幻創決戦・〖國終りて、甦生しは勇ある者〗No.22 妖騎士と蛮勇に爆発を
サーシャ幼少期〖ブルータス・ガグラス軍校〗
「‥‥‥‥お爺ちゃん」
「おぉ!サーシャ!!どうしたんだ?こんな男しかおらんこんな場所に?確か今の時間は貴族学校に‥‥‥」
「‥‥‥‥ガリア人のくせにお前は魔法が使えて可笑しな奴だって皆に言われた」
「何?貴族のボンボン共にか?ならば後で陛下に頼んで弾圧してやろう。今からガグラス部隊を‥‥」
「‥‥‥‥そんなのいらない。物騒な事は駄目。お爺ちゃん」
「いやいや。俺の孫を侮辱したんだそれ相応の罰をだな」
「‥‥‥‥そんな事より、魔法の事をもっと知りたい。教えて」
「いや、俺も魔法は使えんぞ。屈強な肉体はあるがな。ムッ!どうだ?サーシャ。良い筋肉だろう?」
「‥‥‥‥興味ない」
「‥‥‥‥そうか‥‥‥筋肉に興味ないか」
「うん」
「‥‥‥‥その素直に言うところ、本当にお前の母、ルーシャそっくりだな」
「‥‥‥うん。嬉しい」
「‥‥‥魔法‥‥‥魔法か。魔法。魔法とまぁ、純粋なガリア人は一部の例外を除いて魔法が苦手だからな。魔法関係で俺の知り合いとなると‥‥‥〖魔術院〗のアルベド教授位か」
「‥‥‥アルベト教授?」
「あぁ、ガリアの新技術〖魔武器〗の考案者の代理とかでうちの軍校にやって来てな。それで仲良くなったんだがな‥‥‥‥頼んでみるか」
「‥‥‥‥‥おぉ‥‥‥ありがたい」
それから一年後〖ブルータス・ガグラス軍校〗
ドガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアンン!!!!!!!!!!!!
「なんだこの大規模の爆発はぁ?!!!!!!サーシャ。〖魔術〗で何があった?」
「‥‥‥‥‥どう?お爺ちゃん。サーシャの魔法凄い?」
「‥‥‥‥あぁ、サーシャは魔法の天才だと分かった」
「‥‥‥えっへん」
この時の俺は孫娘の力の大きさに震え、この孫娘がガリア帝国のモノにならずに済んで本当に良かったと思う。こんな歪んだ国など居ても、ろくな未来しかない国に居ても貴族共の餌食になっていただろうからな。
▽▽▽▽▽
〖ラ・テール地区〗
「サーシャのお爺様。いえ、バルバッハ殿。貴方のお孫さんは全てが完璧だ。性格、愛らしいさ、強さ、全てか完璧だ。だから私はサーシャが愛おしい!!ガリア妖剣術〖半魔の幻剣〗」
「黙れ!貴様!!気持ち悪いわ。ガリア鉄球術〖風碼球〗」
ガリア帝国が誇る〖六騎士第四席《蛮勇の騎士・バルバッハ・ブルータス・ガグラス》〗ががもっとも特とする戦闘方法は遠距離である。その比類なき剛力から繰り出される遠距離攻撃は都市の建物をいとも容易く破壊し、瓦礫へと変える。一握りのガリア人が到達する身体強化の極地〖触悟〗の力を宿した騎士がバルバッハである。そして、この〖触悟〗の力は武器に纏わせ、一般のガリア兵士とは違った戦闘方法を可能とする。
「どうした?防ぐだけで手一杯か?色男!!ガリア鉄球術〖雷霆球〗」
ドゴオオオンン!!!
