幻創決戦・〖國終りて、甦生しは勇ある者〗No.35 魔女の走馬灯
私の首が飛ぶ、高く飛ぶ、全てが終わる。
寄せ集めの私達が本当に終わる‥‥‥‥
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〖次元の狭間〗
「貴様の書く物語は悪意に満ちている。よってこの地の球体から追放する。狭間の間で一生苦しめ」
「あぁぁ!!そんな!!私はただ、御伽話を書き、子供が読んで泣き叫び、苦しむ姿を見たかっただけなのです!ただ、それだけで‥‥‥」
「‥‥‥魔女が。堕ちろ」
〖魔窟〗
「いつまでも付いてくるつもり?グース‥‥‥アンタは私と違って、運が無く、ロマを喰えなかった。それで私に負けて、この美しい姿に慣れなかっただけの事よ」
「義姉ざン!!そんな事を言わずにわだじにも綺麗なガラダヲグダザイ!!こんな醜いガラダバもういやでず!」
「そう‥‥‥なら、死んでしまいなさい。その方が美しいわ」
「?!ゴノ!!ウラギリモノ!!!!」
「何?やる気?良いわ。半分だけ殺してあげるわ。グース」
〖魔窟の廃棄場〗
「マゲダ‥‥‥でも義姉は言っていた最後まで生き残ったヤヅガ一番ヅオイッデ‥‥‥バダジハマダイギデル‥‥‥」
シュンッ!
「ガァアア?!ここは何処?私の作品は?」
「‥‥‥ヒドノカタチしたやつ来た。タベル」
「‥‥‥なんだい?この気持ち悪い肉塊は?や、止めな!私に何をするんだい?来るんじゃないよ!!」
ズズズ‥‥‥‥。
「‥‥‥‥混ざりあったけど。まだまだ醜い。力も弱い‥‥‥もっと集めて命を増やす、惨劇と言う物語も増やさなくてねぇ。フフフフフフ」
〖無闇の部屋〗
「‥‥‥‥大アルカナNo.6〖恋人〗はエキドナに‥‥‥大アルカナNo.8〖力〗はマザーグースに与える。以上だ。さっさと出ていけ。化物共‥‥‥」
「やはり私の方がまだまだ上ね。グース、人の形を手に入れたと思ったら、ヨボヨボの老婆だなんて、不細工ね。それと私は〖セルビア〗に行くことになったから、これ以上、私に付きまとわないないでね。グース。」
「‥‥‥‥この女王気取りの義姉が‥‥‥次はより、美しく力を付けてやるわ‥‥フフフフフフフフ」
〖死の大地・博士の館〗
「御客様。〖異界〗に行けばありとあらゆるモノが手に入ります」
「‥‥‥何でじゃと?それは本当かい?」
「えぇ、此処から一番近い〖異界〗ですと‥‥‥〖不思議の国〗ですかね。彼処はガリア帝国によって滅ぼされた〖魔の者〗達が体力におりますので、彼等のガリアに対する怨みを利用し、後々はガリア帝国を手に入れるというのもありかもです。はい」
「そうかい。そうかい。なら、早速行ってみるかね。スリアの地へとね」
〖スリアの跡地〗
「お前が一番。呪われているねぇ。入りな。私の中へ」
(や、止めなさい!私はただ、静かにこの地の守護を‥‥‥や、止めて!!取り込まないでえぇぇ!!)
