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輪廻決戦・〖この魔力を以て、その運命を屠る〗No.2 偽りの魔法


〖白い館〗


「オホホホ! ねぇ? 担い手ちゃん。貴方、まだ魔力も完全には戻っていなんでしょう? ガリア帝国の戦いから何日も経っていないものねぇ? 〖神秘〗の技も使えない、〖魔力〗も不完全なんてねぇ。不利すぎよねぇ! さぁ、どうやって倒してあげましょうかね? この迷い人ちゃんは」


「随分とテンションが高いな。フォルトゥナ。何か良い事でもあるのか?」


「そうね。アリアリよぉ! だって貴方にヤられた子達の仇を私の手で取れるんだものねぇ!! 覚悟しろやぁ! 担い手ちゃんよぉ!」


「なら、場所を移すぞ。皆の邪魔になるからな」


「‥‥何よ? 邪魔って?」


「アンタと俺の戦いがスカサハやアルベルトの邪魔になるって事だよ! 落ちろ! 天雷魔法〖晴雷(せいらい)〗」


 俺が放った青色の雷がフォルトゥナに直撃する。


「キャアアアア!! 地下に落ちちゃうじゃない! 何するのよぉ?!」


「下にもとんでもない。化物達が居るな‥‥そいつ等も片付けないと大変な事になるな‥‥」


 俺はそう告げるとフォルトゥナを追いかける為に、地下へと通じる穴へと入った。 





〖白い館一階〗


「グヘェ‥‥何だ、お前ら。別々に動くのか? 一緒に仲良く戦わないのかよ? 実は仲が悪いんじゃねえのか? グヘェグヘェグヘェ」


「否定‥‥カミ君やアルベルト‥‥それに私も広範囲の技を使うもの、お互いが、お互いに邪魔にならない様にバラけただけの事よ。壊れた少年君」


「そ、そうです。その中には私の魔法も入っているんです」


「虚言‥‥嘘はいけないはアイリス」


「ぐぅ‥‥嘘じゃありません。スカサハ御姉様。私、昨日、カミさんと一緒に〖虚無〗という魔法の開発を‥‥」


「戦闘‥‥始まるわ。アイリス」


「グヘェ! 俺を感動させないなら、興味がねぇ! 獣混魔法〖右牙腕(うがて)の掌〗」


《〖悪童合成師・カルマ〗は暗黒大陸出身の悪魔族。その性格は残忍極まりなく、〖極神・レヴィアタン〗が守護を(つかさど)るメルビレイで数多の無垢な悪魔、魔獣、死霊、騎死等を違法に合成したとされる。

そして、禁忌とされる合成獣造りと大量の命を奪った罪により、〖アグナの回廊〗へと追放された》


影の国の書庫の〖魔窟悪人伝〗には書かれていたのだけど‥‥まさか自身の身体まで合成獣化してしまうなんて、恐ろしい人。


「グヘェ‥‥久し振りの女と女の掛け合わせぇだぜぇ! 嬉しいねぇ! 俺にとって合成実験は最高の快楽なんだからなぁ! イクゼエェ!」


 カルマが私とアイリスに接近してくる‥‥そうはさせない、この娘は私が守るのだから。


「狂気‥‥暴力的な人。影晶(えいしょう)魔法〖影の赤晶剣〗」


私は赤色の水晶を剣の形に変化させ、応戦する。


ガキンッ‥‥パキンッ!


「何故‥‥私の影晶魔法が‥‥砕けた?」


「グヘェ、無駄だぜ。女‥‥俺の身体には暗黒大陸に生息するありとあらゆる種族共の血や肉塊混ざってんだよぉ。グヘェグヘェグヘェ‥‥そんな偽物の魔法効く分けねえだろう。獣混魔法〖混獣の触‥‥」


「スカサハ御姉様。危ないです! 無魔法〖アンチ・ブレイク〗」


「グヘェ‥‥何もできない奴が何をシャシャリ出出来てやがんだ‥‥ギャアアア! 俺の手が消えた?!」


「アイリス? 何をしているの! てっ‥‥カルマの右腕が無くなってしまった?」


 私は目の前でアイリスが起こした事に驚きを隠せなかった。

神話魔法、神代魔法、現代魔法、神明魔法の各魔法の歴史の中で、魔法の完全なる消滅‥‥魔力の消滅現象と例えれば良いのか分からないのだけど、そんな現象をこの眼で初めて見たの。


「へ?‥‥私、スカサハ御姉様を守るので必死で‥‥」


「納得‥‥何故、フォルトゥナと言う人がアイリスをこの〖アグナの廃棄炉〗に招かれたのも理解出来たかもしれないわ。貴女のその魔法は‥‥無属性魔法は魔法世界(アリーナ)の魔法理論や魔法の歴史を根本的に変えてしまう程の代物だもの」


「スカサハ御姉様?」


「グヘェ、やっとその娘のヤバさに気付くなんて遅いなぁ。お前らは、俺の義母さん(フォルトゥナ)は遥か昔から気付いて警戒していたんだぜ。そして、アンタもだ。影の国の姫‥‥遥か未来の英雄を授かる影の姫。〖担い手〗〖カンナギ〗〖虚無〗〖影の姫〗‥‥お前等がいると義母さん(フォルトゥナ)が困る。だから俺も悲しむ。それ故に絶対に始末してやるぞ。グヘェグヘェグヘェグヘェ」


 カルマは不気味に笑いながら、私達を睨みつける。


「共闘‥‥アイリスは私の後ろへ‥‥私の闘い方を見て、戦闘を覚えて、直ぐに」


「え? な、何でですか? スカサハ御姉様。私を守ったくれるんじゃ‥‥」


「操作‥‥私が彼の動きを止めた時に、すかさず無属性魔法を使いなさい。そして、ちゃんとした魔法技術を身に付けるよ。アイリス」


 ‥‥セツ君はアイリスにとんでもない事をしてしまった。無属性の才能を開花させてしまったわ。

そして、彼も何故かその技術を簡単に身に付けてしまっている。

この無属性魔法が魔法世界(アリーナ)中に広がれば、魔法の根底が全てひっくり返り変える。無属性魔法にはそれ程の脅威と可能が秘めている。


‥‥そんな無属性魔法を使える貴方はいったい何者なの? カミ君。

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