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幻創決戦・〖國終りて、甦生しは勇ある者〗No.24 魔王の樹躙


〖エマ・アテリナル〗は挑発するべきではなかった。


勇者と共に次元を幾度も渡り力を増していく者に。


他大陸で研鑽を積み、魔力、身体、頭脳の全てを高めた者に。


多種多様な出会いと別れを繰り返した真の〖生還者〗に触れるべきではなかったのだ。



「悪いがお主との遊びはもう飽きた。セツナの事も心配なのでな。ここら辺で私の本気の一部を見せるとしようか」


「は?何を言っているの?アンタにとって此処は明らかに敵地のど真ん中で、さっきまで追い詰められついたのはそっちでしょう?」


「‥‥‥勝手に喋って良いと誰が言った?私の許可なく喋るな。エマ・アテリナル。不敬であるぞ。〖ウィリディス〗。行け‥‥‥黙らせよ」


「‥‥‥‥シャアギャアアアア」


私の合図と共に〖神代樹海廊(ユグドラシル)の庭〗が動き出す‥‥‥エマ・アテリナルを倒す為に花弁の翼を広げガリア帝国の空へと舞う。


「のう?エマ・アテリナルよ。知っておるか?何故、魔王領はガリア帝国内部に絶対に侵略しない理由を」


「はぁ?そんなのガリア帝国が魔法大陸(エウロペ)びゃあ、一番の大国と軍事力を誇っているから、アンタ達魔王領の奴等は攻められないだけでしょう?」


「違う。歴代魔王達の全てがあえてガリア帝国へと攻めいるのを意図的にしていなかっただけじゃ、慈悲でな‥‥‥‥その証拠を今、見せてやろう。(りょく)魔法〖樹躙の箱庭〗」



まず起こった第一の異変はゴール城の周辺が全域が草木が生い茂る大樹海と化した事である。魔王ユナ・エスフィールの魔力総量は勇者・神成 刹那よりもかなり劣る。劣るが、それは神成を基準にした時の基準値である。


彼女の魔力総量はこの魔法世界(アリーナ)では上位に入る上澄みである。

そんな彼女が一切の躊躇いもなく放つ木々を操る緑魔法の規模は軽く地理すら、軽く変え樹海へと変貌させる。


「‥‥‥何これ?大都市の城に一瞬で森ができた?意味分かんないんだけど」


「分からずて良い。貴様はそのまま倒されるのでな‥‥‥そして、これが数ヶ月一番近くで見聞し得た〖カンナギの姫君〗の剣技を真似た一太刀の乱舞。〖枝木の姫君〗」


神代樹海廊(ユグドラシル)の庭〗内の無数の草木が

折り重なり、複数人の少女の姿へと変わる。そして、その全てがカンナギの姫君と似た姿で、エマ・アテリナルに渾身の一太刀を放つ。


「こんな攻撃!私の魔銃で吹き飛ばせるわよっ!バカじゃないの!ガリア魔銃術(ティラユール)・〖破壊の火弾〗。さぁ、全て燃えなさい!!アハハハ!!」


エマ・アテリナルが魔弾で襲い掛かる攻撃を燃やし始めるが、それは新たなる敵の怒りを買う行為にしかならない。


(我が主の神聖な〖神代樹海廊(ユグドラシル)の庭〗に火を放つとは‥‥‥愚かさは変わらないか。ガリア人よ。燃えゆる木々が可哀想思わないのか?‥‥‥ならばそれ相応の罪を与える。そして、此処一帯に蔓延る邪魔者達も眠らせてやろう。〖花弁鱗粉〗)


「ギャシャアアアアア!!!!!!」


「はっ?紫の鱗粉?‥‥‥身体が痺れていく?」


「よもや、私ではなく箱庭の木々に攻撃し燃やすとはな。そして、深緑龍(ウィリディス)を怒らせた。愚かだな。エマ・アテリナル‥‥‥何故、疑問に思わなかったのだ?歴代魔王が直接的にガリア帝国の内部に侵略しなかったのかを‥‥‥‥それを今、見せてやろう。闇緑魔法神代・回帰〖新緑の闇緑樹〗」


神代樹海廊(ユグドラシル)の庭〗はゴール城の周辺を樹海へと変えた。


深緑龍(ウィリディス)は〖魔の者〗に身体を乗っ取られたガリア帝国民の全て撒いた鱗粉により、深き眠りに落とし。


魔王ユナ・エスフィールの攻撃は首都・テトクリスを落とす。


「‥‥‥テトクリスが‥‥‥首都全域が闇の木々に覆われていく?何なのこれ?こんな規模の力見たことない?!」


「全ての歴代魔王は単身でガリア帝国が誇るテトクリスなど簡単に転覆できる。まぁ、ガリア帝国が誇る〖元帥〗や〖勇者〗が居れば話が変わるがのう。都市機能を全て終わらせる事は容易くはできるのだ。安心せい貴様との戦いが終わった後はちゃんと全て戻してヤるからのう。だから‥‥‥‥沈め。エマ・アテリナル」


「こんな力。例え魔王だからってあり得ない。そうか!アンタは絶対に私が勝てないと思って、心の中でずっと笑っていたんでしょう?ねぇ?勇者を誑かして一緒に消えた卑怯者の魔王様?!この卑怯者!卑怯者!卑怯‥‥‥‥ガァ?!ぐ、ぐるぢぃ?!堕ち‥‥‥る‥‥‥」


「最後までうるさい奴じゃった‥‥‥丁度良いこんな機会じゃ。ゴール城に隠れ潜んでおる奴等の顔でも見に行こうかのう‥‥‥深緑龍(ウィリディス)、私の護衛を頼む」


「ギャシャアアアアア!!!」


魔王ユナ・エスフィールはそう告げると樹海と化したゴール城の奥へと入って行った。



上流階級(ハスリ)エリア〖ガリア帝国国立学校〗


「凄いねぇ!首都を樹海に変えるなんて、凄い事をしちゃうなんて‥‥‥ね!」


「フン‥‥‥‥これをやったものを斬りに行きたいが、貴殿が邪魔で行動し移せん。いい加減斬られて堕ちよ。魔術師」


「いやいや、そろそろ堕ちるのはそっちだよ。最強元帥君。私も少し本気を出すんだからね‥‥‥」

本日もお読み頂きありがとうございます。


そして、やっと神煌具『緑樹・霊剣』の出番が書けました。長かったですね‥‥‥‥彼はこの先の戦いでも出番があるのでよろしくお願いいたします!


それではまた明日、更新致します!

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