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幻創決戦・〖國終りて、甦生しは勇ある者〗No.27 ガリア帝国の頂点に花弁を


ウェルキンとマーリンの剱と魔法の撃ち合いは数時間を軽く越えた。だが、お互いが消耗するだけで、未だに決着は着いていない。


「そろそろ終わりの時だ。ガリア剱術〖白鬼(ヴァン・オグル)〗」


「神明魔法〖白銀の獣よ(オージェンタム・フェア)〗剣が鬼族みたいな姿に変わった?‥‥‥君のその力は本当に不思議だね。原理が理解できないよ」


「私は一度、女王様によって〖異界〗に堕ちた。その後にこの外界に来た、何かしらの変化が起こると思わないか?」


「簡易的な〖臨界突破〗かい?それで、そんな剣の自由自在に変化させているんだね?」


「私の寿命を使ってな‥‥‥‥」


「‥‥‥何だって?今、何て言ったんだい?」


「 貴殿が言う、その〖臨界突破〗の事は良く知らない。だが、私は〖(ヴァン)〗や〖変化〗の力を使う度に、自分の中の〖加神なる力〗を消耗しガリアの頂点にまで駆け上がって来た」


〖加神なる力〗?それって、愛弟子が昔からたまに使っていた〖神殺しの力〗の事?確かに地方によって、〖魔力〗ではない何かで闘う子を何人も見てきたけど、それは命を削るような闘い方何てしていない。

彼等はその時に()っていた生命力を一時的に力に変換して、寿命を削る何てバカな行為はしていなかった。


「母から受け継いだ〖色〗と父から受け継いだ〖加神なる力〗が合わさり私は強かった。それをエレイン様は‥‥‥赤の女王様は目を着けたのだろうな。私の両親を、私の目の前で殺し、楽しみ、私の心を折ったんだ」


「‥‥‥闘いの最中だよ?何でそんな話をするんだい?ウェルキン元帥」


「 白の魔女なら察しは着くだろう。貴殿との度重なる闘いで、私の身体は急速に消耗している。いや、スレイン様に会ってから私の身体は可笑しくなってきている。心と合わせてな」


「 少し気になっていたよ。エレイン‥‥‥は〖妖精国(アルムヘイム)〗の妖精族だよね?そもそも、私は、あの赤の女王を最初見た時に驚いたんだ。何で彼女があんな姿で〖異界〗に居るのかをね。だって彼女は遥か昔にもう‥‥‥」


「 亡くなっているのだろ?」


「うん」  


「私が赤の女王と最初に合った時は、液状の老婆の姿をしていた」


「液状の老婆?何だい?その気持ち悪い表現の仕方は?」


「事実だ。赤の女王様は何でも取込み、自らの力に変える‥‥‥そして、恐らくは私の力も取り込むつもりなのだろう‥‥‥だが、そうはいかん。私は陛下を‥‥‥ガリア皇帝陛下を護り、ガリア帝国を支える〖元帥〗、〖六騎士(シス・シュバリエ)〗の五人を纏める存在でなくてはならん」


▽▽▽▽▽


(我が騎士にして友、ウェルキンよ。今日も共に酒を酌み交わそうぞ)


(はい‥‥‥陛下。喜んで付き合います)



▽▽▽▽


(何ですって?私が悪いの?)


(君が陛下の前であんな事を言うからですよ)


(エマとアクスレナルはもう少し仲良くしろ。陛下の前ではキツく言ってしまったのは悪かったが、お前達は許嫁なのだろう?何れは結婚をして子を成すのだろう?そして、ガリアの繁栄を‥‥‥)


(はぁ?何でこんな優男と?)

(そうです。こんな腹黒女願い下げです)


(ダハハハ!!!見ろ!ウェルキン!!息ピッタリだな)


(紅茶美味しいですね。ランスロット様)


(‥‥‥‥はい。セレナ姫様)


(バルバッハ、セレナ姫様、ランスロット‥‥‥貴殿達も、見ていないで、この二人を止めよ)



▽▽▽


(((((ウェルキン元帥!ウェルキン元帥!ウェルキン元帥!ウェルキン元帥!ワアアアアアア!!!!!)))))


(大人気だな。ウェルキン!!)


(あぁ、バルバッハ、もし私が突然、居なくなったら後の事は頼めるか?)


(はぁ?何、いきなり不吉な事を言っているんだ?ガリア帝国が誇るウェルキン元帥ともあろうお方が?)


(いつ何が起こるか分からない。頼めるか?友よ)


(‥‥‥‥良くわからんが。あぁ、俺ならば何とでもできるだろう。孫娘もいるしな)


(そうか。その言葉を聞けて良かったよ。バルバッハ。ありがとう)


(?何なんだ?いったい?)



