崩れ行く南側
『妖精国』中央地帯
南側『ペレアスの湖』の巨大湖
ランスロット軍、モードレッド軍、駐屯地
「ほ、報告致します。モードレッド卿」
「ん?なんですか?いきなり?今から、お茶という時に」
「す、すみません。緊急の為‥‥‥」
「緊急ねえ!では、どうぞ」
「はっ!現在、パーシヴァル卿の『ロンギヌ』へ攻めいっていた。ベディヴィア卿は突如、飛来したフローレンス卿に敗れ。行方不明に。アグラヴェイン領の『ペリエの城』では、いきなり、強力な落雷が降り続け。その落雷によりアグラヴェイン領の大半の兵士は戦闘不可能に陥りました。」
「‥‥‥それで? アグラヴェイン卿は無事なのですかな?」
「え、えぇ、侵入者は排除したらしのですが、深傷を追わされてしまい。『ペリエの城』から一歩も動けないと」
「では、此方の方には来れないということですな?」
「はい!‥‥‥それから」
「‥‥まだ何かあると?」
「は、はい! 現在、ユーウェイン領にて謎の飛行竜が突如、現れ。ユーウェイン卿は意識不明の重体になり。現在は行方不明。ユーウェイン軍は最早、壊滅寸前とのことです」
「なんと‥‥‥その謎の飛行竜は恐らくフローレンス卿の眷属かなにかでしょう。おのれ、忌まわしき、オーディンの血筋め!妖精階級が私よりも高い為に、水門では手出しできなかったが。 まさかフローレンス卿、一人でここまで戦局を変えてくるとは」
「失礼するよ! おや? モードレッド卿。どうしました?そのように慌てた顔で」
「おぉ、ペリノア卿! 待っておりましたよ」
「すみません。色々と忙しく」
「いやいや、ぺリノア卿が来てくだされば。我々の軍は安泰というもの。現在、キャメロット城を堅牢に守る。ガウェイン、トリスタン、ギャラハット達を倒すのも時間の問題ですな」
「それほど、まで期待して頂けるとは、ありがとうございます。モードレッド卿。‥‥‥して、ランスロット卿はご一緒ではないのですか?」
「あぁ、ランスロット卿は現在。地下の『世界樹の迷宮』にある。女王様の城へ赴いております」
「あぁ、あの方の!成る程。俺、自身はまだ、お会いしたことがないですな?モードレッド卿。その女王様という方はどのような方で?」
「女王様ですか? ええ、女王様! ギネヴィア様はとても素晴らしいお方ですよ!はい!」
「ほう! そうなのですか!」
モードレッド卿の顔はどこか不自然な顔をしていた。
(僕がいない間。留守を頼むよ!我が盟友!ぺリノア)
(はぁ、我が友。アーサー! 今、何処にいるんだよ! 全く。君が不在のせいで女王様とかいう訳の分からん者まで現れるし。早く戻って来てくれ‥‥‥‥)
『世界樹の迷宮』闇の魔
「あら、来てくれたの?ランスロット?嬉しいわ」
「あぁ、ギネヴィア! 君の為なら。俺は何処へでも向かうよ」
「あら嬉しい! ありがとう。ランスロット! ふふふ」
「嬉しいわ! 嬉しいわ! ふふふ」
「今日はちょっと相談があってね! ギネヴィア」
「あら? 何かしら?」
「間者の報告で我が軍門に下った筈の三候が何者かの仕業で、行方不明や重症をおって。『ペレアスの湖』へ召集できなくなってしまってね」
「あら‥‥それは残念ね」
「あぁ、すまない! 我が女王よ」
「そう‥‥‥なら、その何者かの弱点をつけばいいのよ! ランスロット」
「弱点?」
「えぇ、そうよ‥‥‥‥方角は東南ね! 魔法族と獣族の娘二人が隠れてるわ」
「ほう! 成る程! それは、良いことを聞いた。では早速、私が行こう」
「いいえ。その心配は無用よ、ランスロット。私の玩具を2つ向かわせるから」
「玩具?」
「えぇ、フフフ。紹介するわ! ユーウェイン卿と元アーサー王の元義兄ケイ卿に行ってもらいますから。フフフ」
「‥‥‥‥ユーウェイン、ケイ、何故、君達がここに?」
「がぁ?!」「ぎあ!」
「フフフ、楽しみ!楽しみね!ランスロット!私の『妖精国』に不法侵入した彼ら彼女らの絶望した顔が見れるですもよね! フフフフフフフフフフフフ」
ギネヴィアの後ろの影には途轍もなく大きな二対の化物の影がひっそりと揺れていた。
