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パーシヴァル領・奪還戦 No.4 解呪


『ロンギヌの丘』


「エンシェン、レッド、ホーリー!一旦止まって!!」


「「「はい!主!」」」


メリュジーヌ卿‥‥いや、メリュさんがそう叫ぶと。さっきまで鏖殺の限りを尽くしていた。


3匹の竜が一斉に止まった。


「はぁ、はぁ、もうやだ!!」


「ごめんなさい、ごめんなさい!」


「あぁあ!!!痛い!!」


阿鼻叫喚のベディヴィア軍。


「‥‥‥‥いつも、思うんだけど。フローレンス!あんたさぁ!敵にすると本当に容赦無いわね。私の軍。もう壊滅状態じゃない‥‥‥どうしてくれんのよ、これ」


「大人しく!ベディヴィア領に帰らしてあげてね。今からパーシヴァルを連れてくるから。‥‥‥レッド!お願いできるかな?」


「はい!主様!お急ぎでしょうか?」


「うーん!なるべく早くがいいけど‥‥‥」


「はっ!では、直ぐにお連れいたします」


「え?うん!」


メリュさんがそう言った瞬間には赤竜のレッドドラゴンの姿は無かった。


アグラヴェイン領・『月の谷』ログハウス内


「北東のパーシヴァル領?らへんか?あそこ」


俺は、アグラさんから貰った。『妖精国』全体の地図のパーシヴァル領を指指しながら言った。


「凄い。魔力の乱れを感じたよね?」


アルディスがそう言うと。


「あぁ、多分だが、メリュジーヌ卿が暴れたんじゃないか?‥‥‥それにいきなり現れた強大な力の塊。‥‥‥まるで神話級の力が」


「ナルカミさん。多分ですがそれは、アヴァロンそのものでは?」


「アヴァロン?アヴァロンって。あの最果てのアヴァロンの事か?」


「はい!そうだと思いますが。最果て?‥‥‥‥はて?、まぁ、いいです。そうですね。その最果です」


「何でメリュジーヌ卿にアヴァロンの話が出てくるんだ?どっちかというと黄金竜とかアルビ何とかの方が‥‥‥‥」


「いえ、その昔、メリュジーヌ卿は強力な1体の竜と友達になり契約したとこ聞いたことがあります。」


「それが、アヴァロンなのか?」


「正確には、アヴァロンから漏れ出た力の一端が、この『妖精国』に迷い混んだらしく」


「その力が竜の姿に変わって。メリュジーヌ卿に懐いたとか?」


「ご名答です。アルディスさん。」


「それが今、召喚されて移動している先は‥‥‥‥ユーウェイン領地か」


「先ほどのパーシヴァル領地の大量の魔力反応の消失‥‥‥メリュジーヌ卿はパーシヴァル領を奪還したのか?」


「それで膂力(りょりょく)があるうちに。アヴァロンをユーウェイン領へ向かわせ‥‥‥‥」


「暴れさせる気か!!あの巨大な魔力の塊を?!!めちゃくちゃだな!おい!」


「だけど!セツナ!これで」


「あぁ、アグラヴェイル卿は此方に下った。ベディヴィア卿とその軍も‥‥‥魔力反応が少ない。多分、大量に死んでる。‥‥‥ユーウェイン卿は」



その頃、ユーウェイン領地内


ユーウェイン領・都市『メルクス』


「ユーウェイン様。そろそろ、ご決断の時では?」


「うん!分かってるよ!分かってるけど!‥‥‥恩義あるアーサー王やモルガン様に楯突くなど」


「そうしなければ、我々、ユーウェイン領の民や兵士が殺されます」


「‥‥‥うん!‥‥‥それでは、俺達はこれから、『ペレアスの湖』に駐屯している。ランスロット卿とモードレッド卿の軍に合流する」


「緊急!緊急!」


「貴様!ユーウェイン様が今、大事な」


よせ!マルカ!それで、いったい何の報告だい?」


「は、はい!北東の方角からいきなり。強大な竜が現れ!」


「ん?強大な竜?なんだそれは」


「えっと!それは!!」


「キシャアアアア!!!!!」


「「!!!!!」」


『メルクス』の都市に大きな咆哮が響き渡る。


「な、なんだ?あの巨大な魔力を持った竜は?」


「ば、化物か?」


「キシャアアアア!!!!!」


各々の反応が終わった瞬間。都市『メルクス』は火の海にその姿を変えた。


『月の谷』ログハウス内


「また、魔力反応の消失が大量に‥‥‥やはり、ユーウェイン領か‥‥‥メリュジーヌ卿を怒らせると本当にヤバイな‥‥‥」


「えぇ、昔から自身の住む国『妖精国』に対して不利益をもたらす者が入れば、容赦なく制裁を加える方でしたから」


「まさか、メリュジーヌ卿。1人でここまで戦局を変えるとは思わなかったよ。だが、これでユーウェイン領は機能を失ったな。残りはランスロット卿、モードレッド卿、ペリノア卿だけか」


「ランスロット卿とモードレッド卿は中央地帯の『キャメロット城』の南側。『ペレアスの湖』に自身の軍といます。その軍にもう少して合流しようとしているのがペリノア卿の軍です」


「ぺリノア卿‥‥‥アーサー・ペンドラゴンと肩を並べた王か‥‥‥」


「セツナ?」


心配そうに俺の顔を見るアルディス。


「いや、何でも‥アーサー」


その瞬間。ドカアアアアアン!!!!


