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分水嶺(ターニングポイント)


ガリア帝国・〖首都・テトクリス〗


長かった赤の女王〖マザーグース〗との戦いは幕を閉じた。


俺は少し疲れたせいか、しばらくの間ソフィアさんに介抱されていた。


「良し‥‥‥もう大丈夫だ。ありがとう。ソフィアさん」


「‥‥‥‥セツナ様。まだ全然良くなってませんよね!無理してます~!絶対に!」


「いやいや、無理なんてしてない、してない。そんな事より、早くエスフィール達と合流して、この首都から逃げ出さないと色々と厄介な‥‥‥‥」


「あら~、そうなの?あれだけ戦っていたから、かなり消耗してるとふんだんだけど?貴方、以外にタフガイちゃんなのね?凄く疲れてるのに、擬装魔道具何て使っちゃって憎たらしい子」


この声‥‥‥‥聞き覚えがある。フレイヤ地方に最初に来た時に聴いた声そっくりだ。


「‥‥‥‥お前はあの時の声の?」


「あら~!声だけで思い出してくれる何て、私、興奮しちゃうわよおぉぉ!!」


「セ、セツナ様。この方はお知り合いですか~?」


「まぁ、こんな可愛いらしい子を連れ歩いてるなんて、貴方って、なかなかモテるのね。羨ましい!」


「何の様だ。〖神々の黄昏(ラグナログ)〗‥‥‥まさか同胞の‥‥‥マザーグースの仇をうちにでも来たのか?」


「イヤね。そんな事はしないわよ。いくら手負いの貴方でもこんな時代(・・)じゃあ、私一人だと良くて相討ちよ‥‥‥〖代理人〗ちゃんも契約でこれ以上、魔法大陸(エウロペ)の国には入れないしねぇ‥‥‥だから一緒に飛びましょうか!遠い遠い別の場所に‥‥‥‥」


「お前っ!まさか!!不味い!!ソフィアさん俺とソイツから離れろ!消えるぞ!」


「え?え?何ですか?セツナ様」


「無理よ。対象はガリア帝国に入る貴方と関係が深かい全ての子達‥‥‥それをあらゆる場所に飛ばして、曲げてあげるのよ。歴史をね」


「‥‥‥‥馬鹿なのか?お前ら〖神々の黄昏(ラグナログ)〗は?!そんな事をすれば、全ての理に歪みができる。魔法世界(アリーナ)そのもの事象が壊れるんだぞ?!」


「だから何よ?それで貴方や貴方のお仲間達が消えてくれるなら、それで私達の勝ちは確定‥‥‥‥やらない方が馬鹿だと思わない?」


「狂ってるのか?‥‥‥‥ソフィアさん。エスフィールに伝えてくれ。俺は必ず君の元へ戻ると‥‥‥必ず」


「あ、あの、セツナ‥‥‥様」


「転移魔法‥‥‥数多の者達を〖ユピテル〗へと誘え‥‥‥神代・回帰‥‥‥〖雷帝の転翼〗」


「オホホホホ!!!!凄いじゃない!!あれだけの死闘を繰り広げて、まだこんな大規模な魔法が使えるなんて、驚きよ!!」


「セ、セツナ様!!」シュンッ!


「‥‥‥‥この‥‥人が弱ってる時に現れやかって‥‥‥」


対極転移魔法。〖雷帝の転翼〗対象全てを強制的に転移魔法陣がある場所へと転移させる強制魔法。勿論、リスクはちゃんとある。莫大な魔力消費だ。


「あら?あらあら?もしかして倒れちゃう?ねぇ?倒れちゃうのかしら?‥‥‥もしかして、此処で私が貴方を殺せたりするのかしらん?」


オカマ男はそう言うと、懐から七色の短剣を取り出した。


「‥‥‥クソッ!こんな所で‥‥‥」


「フフフン!!マザーグースちゃんの仇を頂きま~す♡」


絶体絶命のその時だった。その時、俺が指に嵌めていた収納魔道具から以前、戦った初代魔王〖ゼロ・ブレインズ〗から受け取った『死神の玉』が黒色に光出し、その黒色の光から現れた人物に俺もオカマ男も驚愕した。


シュンッ!


「やはりこうなったか‥‥‥‥少年に触れるな。フォルトゥナ」シュンッ!


「し、死神?!いや、ゼロ・ブレインズが何で此処に?」


「‥‥‥‥死んだ筈のゼロちゃんが何でこんな時に現れるのかしら?」


「それ以上、近づくのならば、貴様の首をこの大鎌で跳ねる事になるぞ。フォルトゥナ」


「‥‥‥アナタ‥‥‥‥そう、完全にそっちに付くのね」


「勘違いするな。我は一時的に現れたに過ぎない。この場が収まれば消える身だ」


「あら、そう‥‥‥それは少し残念ね。大アルカナNo.13の〖死神〗が埋まると思ったのにねぇ」


「変わらないな。お前は昔から〖神々の黄昏(ラグナログ)〗を第一と考えるのだな」


「それが〖代理人〗ちゃんの為ですもの。私状で裏切ったアンタや〖節制〗や〖世界〗と同じにしないでくれるかしら?」


「どうでも良い‥‥‥既に我は死んでいるのだからな」


「あっそう!‥‥‥でもその子は連れて行くわよ。知らない世界に一人で飛んで孤独に死ぬのよおぉぉ!!オホホホホ!!!!素敵ダドオモワナイ?」


「相変わらずの性格だな!」


「褒め言葉にしか聴こえないわよ!ゼロちゃーん!!」


ガキンッ!!!


「‥‥‥‥オカマ男が放った魔法に抗う魔力がもう無い‥‥‥〖ラプラスの卵〗で半分以上持ってかれたか、何が少しだ。始祖のあれめぇ!!」


「オホホホホ!!!!さ・よ・う・な・ら!!!!〖代理人〗ちゃんの障害物ちゃん。後で私も合流するからその時は本気で殺してあげるわよん!!ウフフ!!」


「‥‥‥‥間に合ったか。霊王の娘‥‥‥」


死神のその言葉に反応する様にして、俺の目の前の地面が魔法陣が現れ、その中から一人の女性が現れた。


「はっ?霊王の娘ですって!待ちなさい!その移動!待ったよ!待ったあぁあ!!」


「‥‥‥間に合ったかしら?遅くなってたら、ごめんなさい‥‥‥一緒に行きましょう。忘却と想起の世界へ」シュンッ!


「君は‥‥‥‥セルビアとアヌビスの時に出会った女の子?」シュンッ!



「‥‥‥‥どうやら貴様の思い通りには成らなかった様だな。フォルトゥナ」ズズズ‥‥‥‥シュンッ!


「ゼロ・ブレインズ‥‥‥‥アンタ、余計な事、してんじゃないわよ‥‥‥」シュンッ!



こうして、首都・テトクリスから俺は去り、一人の女性と共に見知らぬ世界へと飛ばされてしまったのだった。


『不死議の國と終国の六騎士』完






第三部〖魔王捜索〗編終了‥‥‥‥



第四部〖忘却想起・向来(きょらい)〗編へ

死神とのやり取りはep172、スカサハとのやり取りはep263になります。


明日から、地球側の幕間を少し書きます。よろしくお願いいたします。


本編となる第四部は数日後に開幕しますのでよろしくお願いいたします。

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