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影晶魔法


スカサハが言っていた〖ウプサラの聖樹〗の上に肉の塊が俺達を見下ろしていた。


その反対に俺達三人は、大木の枝木に立っている肉塊を見上げる。


肉塊の見た目はとてもグロテスクだった。三人?いや、四人位の人の顔が付いており。各々が色々な方向に眼を向けている。手と足は八本ずつあり、奇妙な事に関節が可笑しな方向に曲がっている。


海外の映画に出てくるエイリアンの複合体をイメージしてもらえば分かりやすいかもしれない‥‥要するにとんでもない見た目をしているという事だ。


「さっきのゴブリン達とは、全く違うよな?明らかに俺達に敵意を向けている‥‥」


「不思議‥‥魔獣でもないのに、何であんな姿になるのかしら?」


「‥‥何ですか?あの人達は!私達を値踏みする様に見ています」


スカサハは肉塊に興味を示し、アイリスはその不気味な姿に怯えている。


「アイリス‥‥俺から離れるなよ。落ちてくるぞ!」


俺は転移魔法でアイリスに近寄り、俺の後ろに待機させた。


「へ?いつの間に私を担いでいるんですか?カミ君!」


「‥‥戦闘が始まるんだよ。今からな。奴等の殺意や敵意を感じなかったのか?恐らくコイツらも‥‥さっきのゴブリン達と一緒の‥‥」


「明答‥‥歴史に名を残した犯罪者達」


ドスンッ!!!


大樹から肉塊が俺達の前に落ちて来た。


「「「「お、女!!小娘!!ガキガキ!!玩具玩具!!」」」」


「豪華‥‥闇落ちギド‥‥指集めのニールナ‥‥フノスのコヌラ‥‥孤児殺しのヌレナ。何れも残忍な犯罪行為により、〖七聖教会〗暗部に秘密裏に処刑された人達」


「七聖教会の暗部?‥‥(セハルやアイツが所属して組織か?)」


「「「「グヘヘ!オガズ‥‥オゾエ‥‥タベルオゾ‥‥ゴロズ‥‥」」」」


「来るぞ!俺が‥‥天雷‥‥」


「駄目‥‥君はまだ完全回復していない。ここは‥‥このスカサハさんが活躍してあげる」


俺が天雷魔法を展開しようとした瞬間。スカサハが俺の前に立った。


「スカサハ‥‥?いや、あんなヤバそうなの、一人じゃあ危険だぞ」


「愚問‥‥あの程度なら私、一人で十分よ」


「「「「ゲラゲラ!!アハハ!!ギャハハ!!ゴホホ!!誰が俺私達に勝てるって?娘!!!喰ってやるぞ!!〖補食(ライアー)〗!!!!」」」」


「可哀想‥‥影晶(えいしょう)魔法〖夜晶の貫き〗」


結晶の様な太い針が(あらわ)れ、肉塊達に突き刺さる。


「ギャアアア?!!!ギドが死んだわあぁぁ!!なんて事を?!!この化物がぁ?!!」


「影晶魔法? スカサハ。それって君がさっき言っていた‥‥」


「正解‥‥私の闇魔法は魔法結晶の力を得た〖影晶(えいしょう)魔法〗。闇と影で相手を翻弄する魔法よ」


「闇魔法と魔法結晶の複合魔法?‥‥そんな魔法聴いたことも見たこともない。そんな魔法があるなんて知らなかったな。スカサハ、その魔法はいったい何が出きるんだ?」


「黙秘‥‥まだ、貴方にこの魔法を色々、教えてあげられない。障害となる契約が大き過ぎるわ」


「大き過ぎる?なんだそれ?」


「最後‥‥今後の戦いの最後に必要な契約よ。〖影の黒晶〗」


黒色の結晶?見たいなモノをスカサハは造り出し、肉塊達に放つ。とても不思議な魔法だ。というよりも現代闇魔法にこんな系統が発現するとは思わなかった。

アダマス王が使う、地属性の〖鋼鐵(こうてつ)魔法〗なら結晶物質を使っての技を放つなら分かるが、スカサハの使う魔法は闇魔法だ。


闇魔法と言うのは地属性の様な物質を操るわけではなく、幻影、結界、精神干渉といった相手の心理や視界を奪う技が多い。


「〖死の大地〗の‥‥●●地方の秘匿技術か。或いはスカサハが特別なのか。どちらにしても興味深いな〖影晶魔法〗」


「‥‥あれが魔法?あんな綺麗な攻撃が魔法でできるんです‥‥そうですか‥‥」


「?アイリス?」


アイリスはそう言うと、スカサハの戦闘を食い入る様に見ている。


「〖影の晶剣〗」


「ギエエエ?!!ニールナも殺されたぞ。この人殺し!!聴いてない。聞いていない!こんな俺達を殺せる奴がいるなんて聴いてないぞ!カルマのヤロウ。俺達はアイツを信じてここに棄てられて来たんだぞ!!」


カルマ?棄てられて来た?アイツら‥‥色々と知っているみたいだな。


「スカサハ!一人だけで良い。コイツ等のどちらかを、喋れる位に弱らせて情報を吐き出させよう。この肉塊達は色々と知ってるみたいだ」


「了解‥‥貴方達の内、片方は要らないみたい。影晶魔法〖晶紫〗」


「そ、それなら俺を生かせ!!いや、俺だよな?!黙れ!お前が黙れ!」


パキンッ!


「ガギュア?‥‥‥ヌレナ?‥‥死んだかよう?グヘヘ!おでがイギノコッタ!!このフノスのコヌラが最後まで生き残った!!!!」


「おうおう。変な肉塊が綺麗な女性を襲ってるじゃねえか。カンナギ剣術〖謳桜(おうか)・乱〗」


突然、桜吹雪が舞ったかの様に幻想的な桜色の剣撃が巻き起こった。


「オエエエ!!何だ?この擦り切られる攻撃‥‥はぁああ?!」スパンッ!


「疑問‥‥何者?」


「ん?ワシか?ワシはアルベルト‥‥カンナギ・アルベルトだ!」


突然現れた謎の赤髪の剣士は、隣の大陸。〖剣技大陸(アルトネ)〗でも最大級の国力を持つと言われるカンナギ王国創設者の名を名乗った‥‥

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