▽▽


ガキンッ!


(フム‥‥‥順調にお強くなられてますね。セレナ姫様)


(ありがとうございます。ウェルキン元帥)


(まさかセレナ姫様が騎士になるとは思はなかったです)


(御姉様達が行方不明何ですもの。私も何か御父様の為に役にたちたいのです)


(‥‥‥それは立派な考えですね。セレナ姫様が居れば今後のガリア帝国も安泰でしょう)


(そんな。私なんてまだまだです)


実直で素直な性格だ。この方が皇族の中心になれば、ガリア帝国もより強固になるな。良かった。




(そうか。フレイヤ地方の大半を失う、大敗だったか。ランスロット)


(‥‥‥この責任は私の命を差し出して‥‥‥)


(引き続きガリア帝国の南部は貴殿に任せる)


(は?ウェルキン元帥。今、なんと?)


(今は何処の戦場も人手不足だ。それに報告書を読んだが、今回の戦い不可解な力が加入したのはなんとかなく分かる。この事が議会で問題しされた際は、私が君と盾となり、護ろう。だから南部はを確りと護ってくれ、ランスロット)


(は、はい‥‥‥この失態を償うため。ランスロットウェルキン元帥の為に頑張ります)


(‥‥‥私ではなく、ガリア帝国の為に頑張ってくれ‥‥‥)





「ウェルキン‥‥‥」


「赤の女王の呪いは、私が反抗的な思考になれば毒となり、私の身体を蝕むようだな。時間も余りないか‥‥‥最後だ。最後に私の全力に付き合ってくれ、魔術師・マーリン殿。そして、どうか、私の命を対価に、魔法中央国は以後、100年はガリア帝国との同盟関係を維持してほしい」


「今後の為の布石かい?‥‥‥まぁ、ガリア帝国の最強の命と100年同盟‥‥‥‥釣り合うかは分からないけど。良いよ。約束しよう、今後、100年の間。魔法中央国‥‥‥いや、〖魔術院〗はガリア帝国に攻め込まないとね」


「フッ‥‥‥それを聞けて安心した。では参る。ガリア剱術〖白の大剱(ヴァン・フランベルジュ)〗」


「本気だね‥‥‥ならこちらも全力でいくよ。〖白銀の獣花よ〗」


白の大剱と花弁の獣が都市部を巻き込み、衝突し、計り知れない被害をもたらす。


「これが神話のアテナ地方を震え上がらせた力‥‥‥素晴らしい。これ程の力と最後にやり合えることを幸運に思う。ガリア剱術〖白の剣星(ヴァン・エトワール)〗」


「ガリア帝国最強にそう言ってもらえるなんて、光栄だね。〖白銀の彷徨よ〗」


二つの凄まじい力の衝撃が絡み合い、〖ガリア帝国国立学校〗を更地へと変える。


「‥‥‥‥これが最後の技だ‥‥‥‥ガリア剱術・極‥‥‥‥〖白の極点(ヴァン・ユルティム)〗」


「そうかい。なら‥‥‥足りなかったね‥‥‥実力が‥‥‥さようならだ!ウェルキン元帥君。〖白銀の聖爪〗」


上流階級(ハスリ)エリアに白銀と白の光が射し。一瞬で消えた。そして、片方の‥‥‥‥ガリア帝国が誇る最強の騎士・ウェルキン元帥の姿は跡形もなく消えていた。


「‥‥‥‥行ったかい。ウェルキン‥‥‥久しぶりに良い戦いだったよ。ありがとう。君との最後の約束‥‥‥100年同盟は必ず護ろう‥‥‥‥エヴァンジェリン。来てるんだろう?何処だい?」


「‥‥嘘?気づかれちゃってた?私がマーリンちゃんに?」

〖緑の魔女 エヴァンジェリン・エスフィール〗


「当てずっぽうさ‥‥‥始められるかい?私は北に行くよ」


「ハイハイ‥‥‥なら私が西で、シエルは東に居るから、マーズは南に居る。うん。いけるんじゃない?‥‥‥て?泣いてるの?マーリンちゃん」


「まぁね、それよりも早く始めるよ。彼に頼まれたからね。ガリア帝国を護ってくれと‥‥‥‥今後をね‥‥‥そして、さようなら。ウェルキン。どうか安らかな最後になる様に、この白銀の花を君に捧げよう‥‥‥良い闘いをありがとう‥‥」


こうしてガリア帝国の元帥にして最強、白劍の騎士・ウェルキン・ゲトリクス・アルウェルニは去り。混乱が最高潮と化した首都・テトクリスの戦いは赤の女王との戦いを残すだけとなった。


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