〖代理人〗の部下なのに全員倒されちゃった何て可哀想にねぇ」
〖大アルカナ 【??】 ロキ〗
「貴様! そんな冗談を言って、私に挑発を……」
バリバリ……ドゴオォォン!
「………ギアートル。乗るな落ち着け」
「●●! しかし、コイツはお前の……」
「………良いから静まれ。今からその事について説明する。二人共。円卓に座れ」
「はいは~い!」
「……あぁ」
「これで〖神々の黄昏〗のNo.0~No.4までの〖主格〗は揃った。結果から語ろう。我々、〖神々の黄昏〗のメンバーが十名を切った」
「何?」
「あらまぁ」
「それは…嫌な知らせだね」
「だからなんですの? 私と御姉様には関係が無い話ですわ」
「沢山ヤられちゃったね……本当に」
「〖星〗〖皇帝〗が数ヶ月前に倒された後だ。魔法大陸と剣技大陸で活動させていた〖神々の黄昏〗のメンバーである。〖太陽〗〖世界〗〖正義〗〖力〗〖吊るされた男〗〖運命〗〖叡知〗が消えた」
「それじゃあ、それを纏めていた〖代理人〗が責任を取らなくちゃね。ねぇ? 〖代理人〗」
「………勝手な発言は許していない。ロキ、お前は〖死の大地〗の攻略に行け。それが終わるまでは、我々の前に現れるな」
「な! ちょっと! そんな。身勝手な事、この僕に……」シュンッ!
「………話を続ける。【皇帝】は列島大陸の制圧を急げ。それと〖塔〗を復活させろ」
「了解したよ。【愚者】さん」
「………同じ様に【女教皇】は剣技大陸の北側を手中に納めろ」
「ええ、急ぐわ。なるべく早く」
「【女帝】は〖月〗と共に、隠れるのを止め、そろそろ動き出せ」
「……分かりましたわ。あの残虐娘ちゃんにも伝えておきますわ」
「………そして、〖代理人〗は暫く、我と一緒に〖死の大地〗の最北端と最底の地〖天機門〗へと向かう。天空大陸への進行の為にも」
「あぁ……」
「………我々の最大の障害たる〖救国の担い手〗〖カンナギの姫君〗〖機天のロロギア〗は何故か消息を絶ったと聴いた。そして、未だ覚醒しない〖氷雪の竜子〗〖闘技の黒猫〗〖焔の将〗〖幻想騎士〗が動かない今が好機だ。各々、行動する準備を整えよ。これはあの方の言伝てだ」
「「「「! 御意に……」」」」
「………最後に復唱せよ。我々の主に述べよ、あの言葉を」
「「「「「我等は我等の主人の為に! 我等は我等の世界の為に! そして彼らに終末を! 全ては我等、『神々の黄昏』の為に!!!!!」」」」」
キイィィ……ガゴンッ!
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「何と、節操が凍っている間にその様な事がありましたとわ」
「〖神々の黄昏〗(ラグナログ)も君と〖月〗君を合わせても、残り七人だからね……切羽詰まって来ているんだよ。彼等もね……まぁ、あの方の為なら仕方ないね。だから、先ずは観勒君に西国に行ってもらいたいんだよね? そして、殺して来て欲しいんだよ。西国の主〖鳴神〗をね」
「おおぉぉ! それは光栄ですぞぉ! 主様! お任せ下さいませ! この呪王の観勒があの悪龍を見事、呪い殺してあげますぞぉ!」
「うん。期待しているよ。元、僕の宿敵。陰陽の観勒」
呪いは解き放たれる。