二人の騎士に救いの手を No.3 懐かしき場所
『はぐれ妖精の里』
「‥‥‥‥懐かしいな!ここに例の2人が居るのか」
「なづがじい?」
「あぁ、元々、俺は地上の、『セルビア』の出身だったんだ。それが小さい時に荷物に紛れてこっちに運ばれて来たのがこの里なんだ。ユーウェイン」
「‥‥‥‥‥まぎれるぅ?」
「あぁ。まぁ、その後、色々あってな!幼い頃のアーサーやマーリン殿と出会い。色々、一緒に学んだよ」
「アーザー王‥‥‥‥!」
「あぁ、そうだ。ユーウェイン。(だんだん、意志が保てなくなってるな。急がねば!)」
ザッザッザッザッ!
2人の騎士は息を殺し。静かに隠れ里へと進んで行き、
獲物である2人が泊まっている宿までやって来た。
「‥‥‥‥ここか、少し待っていてくれ。ユーウェイン」
「‥‥‥あい!」
コン!コン!
ケイ卿は宿の扉をノックする。
「あいよー!少しお待ちおー!こんな、夜遅くにどなたかのう?」
(ん?この声は‥‥‥)
ガチャリ!
「はいはい!どなたかな?ん?お客さんかい?」
「‥‥‥‥バルドさん?!‥‥‥」
「ん?その声は‥‥‥ケイ坊かい?、おお、久しぶりだのう」
「‥‥‥‥バルドさん‥‥‥はい、久しぶりです」
「ん?どないしんじゃ?そんな、深くフードなんぞ被って?」
「い、いえ、少し顔に深傷をおってしまって、人前で見せられる状態ではなく」
「‥‥‥‥‥ケイ坊!何があった?いや、何をされたんじゃ?」
「バルドさん‥‥‥‥いえ!何でもな‥‥‥‥」
「ワシを余り見くびるなよ! ワシはお主の育ての親なんじゃぞ!お前さんの異変に気づかん程。ボケておらんわ」
「‥‥‥‥‥いや、俺、俺は‥‥‥‥‥」
うつ向くケイ卿。
「何かされたんじゃな?」
「‥‥‥‥‥俺は‥‥‥‥女王に」
「‥‥‥うん!‥‥‥ゆっくりでええ」
「‥‥呪いを‥‥‥俺や俺の部下達に‥‥‥ユーウェインにまで」
「それで?」
「‥‥‥俺、‥‥‥俺達‥‥明日が‥‥‥明日が来たら皆、死ぬんだバルドさん‥‥‥」
目を見開くバルド。
「‥‥‥なんじゃと?」
「‥‥俺達は明日の朝が来たら皆、死ぬだよ!バルドさん!!‥‥‥死にたくない!‥‥‥死にたくねえよ!!!バルドさん!!」
バルドにしがみつく。ケイ卿。
「ケイ坊‥‥‥」
「呪いなんだ! バルドさん。今夜、俺達が探している二人を見つけ。闘わないと今度は、俺やユーウェイン、俺達の家族や部下の家族まで化物に変えられちまうんだ! だから、その二人を見つける為にここまでやって来たんだよ!」
「そうか、そうか」
バルドはフード越しにケイ卿の頭を優しく叩く。
「という事なんじゃがすまんが、別嬪さん達。ちょいとケイ坊達と闘ってくれんかのう? このままでは、被害が拡大してしまうんじゃ」
「わかったニャア~!」「う、うむ!了解じゃあ」
「えっ?」
いつの間にか宿の扉、近くに二人の女の子が立っていた。
「‥‥‥‥後のう‥‥‥このケイ坊や外で待っとる。騎士殿やケイ坊の部下達の呪いを解けたりできんかのう?」
「それニャら、メイエスが‥‥‥」
セシリアがそう言い終え様とした瞬間。
「いや、今回の呪いは無理じゃ!セシリア」
「‥‥ニャ、ニャンでニャア? ラニーの杖の時はやってたニャロウ?」
「あの時は、人ではなく杖の呪いを解いたんじゃ。じゃが、今回は人や妖精、エルフ達。しかも、外に感じる呪いやこのケイ殿の呪いは私の『緑魔法』では解呪は出来ぬ」
「そ、そんニャア」
「せめて、聖魔法を使える者がおれば。そやつに頼むんじゃがな」
「聖魔法?‥‥‥‥セツニャの奴が使えるニャロウ?」
「セツナが? 馬鹿を言うな!セツナが聖魔法を使ってる所など‥‥‥‥あっ!」
数ヶ月前の魔王城での闘い回想