「‥‥‥‥若い人格になったねぇ。此処を拠点に先ずは〖異界〗に入ろうか。此処で二番目と三番目に呪いが強い〖魔の者〗で猫と魔竜でも造ろうかね?‥‥‥混沌を深める為に」
〖不思議の森の家〗
「母さん!!父さん!!ウワァアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!」
「フフフフフフフフフフフフ‥‥‥(ウルサイガキだがスリアとガリアの混血‥‥‥殺すのには惜しいね)。私の道具として最後まで使い古してやろうじゃないかい」
〖異界の門〗
「マザー‥‥‥じゃなかった。赤の女王様。〖セルビア〗に侵入中に良いものを手に入れたよ」
「‥‥‥なんだい?魔竜。こんな所に呼び出して、私に見せたいモノって何なんだ‥‥‥」
「妖精屍だよ。赤の女王様‥‥凄い?ねぇ?僕は凄いかい?赤の女王様!!」
「あぁ‥‥‥アンタは本当に優秀な部下だよ。魔竜、良くやったね‥‥‥こんな美しい入れ物。良く手に入れたよ」ズズズ‥‥‥‥
「赤の女王様?」
「フフフフフフフフフフフフ‥‥手に入れた。遂に!あの義姉に負けない様な美しい姿を!私はやっと手にいたんだわ!!フフフフフフフフフフフフ!アハハハハハハ!!!!!これで次の段階に進めるねぇ」
〖ロウトルの転移迷宮〗
「フフフフフフフフフ‥‥‥‥力を貸しなさい」
「‥‥‥えぇ、赤の女王様」
「(馬鹿な男。遥か昔に私がジル・ガリアに皇位の地位に付くようにそそのかしたのが全ての元凶とも知らずに従うなんて本当に愚か。でもコイツの転移魔法は使える‥‥‥優秀な駒は一つでも欲しいものよ)」
〖異界・不思議の国ブラックハート〗
「がぁ?‥‥‥何で?エレインが此処に?貴女は確か‥‥妖精国で‥‥」
「そう。中身だけ頂いたの、そして、貴女のこの国も、私が今から頂くわ。感謝しなさい、ティターニア」
「そんな‥‥‥勝手な事‥‥‥を‥‥‥」
「ホホホホ!!!堕ちましたぞ。赤の女王様」
「フフフフフフフフフフフフ!!!何が不思議の国よ。壊してやるはこんな美しい国。絶望と混乱の不振と死と儀式の國にね」
〖異界・女王の裁判所〗
「フフフフフフフフフ‥‥‥迷い込んだねえ。苦しい言い訳。そうね‥‥‥此処から出たいなら雌のお前はその迷いの少年との関係性を‥‥‥迷いの少年は、そうねさっき私に見せた魅力的な力〖黒衣〗を私に献上しなさい。そうすれば、私の國を荒らした事は許して出してあげるわ」
「勇者様‥‥‥私は」
「‥‥‥ここは従いましょう。姫様‥‥‥赤の女王様。この度は寛大なる処置に感謝を、〖黒衣〗をお譲り致します」
「フフフフフフフフフフフフフフフ!!!その態度!対応!話し方!全て合格よ!!良いわ、さっさと出ていきなさい!邪魔よ!私は新しい力〖黒の衣装〗にしか興味がなくなったんだから」
「はい‥‥‥ありがとうございます。赤の女王様」
「‥‥‥あれ?何で私、勇者となんか二人きりで?」
「姫様こっちです‥‥‥帰りましょう。首都・テトクリスへ‥‥‥〖○○〗」シュンッ!
「フフフフフフフフフ‥‥これで勝てる。あの義姉に挑んでも本当に勝てるわ!!そうだ勇何とかのお前‥‥‥良かったらこのまま此処に残って私のモノに‥‥‥てっ、もういなくなってるじゃない?何処に行ったわけ?」
半年前の〖異界・不死議の國〗
「イヒヒヒヒ!!!赤の女王様はとんでもなく荒れてるね!魔竜」
「‥‥‥‥今は近寄らない方がいいぞ。不気味猫‥‥‥下手したら殺されるよ」
「フフフフフフフフフフフフ!!〖セルビア〗のエキドナが死んだわ!!何が救国の担い手?そんな奴に殺されるなんて、飽きられるわね!!フフフフフフフフフフフフ!!でもこれでハッキリしたわ。私は生き残り、あの義姉は死んだ。最後まで生きている方が優秀、アンタが私に言った言葉をそのまま送るわ!!化物の義姉エキドナ!!!アハハハハハハ!!!!!!!!!!!」
思い出すのは、古い記憶から新しい記憶‥‥‥‥飛ぶ、飛ぶ、首が飛ぶ、意識が飛ぶ、全ての〖力〗が、美しさが、命が消し飛んだ。
肉塊は死ぬ。私が死ぬ。妖精屍は何処かへ言った。混ざって、交ざった私達はバラバラになり、枝分かれする。
あぁ、あぁ、あぁ、あぁ、死ぬ。
沢山の惨劇の物語を紡いだ私は‥‥‥‥死ぬ。
そう‥‥‥‥これが私が殺して来た奴等の気持ち、憎悪と苦しみ‥‥‥を抱いて私は消える。
御伽話の魔女〖マザーグース〗‥‥‥‥‥‥逝く。




