幕間 お嬢様と元委員長は脱獄したい 最終話 〖ケレスホルンの異界〗
〖ケレス女学院〗
バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!
「アンッ!」「お止めになってっ!」「痛いですわ!」「吊るされてますわ!」「こ、こんなはしたない格好を!」「くっ!ころ‥‥‥」
「変な声をあげるな!小娘共!ただ正座させているだけだろう!貴様等は毎日、毎日、何かしらの騒ぎを起こさないと気が済まないのか?」
「ち、違います!九条御姉様!!私達は1日でも早く、天王洲さんと神無月さんにケレス女学院に馴染んでもらおうと、スキンシップをっ!」
「お前達の場合はそのスキンシップが過剰なんだ。そのせいで外ではケレス女学院が何と言われているか知っているか?彩夏」
「へ?‥‥‥乙女の花園ですか?キャッ!」
「百合と変態しかいない頭のおかしい学院だと言われているんだ!‥‥‥聖豊中学校が暫く休校だからと実家に帰って、代理の教鞭にたったが‥‥‥まさかあの二人がここに来るとはな。これも何かの企みか?〖天照〗‥‥‥‥貴様等は夜明けまで、そこで正座をして反省しろ!その後、反省文も書かせるからな!覚悟しておけ!」
「「「「「えぇぇ~!!!!」」」」」
「‥‥‥一度。あっちに顔を出してみるのも有りかもな‥‥‥雪‥‥」
〖ケレス聖堂〗場
「何かあっさり着いたわね」
「九条先生に捕まっては、あの彩夏御姉様でも、どうにもなりませんは」
「‥‥‥ちょっと気になってたんだけど。何で」御姉様?昔からの知り会いなの?」
「はい!昔から彩夏御姉様には殿方との接し方を師事する。師と弟子の関係性で‥‥‥」
「それでアヤネみたいな変態怪物が生まれたのね。納得したわ」
「はい?!私のどこが変態なんですか?」
「‥‥‥‥全てよ!」
「何でですか?!抗議!抗議ですわ!」
「ちょっと!また、そんな叫び声をあげたら誰かに見つかって‥‥‥‥」
ギイィ‥‥‥ガチャッ!
「「ヒイィィ!!」」
「うるさいっすよ~、こんな夜更けに~‥‥‥てっ?誰っすか?アンタ等」
修道服を着た、眠たそうな顔の女の子が〖ケレス聖堂〗の扉を開けて出てきましたわ。
「あ、あの!ここに〖角笛〗!〖角笛〗があるって聞いて、安息を求めて来たんです」
「〖角笛〗?‥‥‥‥四十九神の何方かの印は頂いてあるっすか?」
「印?‥‥‥何よ、それ?」
「‥‥‥頂いてないなら、お帰り下さいっす。お疲れ様でしたっす!」
キイィ‥‥‥
修道服の女の子はそう言うと扉をゆっくりと閉め始めました。
「あっ!ちょっと!待ってよ!」
シュンッ!
「アンタ。変わっていないわね。最後まで人の話を聞かない癖。直しなさいよ!○○○」
そう言って、私が付けているチョーカー出てきたのはラファエルでした。
「「ラファエル?!」」
「‥‥‥‥お久しぶりです。ラファ先輩‥‥‥」
「言葉使いもちゃんと直しなさい。全く!誰の教育でこうなったんだか」
「ラファ先輩の教育の賜物っすよ!それに、ここには印がないとマジで入れられないんっすよ!ラファ先輩。だから、入れてほしいなら印を‥‥‥‥」
「はい。アナスタシア様からの手紙よ」
「へ?‥‥‥‥確認させてもらうっす‥‥‥‥〖カハハハ!!デメテルにこの二人を鍛えさせよ!宜しく頼むぞ!カハハハ!!〗‥‥‥っすか。成る程、では御二人ともケレス聖堂の中へどうぞ」
「え?入って良いの?」
「やりましたわ。安息の地を手に入れましたわ!」
「安息の地?‥‥‥あそこは多分、安息とは程遠いと思うっすけど‥‥‥〖角笛〗までご案内するっすよ」
そうして私達はケレス聖堂の奥へと案内されました。
〖ケレス聖堂祭壇内〗
「随分、広いのね。この聖堂って‥‥‥」
「ビックリですわ」
「えーっと。少し待ってるっすよ!」
「あっ!アヤネ見て、あそこの壁に大きな角が飾られてるわ」
「てはあれを鳴らすんでしょうか?あれでは私達がここに居ることが‥‥‥」
「あー。あったっす‥‥ピーィー」
「「ホイッスル?!!」」
「あのデッカイ〖角笛〗はレプリカっすよ。本物はこっち‥‥‥それよりも、飛びますから気をつけろっすよ」
「はい?」シュンッ!
