二人の騎士に救いの手を No.2 余命は朝焼けまで
ユーウェイン卿はアーサー王伝説に登場する円卓の騎士。
アーサー王伝説においては、ウリエンス王と、モーガン・ル・フェイの子とされることが一般的だとの事。
よく知られたものに詩物語があり。
このテキストにおいては、ユーウェイン卿はある決闘で騎士を一人殺してしまう。ここで、ユーウェイン卿は自身が殺害した騎士の妻・ロディーヌに恋をしてしまう。
ロディーヌにとってみれば、ユーウェイン卿は亡き夫の仇なので当然のことだが、ユーウェイン卿の愛を受け入れられるものではない。そこで、この物語の見せ場の一つであるが、ロディーヌの妹、リュネットによる巧妙な説得により、ユーウェイン卿はロディーヌとの結婚に成功する。
しばらくは、ユーウェイン卿は安楽な結婚生活を送っていたのだが、従兄弟のガウェイン卿の説得により、再び冒険の旅に出発することを決意する。
このさい、ユーウェイン卿はロディーヌに「必ず一年以内に帰る」と約束するが、結局、ユーウェインは約束を守ることができなかった。
激怒したロディーヌはユーウェイン卿を拒否するので、悲嘆にくれたユーウェイン卿はあてのない旅に出ることになる。
旅の途中、ユーウェイン卿は大蛇(龍とも)と戦っている獅子を発見する。ユーウェイン卿は獅子に加勢した所、大変懐かれ。以降は行動を共にするようになったとされる。
そして、その後、ユーウェイン卿は「獅子の騎士」あるいは「獅子を連れた騎士」と呼ばれるようになる。
「以上、情報サイトより‥‥か」
「ちょっとあんた!さっきから、変な魔道具をずっと見つめて独り言をブツブツと怖いわよ」
「あぁ、すみません。惜敗の騎士ベディヴィア卿」
「隻腕の騎士よ!アホーー!」
「ベディヴィア卿!そんなに喋ると舌噛んじゃうよ」
「五月蝿いわね!アルディス様! そんなの分かって! ガリッ! ‥‥‥痛ったい!!!」
「「あぁーー!言わんこっちゃない!!」」
「う、五月蝿い!五月蝿いわ!!」
「おや?私のスピードに惚れ込みましたか?」
「あんたはもっと五月蝿いわ! レッドドラゴン!」
現在、俺、神成 セツナ、アルディス、そしてメリュジーヌ卿に敗れ。
軍門に下ったベディヴィア卿の3人は、居場所が判明した、エスフィールとセシリアに合流する為、メリュジーヌ卿の契約者。『レッドドラゴン』に乗って南東にあるぺリノア卿へとマッハの速度で向かっている。
「いやあ、メリュジーヌ卿と蓬莱さんに合流した数日後にまさか、タマキちゃんが現れるなんて思わなかったよ」
「本当にな! 俺も突如、小汚ないタマキが現れた時はビックリしたわ」
(ご、ご主人様?やっと見つけましたーー!)
(うお! く、臭い! タマキ! お前え! とりあえず風呂入れ)
(はい?)バシャッン!
ゴイーン、ゴイーン、ゴイーン
(セツナ、これ何?)
(ん? 洗濯機! 汚れた物を綺麗に洗い流す機械。汚い心もな!)
(へぇ、すごい、魔道具だね)
(ガボッガボッガボッ!!ゴボ!ゴボ!)
「あの後、綺麗になったタマキに滅茶苦茶切れられたがな」
「綺麗にしてあげたのにね」
「あ、あんたら! あれの何処が綺麗にしてあげたのよ!あんなのただの虐待だったじゃない!どういう感性してンの?アホなの?」
「‥‥‥‥ポチっとな!」
俺はあるボタンを押す。
「ん? 何? この痺れれれれれれれれれれ!!!!!痺れれれれれれれれれれる」
「ベディヴィアちゃん! 今後、俺に対しての発言には気をつけな。じゃないと痺れるからな」
「痺れれれれれれれれれれ! あんたまさか!」
ベディヴィアちゃんは自身の首辺りを触る。
「この黒い首輪‥‥‥‥『契約の輪』じゃない?いつの間に?」
「メリュジーヌ卿が勝手に夜中着けてたぞ。君も仲間に入れてあげるね!とか言ってな!」
「あんの、お馬鹿竜!!!何を勝手な事を!!!!私の兵士達では飽きたらず!こんな、首輪まで!!!」
「ご主人さま!ボロ雑巾になるまでこき使ってね!って言ってたぞ!」
「くそ!フローレンス!!!」
ベディヴィアちゃんはぶちギレた。
「そんな事より。ベディヴィア卿!」
「そんな事よりとは何よ!アルディス様」
「本当にユーウェイン卿がぺリノア領地に居るのですか?それにもう一つの懐かしい魔力とは?」