「それは、俺のセリフだ!開放!我が聖険・聖魔法『光暫剣』!」
聖魔法『光暫剣』
聖魔法『光暫剣』
過去回想終わり。
「ニャロウ」
「だが、こっちに来てからは雷魔法か召喚魔法しかほぼ使っておらんぞ?もしかして、使えなくなっておるかも」
「そこがセツニャのイヤらしいところにニャンだぞ! 奥の手とか言って、ギリギリの所まで使わないのにニャア!自分が1人の時にはバンバン使うくせにニャア」
「では、セツナの奴は普通に聖魔法を今でも普通に使えると?」
「そうニャア!それにセツニャは七聖教会で間違えて『洗礼』を受けてるのニャ!あの、ゴリラ聖女と一緒でニャア!全く、最近は、召喚魔法ニャ、転移魔法ニャ、雷魔法ニャを主体に闘う奴にニャっちまって!」
「『洗礼』?」
「ウニャア?知らないかニャア?‥‥‥あぁ、メイエスはユグドラシル地方の北東部出身だったから知らないかニャア?」
「あ、あぁ、余り、七聖教会には関わりがないからのう。人族の儀式には余り詳しくないな」
「まぁ、地方によって学ぶ所が違うからニャアー!‥‥‥‥まぁ、『洗礼』は簡単に言うとニャア。天界と繋がることができるのニャア」
「天界と繋がる?なんだそれは?」
「七聖―女神―とかと話せたりニャア、神獣、新竜、霊獣、ニャアかを契約者にできたりするのニャア。それから、呪いの解呪何かも教会から覚える様に義務付けられるのニャア」
「義務じゃと?」
「ウニャア! 元々、聖魔法を使える奴ニャアてそんなにいないのニャア。さらにこの中で『洗礼』を受けた奴らニャンて、このエウロペ大陸でも片手で数える位しか存在しニャいらしいニャア。『洗礼』を受けた奴らはニャア。聖魔法のほぼ全ての技を取得できるのニャ。だからニャア‥‥‥」
「そのために『洗礼』を受けたものには解呪魔法を含めた全ての聖魔法を教会が教えるのだな?」
「ウニャア!そのとおりニャア。メイエス!だから
セツニャの奴は隠してるがニャア。絶体、解呪魔法を使えるのニャア」
「それは安心した。そして、何故、セシリアは聖魔法や教会について詳しいのだ?」
「‥‥‥‥昔、ニャア、わっちが騒ぎを起こす度にゴリラ聖女からお説教されてたのニャア。」
「それで?」
「聖魔法ニャら、教会の仕来りニャラ! 勇者様素敵にニャラ! 『洗礼』の仕組みニャラを毎日、ずっと聞かされてたのニャア! 最悪ニャア!」
発狂するセシリア。
「毎日、騒ぎを起こしてたのか? お主!」
「ゴリラ聖女とサーシャとセツニャもあのロリコンも!いつも、起こしてたニャア! わっちだけじゃないニャア!」
「トラブルパーティーじゃな!」
「そうニャア!」
「‥‥‥‥おーい!そろそろ、いいかのう?」
バルドさんが少し遠慮がちに言う。
「えっ?あぁ、すみません。私達の仲間に聖魔法使いがいまして、その者なら。ケイ殿やその部下の方達の解呪も可能かと!」
「ほ、本当ですか?それは?本当に!」
「え、ええ!その者は『洗礼』も受けているので、セシリアいわく。全ての聖魔法が使えるみたいです」
「ウニャア!昔は、聖魔法。主体で闘ってたからニャア! 間違いないニャア! 今は、何故か雷魔法が主体なのニャア!」
「セツナいわく、電化製品も使えるし。お仕置きにも使えるから便利だからと言っておったが」
「ふ、ぷざけるニャゾ! セツニャの奴! お仕置きで痺れさせるために使ってたのかニャア!!」
ぶちギレるセシリア。
「まぁ、なにわともあれ、助かりそうで良かったのう!ケイ坊!」
「ええ! ええ! ありがとう! ありがとう!お二人共! バルドさん!!!」
ケイ殿はそう言うとバルド殿の身体にしがみつきながら泣き。私達に感謝の言葉を述べたのだった。