中央地帯『キャメロット城』
「モルガン様、ご報告したいことがございます」
「‥‥‥‥あっごめんなさい。ガウェイン卿。何でしょう?」
「モルガン様! 少しはお休みになられては?」
「いえ、大丈夫です!それよりも報告を、お願いします。ガウェイン卿」
「は、はい、今朝方、密偵よりの報告があり。地上の『セルビア』からフローレンス卿とサグラモール卿が帰還したとの事です」
「まぁ、あの二人が? じゃあ、地上は」
「えぇ、厄災は排除されたかと」
「そうですか、良かった。それで?あの二人は」
「はい。フローレンス卿は反乱軍に奪われたパーシヴァル領を奪還。ベディヴィアは降伏。軍は壊滅したとの事です。その後、フローレンス卿はあのアヴァロンの一部を召喚し‥‥‥ユーウェイン領地に進行させ‥‥‥ユーウェイン領は火の海になったとの報告」
「‥‥フローレンス卿には後日、私から直接お話ししましょう」
「はい。そして、サグラモール卿は‥‥」
「ええ、ここにいますよ。ガウェイン卿、モルガン様」
突如、大きな炎が燃えらがる。
「サグラモール卿」
「イフリート。良かった無事だったのね」
「ええ、お久しぶりです。モルガン様」
そして、セツは双星の大洞窟から始まったこれまでの経緯を事細かに説明した。
「行方不明中の勇者‥‥‥先代『エクスカリバー』の所有者が『セルビア』を救い。現在は『妖精国』に来ているのですか?」
「その通りです。モルガン様、我が主殿。カミナリ様は我々が望んだ救世主様に間違いありません」
「サグラモール卿がそれほど、信頼を寄せるとは」
「そうですね。とても心強い援軍を連れて来ていただきありがとうございます。イフリート」
「‥‥‥勿体なきお言葉、感謝します。モルガン様。では、セツは一端、自身の領地に戻り。兵を『キャメロット城』に連れて来ます」
「ええ、ありがとう。これで、あのランスロット卿とモードレッド卿に対向できるわ」
「はい。現在はモルガン様とギャラハット卿の結界魔法でどうにかもっておりますが‥‥」
「いつまでもつか分かりませんからね」
「地上の妖精妃・モルガン様がそう言われるとは、それほど、強いですか?あの二人は」
「えぇ、数ヶ月前よりもずっと!‥‥‥‥何者かの魔法でいきなり強くなった‥‥そんな感じですがします」
「はぁ、アーサー王が不在では、無かったらこんなことにはならなかったのてすが」
「‥‥では、セツはこれにて」ガシッ!
こ、これはモルガン様の〖魔法の鎖〗?
「アーサー君は‥‥まぁ、自由奔放だし!」
「‥‥‥では、私も戦場へ戻り」ガシッ!
ガウェイン卿も〖魔法の鎖〗で捕まりました。
「そうですか?そんなに私とアーサー君の馴れ初めを聞きたいですか?2人とも?」
「いえ、モルガン様! 今は戦時中でして!」
「セツも同じく」
「そうですね! あれはアヴァロンに居た時、アーサー君が傷をおっていて。それを私が治癒の魔法で癒してあげて」
「おい!始まったぞ。モルガン様のアーサー君自慢」
「くっ! よりにもよって時間操作の魔法でここだけ。時間の流れるスピード遅いです。ガウェイン卿」
「それでね。私達。9人の姉妹で喧嘩になってね」
(おい、この脳内アーサー君状態どうにかしろよ!)
(無理です。モルガン様はストレスで一度おかしくなると)
(戻るのに時間がかかるな)
「昔は私とアーサー君が血が繋がってるとか変な噂も立てられてたけど。そもそも、私は『オーディン』様の血を色濃く引く神霊妖精で、アーサー君は魔法族の血を色濃く引くイケメンでね」
(おい! 自分の生き立ちまで話始めたぞ。そして、自分の夫をイケメンとか言い出したぞ)
(いつもの事です)
「だれか!」
「助けてください!」
「だから、アーサー君はカッコいいの!」
その日の夜。モルガン様はずっと溜め込んでいたストレスを発散するかのように、ずっと大好きなアーサー王についてセツとガウェイン卿に話してくれました。
なお、モルガン様。お得意の時間操作魔法により外の時間は余り経っておりませんでした。




