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壊れた七つの秘宝


異空間魔道具〖最果ての孤島〗内


「何ですか?ここは‥‥私達。さっきまで草原に居た筈ですよね?何故、島の様な場所に?」


「あー、それは後で説明するから、ちょっと待っててくれ。アイリス・エスフィール‥‥さん」


「‥‥アイリスと呼んで下さい。後、先程は取り乱してしまってごめんなさい。助けて頂いたのに私ったら‥‥酷い事を言ってしまいました」


「いや、全然、気にしてないよ。つうか言われ慣れてる。俺はカミナ‥‥‥カミだ。ただのカミよろしく」


「‥‥‥言われ慣れてる?」


しょんぼりする+俺の発言に疑問を抱く、アイリス・エスフィールさん。


魔王ユナ・エスフィールの様なドSオーラは無く、清楚。そう!清楚なのだ。


顔はエスフィールそっくりだが、まるで中身、性格が全然違う。


確か、アイリスさんってエスフィールの代わりに魔王代理を務めてた大人の女性だった筈。


何で少女化してるんだ?


「‥‥‥あの。何でしょうか?私の顔に何か付いていますか?‥‥ジロジロと見られると少し気持ち悪いです」


「いや、ごめん。何でもない‥‥‥」


「そうですか‥‥‥それよりも、あの小屋に入ったきり、出てきませんね。スカサハ御姉様は‥‥‥そして、何故、ゴブリンの死体を見たいと言ったのでしょうか?」


訂正しよう。この()は間違いなく。エスフィールの関係者だ。この娘は無自覚なドS‥‥‥自覚あるドSのエスフィールよりも多分、厄介な天然ドSだ。


「いや、それは多分‥‥‥」


「解答‥‥この世界のヒントを得る為に見ていたわ」


「スカサハ?!」

「スカサハ御姉様?!」


水着を着て、血塗れ姿のスカサハ御姉様が小屋の中から出てきた。


「‥‥‥血塗れだぞ。水魔法〖水冷〗」


「ゲゴ?水魔法?‥‥の使い手?」


俺は水魔法でスカサハの血を洗い流した。


「感謝‥‥カミ君って雷魔法以外も使えるのね?」


「まぁな、基本の五属性と聖魔法の六属性が使えるかな」


「グェ?聖魔法?!‥‥私は使えないのに?!」


「ん?」


さっきから蛙見たいな鳴き声を出して、驚いた顔をしているアイリス。


「何でそんなに驚いてるんだ?君は」


「い、いえ、貴方は私と年齢が差ほど変わらなそうなのに、六属性も魔法を取得しているのでビックリしただけです」


「あぁ、成る程、因みに君は何属性の魔法が使えるんだ?確かエスフィール家は魔法族よエリートだったよな?」


「‥‥‥です」


「へ?‥‥‥ごめん聞こえなかった。もう一度言ってくれないかな?」


「ゼロです!一回で聞き取って下さい!バカ!!私は魔法の才能が無いので!ゼロです!ゼロ!」


アイリスは悔し涙を浮かべながら、俺を睨み付けていた。


ゼ、ゼロ?‥‥‥そんな魔法族初めて聞いたぞ。


「不憫‥‥‥因みに私は名持ちの魔法が使えるはカミ君」


「へー、凄いなそれは、因みに属性系統は?」


「闇魔法の〖結晶〗系ね」


「‥‥‥それって凄い希少性のある魔法だよな?」


「正解‥‥私、珍しい魔法を使えるの」


「ちょっと!待って下さい!私の前で自慢話は止めて下さい!!死んじゃいます!魔法が使えない私、死んじゃいますから!!」


アイリスは頭を抱えながら、変な躍りを躍り始めた。魔法が使えないのを苦悩する舞なのだろうか?


「娘 (多分)のエスフィールが希少な緑魔法や闇魔法が使えるのに、何で君は使えないんだ?‥‥‥もしかして才能を全部吸われるの‥‥‥もが?」


「無言‥‥カミ君。それ以上は伝えては駄目。歴史が変わってしまうわ」


スカサハは羽交い締めにして口を抑えた。案外、力が強くて身動きが一切取れない。


「へ?娘?‥‥‥私、まだ男性とお付き合いもした事、ありませんよ?」


「ぷはぁ?!い、いや、悪い。何でもない。ただの冗談だから、気にしないでくれ。悪い」


「は、はぁ、分かりました」


「油断‥‥言動には気をつける事」


「あぁ、済まん‥‥それよりも、あのゴブリンの死体について何か分かったのか?血塗れになってたけど」


「結論‥‥あれは元、人族よ」


「「は?元‥‥人族?」」


「そう‥‥しかもじだは違えど、一人一人が魔法大(エウロペ)の犯罪の歴史に名を残した大罪人ばかり」


「‥‥‥大罪を侵した人族が」


「ゴブリンに変化したってことですか?」


「正解‥‥それとカミ君。貴方の所有する七つの秘宝達を呼んでみてくれる?」


「ん?あぁ、〖(ブリー)首飾(シンガメン)り〗達ならそこら辺を走り回ってる筈‥‥‥ヒルディス、ベイグル、トリエグル、おやつの時間にしよう来てくれ!」


俺がそう叫ぶと、孤島の森の奥から赤色の猪と猫二匹が走って来た。


「フゴフゴ!!」「「ニャーニャー!!」」


「呼んだけど?」


「感謝‥‥ではその子達の魔力を探ってみてほしいの」


「魔力を探る?‥‥‥まさか?!ヒルディス!!」


「フゴフゴ!!」


嬉しそうに俺の頬を舐めるヒルディス‥‥‥


「つっ‥‥‥ベイグル!トリエグル!」


「「ニャー、ニャー♪♪」」


楽しそうに俺の両手に顔を乗せるベイグルとトリエグル。


俺は血の気が引ける感覚に襲われ、慌て始めた。


「‥‥〖黄金の宝物庫〗よ‥‥開け‥‥‥タマキ‥‥‥反応を‥‥‥してくれ‥‥」


「的中‥‥不味い流れ‥‥」


「え?え?何が不味いんですか?何で、」


「あぁ、七つの秘宝達の魔力が消えた‥‥‥それとヒルディス、ベイグル、トリエグルが普通の幻獣と同じ魔力獣に変わってしまった。そして、タマキも反応しない、〖黄金の宝物庫〗が開けないんだ‥‥‥転移門が出せなくなった」


その時、俺は初めて、自分が地球に帰る手段を失った事に気づかされた‥‥‥



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