「‥‥‥ええ、居るわ確実に!それにケイ卿も‥‥‥‥私は魔力感知が得意な種族の血を濃く受け継いでるから分かるのよ。‥‥‥魔力の波長もね」
「‥‥‥‥ベディヴィアちゃん。その反応だと」
「そうね!二人共。私、見たいに呪われてるわ。そして、私、よりも強い呪い」
「強い呪いですか?」
「うん‥‥‥‥ねぇ、ナルカミ!あんたも魔法使いならだいたい分かるでしょう?魔力の波長の激しい乱れは‥‥‥」
「死ぬ寸前か前兆。‥‥朝方には死ぬって事か?」
「そうね!間違いなく。それにユーウェインとケイ卿だけじゃないわ。同じ様に呪われた人達が魔力感知するだけでも数百人はぺリノアの僻地にいるわね」
「そんな!」
驚愕するアルディス。
「だんだん、分かってきたわね。ナルカミ!あんたも分かってんじゃないの?女王様の狙い!」
「あぁ、だいたいはな!‥‥‥‥恐らく、女王様の狙いは円卓の騎士の」
「崩壊ね!それか、生け贄。12の円卓中、私も含めたユーウェインとパーシヴァルが呪われて3人」
「恐らく、ランスロット卿とモードレッド卿も」
「呪われてるわ!これで5人」
「そして、その元、円卓の騎士のケイ卿か?‥‥‥人数合わせか?」
「えぇ、そうね‥‥‥数年前に引退なされて、最近まではキャメロット城で実務の仕事をしていたわ」
「それで6人か?」
「それで、中央地区には現在」
「ガウェイン卿、トリスタン卿、ギャラハット卿、ぺリノア卿が居るんだっけ?」
「そうね!そして、戻ってきたフローレンスとサグラモールも兵を集めてキャメロット城へ向かってるわ」
「丁度、現役の円卓の騎士が6名と呪いを受けた円卓の騎士が元を含めて6名か」
「6、6!不吉ね!それ、何故か分からないけど‥‥‥」
ベディヴィアちゃんはうつむきながらそう言った。
「‥‥‥‥あぁ、そうだな」
『セルビア』に現れたのもクエンスティング・ビースト、バジリスク、ジャバウォック、グザファン、ギガイアス、そしてヴォーディガンの計6か
呪いを撒き散らす魔竜や獣達が合計6
呪いを受けた円卓の騎士も6
そして、呪いを受けていない円卓の騎士が中央地区に集まり。これも6
〖6 6 6〗
この数字を現す者に俺は地球の文献で心当たりがあるが、その事はアルディスやベディヴィアちゃんには告げようとはしなかった。
「ふん!暗くなっててもしょうがないわ!とりあえず、あんた達の仲間の人達だっけ?二人のを助けに行きましょう、どんな子達なの?」
「女の子二人だよ!ベディヴィア卿」
「女の子‥‥‥‥ねぇ、あんたって?!くず男なの?」
俺を見るベディヴィアちゃんの目が冷たい。
「いや、俺は真面目な男だ」
「‥‥‥‥あっそう!最低!」
「何故?最低?」
「知らないわよ!アホ!ヨシッ!今、行くわよ!ユーウェイン!!!」
ベディヴィアちゃんはそう言うとぺリノア領地の方を真っ直ぐ見つめていた。
ぺリノア領地『はぐれ妖精の里』
「ユーウェイン!静かに行こう!里の者達に迷惑をかけたくない」
「う、ぅが! わがづだ」
「ユーウェイン。くっ! あの女王め! なんて、事を、何故にユーウェインの身体を歪ませた」
「ら、らいじょうぶです! ケイ卿。ぼ、僕は大丈夫」
「ユーウェイン‥‥‥‥」
ユーウェインの身体はタタレ。火傷の後がそこらじゅうに残っている。
カタや俺も女王から受けた。酷い拷問で昔の様な身体付きは影に隠れ。獣の様な姿に変えられてしまった。
「ユーウェイン卿、ケイ様!私達は?」
「あぁ、お前達。これまで、ご苦労だった。明日の朝には共に消える命だが、ここで別れる事にしよう。各々、ここで好きに過ごしてくれ。『妖精国』の民達に迷惑をかけないようにな」
「は、はい!ケイ様」
「こんな、姿じゃなあ?何処にも行けんし」
「死ぬときは皆、一緒がいいな!ハハハ」
皆、ユーウェイン卿や私の様に女王の所に連れてかれ異形の姿に変えられた元王国の近衛兵達。
「ずまない!皆、ずまない!」
「ユーウェイン!!‥‥‥では、行こう!ユーウェイン!私達が例の2人を倒せば。我々の家族や私達、部下の家族達だけは呪いの対象から外してやると、あの女王は言っていた。‥‥‥この命尽きる前にやってしまおう」
「‥‥‥あい!ケイ卿」
ユーウェイン卿は涙を浮かべ。少しずつ歩き出した。




