幻創決戦・〖國終りて、甦生しは勇ある者〗No.21 《蛮勇の騎士・バルバッハ・ブルータス・ガグラス》
中流階級の〖ラ・テール地区〗
「ダハハハ!!そらそろっ!次々にいくぞっ!小娘っ!ガリア鉄球術・〖極琰球〗」
「‥‥‥‥くぅ‥‥‥速い‥‥‥風魔法〖風移〗」
透明な鉄球がサーシャ、目掛けて飛んでくる。ガリア帝国のギルカル山で採掘され、ガリア帝国でもっとも頑丈と言われる、ギルカ鉱石でできた鉄球が飛んで来る。
このギルカ鉱石は別名〖魔吸収石〗とも言われ、ガリア帝国軍が他国の魔法使いと戦う時に重宝する武器として加工される事が多く、ギルカ鉱石産の加工武器を持つガリア兵士を相手にする際は注意が必要とされ、〖魔法使いが近接戦や中距戦を得意とする戦士と戦う時に注意して戦うか逃げるべき〗というのがガリア帝国隣国の習わしになっている。
「クソッ!!!ガリア球術〖盾銅〗!!‥‥‥バルバッハ様。お辞め下さいっ!貴方が今、攻撃していのは貴方が大切にしておられるサーシャ様ですぞ。それにこの弟子のカルバストをお忘れですか?」
「‥‥‥‥カルバスト無駄‥‥‥‥お爺ちゃんは中に居る変なのに操られてるからそれを倒さないと意識が戻らない‥‥‥」
「それでもです。それでも何故、あの方はサーシャ様を執拗に攻撃されている。あれ程に貴女を大切にされている我が師がです」
「‥‥‥相手も、そろそろ焦りだしてるから仕方ない‥‥‥でも何で、カルバストや他のガリア兵は〖異界〗の狭間で浮いてたの?〖不思議の国〗が崩壊する時に皆助けて連れて来たけど」
(‥‥‥‥〖異界〗が崩壊していく?ガラ先生と仲良し兄妹とはぐれ。ティターニアは‥‥‥解放されてる?‥‥‥良かった‥‥‥それと〖異界〗の歪みにガリアの鎧を着た‥‥‥兵士?)
(‥‥‥‥此処は何処なんだ?自分達はどうなるのだ?)
(‥‥‥あれは行方不明中とか魔法新聞に書いてあったカルバスト?‥‥‥何でこんな場所に‥‥‥とりあえず助けないと‥‥‥後は兄弟子が拾ってくれる筈‥‥‥)
「おぉ、あの時は感謝しています‥‥‥‥数日前にあったフレイヤ三国との戦いのおりにさ迷い入ってしまったのです。記憶は曖昧ですがな」
「‥‥‥‥さ迷い歩いた?何‥‥‥それ?」
「いやーっ、自分でも良く分かりませんが、今は恩人たるサーシャ様と共にこの可笑しな事態‥‥‥バルバッハ様とその腹心であるガリア近衛兵を無力化しなければなりませんな」
「‥‥‥‥うん。だから皆は頑張って他を抑えていて‥‥‥お願い」
「「「「「「ウオオオオオオオ!!!!!俺達の命の恩人にして魔女っ娘様!!!!!お任せく下さいー!!!!!」」」」」」
ドガアアアンンン!!!
「ギャアアアアア!!!!」「鉄球の攻撃?!てっ!バルバッハ師匠だぞっ!に、逃げろっ!」「その後は合流して反乱分子を倒してくぞっ!」「おうっ!」「何が近衛兵部隊だ。俺達の後釜の分際でっ!」
「‥‥‥‥黙れお前達。あの娘に変な色目を使いやがって‥‥‥てっ‥‥‥何故、今、俺は魔法使いの娘を狙わず。ただの兵士を狙った?」
「‥‥‥‥お爺ちゃんが皆に攻撃してる‥‥‥それに何で皆、元気なの?」
「まぁ、彼等はバルバッハ様が創立した軍事学校の卒業生。自分も含めて一人一人が精鋭ですからな。そして、ガリア帝国では勇者パーティーのメンバーの皆さんは人気ですからね。特にガリアの血筋を持ち、魔法が上手く使えないとされていたサーシャ様が魔法の名門〖魔術院〗の主席ともなれば、ガリア帝国の民は誇らしくなるのです。バルバッハ様もサーシャ様の魔法新聞での記事を見つける旅に喜んでおりましたよ」
「‥‥‥‥それで今は全力で攻撃されているのが悲しみ‥‥‥お爺ちゃんが持つあの〖ギルカ鉱石〗の鉄球は本当に厄介‥‥‥‥いっそ〖神代・回帰〗でここら辺いったい事、みんな吹き飛ばした方が手っ取り早いけど‥‥‥‥」
「そこに居たか?!小娘!!!喰らえ!!!ガリア鉄球術〖極粹球〗」
「‥‥‥‥今度は水魔法を帯びた鉄球‥‥‥‥ガリアの魔武器〖五属鉄球〗‥‥‥まさかお爺ちゃんが使っているなんて、兄弟子の技術が流失してる?」
「防ぎますっ!!ガリア球術〖張冷銅〗」
ガキンッ!!!!!