「うわあ!」「きゃあ!」「痛い!」


ログハウスが何かの衝撃で激しく揺れた。



「な、なんだ?おい!」


俺は急いでログハウスの外へと出た。


「痛たた!す、すみません!急いでいたもので!貴方は‥‥‥我が主の契約者。電撃君殿で?」


「ん?我が主?あぁ、君、メリュジーヌ卿の」


「はい!『赤竜・レッドドラゴン』と申します。今後ともよろしくお願いいたします」


「おぉ、これはご丁寧ね!どうも」


「いえいえ、それよりも、電撃君殿!此方の箱にパーシヴァル卿はいらっしゃいますか?」


「ん?うん!中に入るよ!」


「なるほど!では、電撃君殿は我が背中に」


「君の背中に?」


ちょこんとレッドドラゴンに()ままれそのまま、レッドドラゴンの背中に乗せられ。


「では、急ぎますので!しがみついていてください。電撃殿!!行きます!」


「行きます!」


ログハウスはレッドドラゴンがガシッと掴んでいる。


どこおおあおおんんんん!!!


マッハのスピードで空へと飛び立つレッドドラゴン。


「ぎゃ、ぎゃああああ!!お、落ちる!落ちる!!」


「はい?気持ち良いですかな?」


「ちげえよれ落ちんだよ!」


「ハッハッハ!スピード!それは美学ですからな!」


「人の話ちゃんと聞けよーーー!!」


「きゃあ!!!!」「ギャあ!オロオロオロオロ」


ログハウスの中も地獄絵図のようだ。


パーシヴァル領『ロンギヌの丘』


「お、来たね!」


「えっ?早すぎない?」


ドガアアアアア!!!


凄まじい砂塵と砂煙が舞う。


「早かったね!レッド!」


「はい!アグラヴェイン領で凄まじい。魔力反応を感知しましたのでスピードを持って対応しました」


こ、こいつ!メチャクチャ爽やかな顔してやがる。


「セ、セツナ!僕、は、吐きそう」


「わ、私もです。オロオロオロオロオロオロ」


「ア、アルディス!大丈夫か?!」


「う、うん!ありがとう」


「私は?ナルカミさん?」


俺はアルディスの身体を支え優しく介抱する。パーシヴァル卿は地面に何かを撒き散らす。


「わ、私の扱いが雑に。それに、なんだか最近、アルディスさんにたいして。ナルカミさんは甘いような?」


「まぁ、男友達だからな!仲良くもなる」


「うっぷ!そうそう!スリスリ」


ムニュムニュとアルディスの豊満な胸が当たる。


「いやいや、金髪ロングのエルフ耳巨乳男装美少女が何いっているんですか?アルディスさんならこのエウロペ大陸中から男達がわんさか集まってきますよ」


「五月蝿いな」


最近、この三人のやり取りはこんな感じ完成しつつある。


「ねぇ、なんなのコイツら?フローレンス!」


此方(こなた)の仲間達」


「‥‥‥うわぁ」


「そんな、事より。早く、ご主人様に解呪してもらおうベディヴィア」


「本当にできるの?」


「できるよ!ご主人様!!」


俺はメリュジーヌ卿に呼ばれ。事の事情を詳しく聞いた。


「成る程、直ぐやります。」


「マジ?」


「‥‥‥求む。我は七聖より洗礼を受けし者なり。かの者は道を防がれし者、我はかの者を救いを強く望む。‥‥‥解放せよ!聖魔法『(ばんら)いの聖刻印』」


俺がそう唱え終えると。ベディヴィア卿のお腹らへんが白く光る。


「キ、キシャア!!」


「ん?怨念の類いか?ふーん!呪沮返し、呪沮返しと人を呪ってばっかりいるとやり返されますよと!聖魔法『反転のセキロ』」


「キギャキキキ!キャアアア!!」


辺り一面に女性の叫び声が響き渡った。


「嘘?本当に治った?私のお腹?マジ?」


「うん!うん!良かったね!ベディヴィア!」


メリュジーヌ卿はそう言うとベディヴィア卿に抱きつく。


「あれ?!嘘、私、治って!‥‥‥死ぬほど痛かったのに今は普通に動ける‥‥‥あれ?何で涙?」


スゥーーウ!とベディヴィア卿の目から涙が流れ落ちる。


「あれ?何でだろう?嬉しいのに涙?あれ」


「うん!良かったよ!ベディヴィア!」


「フローレンス!‥‥‥‥うん!うん!‥‥‥フローレンス!うえ~~ーん!」


メリュジーヌに抱きつき。大量の涙を流すベディヴィアだった。


パーシヴァル領・奪還戦





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