「飛ぶ?」シュンッ!
〖簡易異界・ケレスホルン〗
「終点っす~!デメテル様~!お客さんっすよ~!」
「なんですか?ここは牧場?‥‥‥私達‥‥‥先程までケレス女学院に居た筈では?」
「何か空も変よね?何で?」
「これがアナスタシア様からの手紙らしいっすよ~!デメテル様」
「ハイハイ、確かにありがとうございます。リリ‥‥‥そうですね。先ずは‥‥‥不浄の汚れを祓う為に綺麗になってもらいましょう。聖水体よ」
「‥‥‥何か牛に乗った綺麗な人が出てきました‥‥わ?‥‥んんん?!」
「は?透明なスライム?!何でアヤネの服を溶かし‥‥て?んんんあぁぁ?!!」
「うわぁ~!あんな所まで洗浄されて、相変わらずえげつないっすねえ~、デメテル様は‥‥‥」
「えぇ、私は穢いもの、不浄なモノを許さないもの、それに不浄な弱さもね。アナスタシアが強くしろと手紙に書いたのならば、そうしましょう‥‥‥あぁ、御二人ともすみませんでしたね。自己紹介がまだでした。私はデメテルです‥‥‥てっ!聴いていませんね。フフフ」
〖大地の女神・デメテル〗
「あぁ!!身体の穴という穴に!!!」
「は、入って来る!!!」
「後数分後には、貴女達の乱れていた魔力回路は質を上げますよ。それが聖水体の役目‥‥‥フフフ。この新しい鍛えるべき玩具達をどう魔改造するか今から楽しみですね‥‥‥」
「‥‥‥いやー、相変わらずのドSっさねえ~!デメテル様」
そうして私達は身体の内外の全てを洗われ、清められ。その後は夜明けまで瞑想をさせられましたわ。
〖次の日の朝〗
「では、これから毎夜、ここに来て下さいね。鍛えて差し上げますから、あぁ、身体の疲労はちゃんと取りますからご安心を‥‥‥では」
との事でしたわ。
「私の始めてが貫○したわ」
「何を訳の分からない事を言っているんですか‥‥‥」
「じゃあ、毎夜、迎いに来るから、今後ともお付き合い宜しくっす~!ではでは!」
「行っちゃったわ」
「行きましたわね」
「これが毎夜だって‥‥‥」
「学校内での朝と昼の地獄に夜の地獄が追加されましたわ」
「‥‥‥‥」
「‥‥‥‥」
「なんでよおぉぉ!!!」
「最悪ですわあぁ!!!」
「おぉ、帰って来てたか。お前達。無事で良かった‥‥」
「「九条先生?!何でここに?」」
「あー、まぁ、保護者的なあれだな。それよりも、ほら帰るぞ。お前達を追いかけて連中には灸を据えておいた。暫くは大人しくしているだろう‥‥‥あんまり心配させるなよ」
九条先生はそう告げると私達の肩を叩いて、前へと歩く様に促しましたわ。
「‥‥‥事情、聞かないんだ」
「‥‥‥もしかして、九条先生は私(私)達の為に、ケレス女学院に来てくれたのでしょうか?」
こうして私達はケレス女学院での百合の洗礼に加え、夜の女神による地獄の特訓が追加される事態になったのでした。
ですがその後は九条先生のおかげもあり、ケレス女学院の方々のアブノーマルなコミュニケーションも日に日に収まっていきました。
そして、その数ヶ月後、とっても強くなるのは別のお話です‥‥‥‥。
お嬢様と元委員長は脱獄したい
終