「‥‥‥‥おのれ、あの小娘の隣の鎧男‥‥‥また俺の攻撃を防ぐとは‥‥‥やりおる」
「‥‥‥‥んー‥‥‥‥やっぱり全部吹き飛ばすのが一番かも‥‥‥それに此処の近くには大規模演習場があるからそこに誘い込んで‥‥‥‥でも大詠唱の準備中は無防備に‥‥‥‥」
その時だった、その時、首都の南側からサーシャのかつての仲間達がやって来たのは。
ドバアアアンン!!!!
「シュニャアアアア!!!!着いたニャア!!!久しぶりのデトクリスニャア!!!」
「首都・テトクリスだっ!セシリアいい加減覚えたまえよ」
「黙れニャア!!ロリスロット。オニャエが此処にあのロリっ娘が居るとか言うから急いで来たのにニャア!!!」
「いや、確かに居るのだ。私のサーシャが」
「何が私のサーシャ。相変わらず気持ち悪のニャア!!!」
「そっちこそ何が気持ち悪いだ。アホ猫。私は常に真剣でだな」
「ランスロット殿。貴方、今、私のアインズ様をアホ猫ですと?」
「ウゥゥ、気持ち悪いです。兄様」
「確りしろ。グレーテ‥‥‥」
「‥‥‥‥何だ?ランスロット南部軍団長と科学班のアクスレナル殿に‥‥‥巨体な猫?」
「‥‥‥‥そう。強い援軍‥‥‥ランスッ!セシリア姉。こっちこっちっ!」
「ニャア!!!ロリっ娘。無事だったニャア!!‥‥‥てっ!何処に行くニャア!!ロリスロット!!オニャエ、まだ動ける身体じゃニャイゾ」
スタンッ!
「待たせてしまって済まなかった。サーシャ。無事で良かった」
「‥‥‥‥そう。じゃあ、ランスはあの私のお爺ちゃんの相手をお願い」
「サーシャのお爺ちゃん?‥‥‥‥いや、あれは蛮勇の騎士バルバッハ殿だぞ」
「‥‥‥うん。それが私のお爺ちゃん。お爺ちゃんに勝てたら、一緒に遊びにいってあげるから頑張って」
「了解したっ!さぁ、闘いましょう!!義お爺様!!参る!!」
「‥‥‥‥何だ?貴様。無償に腹が立つ奴が来たな」
「‥‥‥ニャア‥‥‥ロリスロットの奴、行っちゃったな」
「‥‥‥よいしょっと。セシリア姉‥‥‥‥耳貸して‥‥‥」
「アッ!ニャニ勝手に乗ってきてるニャア?!サーシャ‥‥‥てっ!何ニャア?‥‥‥‥纏めてニャア?‥‥‥‥一ヵ所に集めて更地に?‥‥‥‥ニョホホホホ!!!どっちもニャア?‥‥‥それは良い考えダニャゾ」
「‥‥‥行ける?」
「任せとくニャア。他の近衛兵の精鋭も誘き寄せてやるニャヨ‥‥‥皆、確り捕まってるニャアゾ!!!ウニャアアア!!!」
「‥‥‥‥カルバストも一緒に来て‥‥‥此処に居たら巻き込まれるから‥‥‥水魔法〖水真桑〗」
「うおぉ?!!!サーシャ様この者達はいったい?そして、何処に行かれるのですか?サーシャ様?!!!!」