「なんのっ!ガリア妖剣術〖妖魔の幻影〗ラ・テールの都市部を瓦礫の山に変えるとな‥‥‥‥私も先ほどまではあの様なバルバッハ殿の様な感じだったとはな‥‥‥ん?私の鎧の隙間に何か引っ掛かっている?‥‥‥《〖ブルータス・ガグラス軍校〗の演習場にお爺ちゃんと一緒に来て、会いたい。サーシャ。いや》‥‥‥‥何と?!‥‥‥‥サーシャが私に愛の手紙を!ならば急がなければな!!アルケル!!行くぞ!!」
「何?誰か入るのか?」
「たく。わざわざ気配を殺して瓦礫の下に隠れていたのに‥‥‥ガラハント!このタイミングで良いんだな?!」
「あぁ、おもいっきりやってくれ、後は私が何とかしよう」
「‥‥‥‥バルバッハ殿。申し訳ないが数秒間拘束させてもらいます。これ以上の首都の破壊行為は流石に見過ごせませんので‥‥‥ガリア剣術極・〖迫撃の廊舞〗」
「何だ?貴様は突然、瓦礫の中から現れて‥‥‥身動きが取れな‥‥‥」
「良いぞ。アルケル‥‥‥ではそのままサーシャが待つ元へと一緒に飛びましょう。義お爺様。ガリア妖剣術・妖‥‥‥‥〖我が栄光幻想〗」
「なっ?貴様、いつの間にか俺との場所の差を詰め‥‥‥‥ゴアああ?!」
〖六騎士第二席《妖騎士・ランスロット・ガラハント》〗の最も得意とする戦闘方法は近接白兵戦である。そんな彼が零地点から放つ妖剣の一太刀は一瞬だけだが、ガリア最強の騎士、《白劍の騎士・ウェルキン・ゲトリクス・アルウェルニ》を越えると言われている。
「アルケル!!先に行っているぞ!!ハァッ!!」
「‥‥‥先に行っている?いや待て!!ガラハント!!作戦を聴いていなかったのか?バルバッハ殿を飛ばしたら我々は此処で‥‥‥行ってしまった。馬鹿なのか?巻き込まれるぞ。ガラハント」
〖ブルータス・ガグラス軍校・演習場〗
「あそこだ!居たぞ!捕まえろ!」「そうだ。バルバッハ様の為に!」「可笑しな奴等を捕らえろ」「急げ!急げ!!」
「シュニャアアア!!!どんどん集まって来るニャア。もう殆どの変ニャ魔力を持ったニャツラが来たんじゃニャイカ?この〖魔呼びのお香〗とか言う、魔道具凄いニャア。サーシャ」
「‥‥‥‥うん。兄弟子のコレクションから頂いてきた」
「ニャア!!マジかニャア。後でお仕置きされニャイカ?」
「‥‥‥‥大丈夫。その前に〖魔術院〗に逃げ込めば私の勝ち‥‥‥それと準備終った。後は詠唱するだけ‥‥‥後は撃つだけ」
「相変わらず。魔法の展開がめちゃくちゃ早いニャア。サーシャは‥‥‥‥とか言っている間に何かあっちの空から飛んで来たニャア」
「‥‥‥‥始める。この莫大たる私の魔力を破裂の業火へと変える、燃えるは私の膨れ上がる火の黒煙、燃え、爆ぜ、焼失せよ〖魔の者達〗‥‥‥火魔法神代・回帰〖火神消滅〗」
真の現代魔法を極めた者には恩恵が起こる事がある。神話魔法の〖具現化〗。神代魔法の〖色彩〗。神明魔法の〖言詞〗。三つの魔法のうちの何れかの恩恵が起こる。魔女見習いリーナ・サーシャの場合は、神明魔法〖火属性〗の力を七聖―女神―フレイヤ神から恩恵を授かる。
それにより生じるは―女神―の力による〖魔の者〗達の焼失。
「グオォォ!!くそ!!あのアルケルとか言う奴の謎の剣技で身動きができん。ん?何だ?あの炎の柱は?‥‥‥‥俺に向かって‥‥‥‥来るだと?‥‥‥‥いや、それ以前にこの炎には七聖―女神―の力が宿って‥‥‥こんなモノを喰らえば俺達は一発で終わあぁぁぁ!!!身体ではない?!こ、心が燃やされ?!!こんな‥‥‥馬鹿な俺は‥‥‥この身体で新たなる地位に着く‥‥‥んだぞ!アアアアアアア?!!」
シュン‥‥‥‥ボッ!
「ニャア‥‥‥凄い光景ニャア。ミンニャ、身体は燃えてないのに黒い煙りがいっぱい出てるニャア」
「‥‥‥‥うん。あれが魔の者の正」
「おーい!!サーシャ!!!やっと会えたね!!さぁ、全てが終わったらこの私と‥‥‥」
「あれもそういえば〖魔の者〗に身体を乗っ取られてたニャア。念の為、燃やしとけニャア。サーシャ」
「‥‥‥‥うん。直ぐやる。〖焼印〗」
「今、行くから待って‥‥てっ?!何だこの炎は?‥‥‥‥身体は何ともないのに心の何かが燃えている?‥‥‥おや?目の前が真っ暗にな‥‥‥ていく?‥‥‥」ドサッ!
「あー、やっぱり倒れたニャア?ロリスロットは相変わらず、セツニャいわくの高火力、高燃費ニャア」
「‥‥‥‥でもランスが来てくれて良かった。お爺ちゃんを止められたから‥‥‥ありがとう。私の騎士ランスロット‥‥‥‥これからも私を守って‥‥何て言ってみたり‥‥」
「ニャアー、サーシャ。それはロリスロットが起きてる時に言ってやれニャア」
「‥‥‥‥イヤだ。恥ずかしい‥‥‥フフフ‥‥‥それにまだこの気持ちはランスには内緒だから」
「‥‥‥‥ニャンか羨ましいニャア。わっちにも早く素敵な王子様が現れないかニャア‥‥‥ニャンてニャア。ヒスイは今頃何してるかニャア‥‥‥」
ブルータス・ガグラス軍校・演習場では極炎が暴れ、〖ラ・テール地区〗に居た全ての魔が断末魔を上げて黒煙となり、焼失したと軍事記録には残されている。