幻創決戦・〖國終りて、甦生しは勇ある者〗No.34 欲望の贖罪
「フフフフフフフフフフフフ‥‥‥力の解放を‥‥‥私の〖名誉〗の為に‥‥‥」
〖マザーグース〗が肥大化し始めた。これも大アルカナの力なのだろうか、先程までの弱々しい老婆の姿では無い。
筋骨隆々の化物が権限した。
「フフフフフフフフフ‥‥‥この姿を見たからには、お前を確実に殺さないとねぇ‥‥‥‥赤纏装束・〖赤の破衝動〗」
〖マザーグース〗が躍動する。力を持って俺をなぶり殺そうと襲いかかる。
「その傲慢がアンタの弱点なんだな‥‥‥‥〖炎の首飾り〗‥‥‥偽りの回帰を‥‥‥‥秘宝・回帰‥‥‥」
〖炎の首飾り〗が赤く輝き、現状を偽り、変えていく。
それは豊穣と炎の様な赤き色の断罪の偽り鎌。
〖赤き豊穣の鎖鎌〗
「なんだい?その赤色の鎌は?‥‥‥フフフフフフフフフ‥‥‥赤は私と被るだろうが!!ガキィィ!!!」
「この〖赤き豊穣の鎖鎌〗
は莫大な魔力を必要とする。アンタに奪われた〖黒衣〗を失った事で使える状態ではなかったが、今は二つの〖黒衣〗が合わさり、全盛期を遥かに凌駕する魔力総量となった」
「それがなんだい?それで私に勝てる通りがどこにある!!〖赤の剛腕〗」
「逆にそれで負けない通りがどこにある?‥‥‥‥〖赤き鎖の縛り〗」
「フフフフフフフフフフフフ‥‥‥そんな細い鎖で私の身体を止められると思ってるのかい?‥‥‥大アルカナ・起動!!〖剛毅〗なる力を!!!」
「‥‥‥その自慢の〖力〗で自爆しろ。〖赤き貫きの鎖〗」
〖マザーグース〗は自身の身体に力を込めて、〖赤き豊穣の鎖鎌〗の鎖を引きちぎろうとする。俺はそれに対し、鎖鎌の形状を変えて応戦する。鎖から赤き針へと変え、〖マザーグース〗の身体に万の針穴を開ける。
「ギイィ?‥‥‥なんだい?この‥‥‥穴は?‥‥‥私の身体の全身が穴だらげにナヅダァ?!!全身から血が出ているうぅぅ?!フフフフフフフフフ!!!頭がオガジクナルル?」
「〖炎の首飾り〗は偽り変幻自在に姿を変える―女神―フレイヤ神の首飾り。細い鎖だと油断したアンタが悪い」
「ガキィィ!!お前はアァアァ!!大アルカナ‥‥‥〖勇気〗よ!私に力を与えろ!!!〖赤き魔女の暴虐〗」
「頭に血が昇り過ぎて、冷静さが無くなっているぞ。〖マザーグース〗‥‥‥〖赤い鎖の拘束〗」
〖赤き豊穣の鎖鎌〗の鎖の部分が枝分かれし始め、〖マザーグース〗へと伸びていく。
「ゴノグザリは‥‥‥なんだい?‥‥‥私の技が吸収サレダァ?‥‥‥不味い‥‥‥に、逃げなければ‥‥‥」
魔女は敏感だった。俺が仕掛けた〖何か〗に対して即座に気付き、行動を開始する。首都・テトクリスからの逃亡を‥‥‥
「逃げるのか?‥‥だが、アンタは絶対に逃がさない。絶体にだ!アンタが引き起こす悲劇の物語はここで終りなんだよ。〖マザーグース〗‥‥‥黑衣装飾・〖黑廊の絹部屋〗」
「‥‥‥フフフフフフフフフ‥‥‥なんだい?この黒い結界は‥‥‥いや、これは私のドレスの黒のドレスの力?!私から奪った力!!返せ!!還せ!!私から奪った全てを返せ!!!ガキィィ!!!大アルカナ‥‥起動!!!!!〖ヘラクレス〗よっ!!最強の力!!〖ヘラクレス〗!!あの憎きガキを殺せえぇぇ!!!!」
‥‥‥‥‥‥‥‥
「‥‥‥‥は?何で何もオギナイ?」
「終りだ‥‥‥‥‥〖マザーグース〗‥‥‥‥〖赤き豊穣の鎖鎌〗裁きを与えろ‥‥‥‥〖炎の首飾りの死〗」
ベヒーモス程の大きさの赤き鎌がガリア帝国の首都・テトクリスの上空に顕れた。
「フフフフフフフフフ!!!!!!!そんな大鎌で私の首が切れるわけがねぇえええ!!!止めろ!!その大鎌を私に振り下ろす‥‥‥‥‥」
「〖贖罪〗を‥‥‥‥」
スパンッ!!!
「グエエエエェエエ?!!!‥‥‥‥‥‥ごん‥‥‥な‥‥‥バガ‥‥な‥‥‥あり得‥‥‥な‥‥‥‥い‥‥‥」
俺が放った言葉と同時に赤き大鎌が〖マザーグース〗の首へと落ち、〖マザーグース〗の頭部は血飛沫を上げながら、空高くへと宙を舞った。