幻創決戦・〖國終りて、甦生しは勇ある者〗No.18 巨獣乱武
〖異界・不思議の国〗が消滅して数時間が経過していた。その間にもガリア帝国国内で様々な戦いが繰り広げらている中、〖不思議の森〗近辺のガリア帝国領の上空。スリアの地でも、激しい激闘が行われていた。
『スリアの地』新アルウェルニ軍
「くそっ!身体は動く様になってきたが、何なんだ?!あの赤い化物は?!!突然現れて暴れ始めやがってっ!」
「あ、あの怪物って‥‥‥フレイヤ地方に度々現れた赤き巨獣だよな?‥‥‥何でこんなガリア帝国の辺境に現れるんだよ」
「ゴラアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!」
「「「「「ぎゃああああああああ!!!!!」」」」」
〖白梟と獣達の狩遊場〗
「フフフフフフフフフフフフフフフ‥‥‥。迷子の少年の左手にあった赤い鎌がいつの間にか消えてる‥‥‥‥使い捨てる予定の〖魔の者〗が入ったガリア兵と私の兵隊を良くも容赦なく攻撃されているわね。全滅させる気?〖妖媿の赤〗」
「アンタが連れてきた兵隊はな。ガリア兵は気絶させる程度の攻撃しかしない様に、ベヒーモスには伝えてあるんだよっ!!〖白梟の鉤爪〗」
バキンッ!!!!
「あの〖ベヒーモス〗の飼い主はバカ弟子だったの?‥‥‥‥全く。全部終わったら絶体説教してやるからね」
「それはお前達の命が終わったらということか?魔術師・マーリン。ガリア白劍流・〖白円舞〗」
「おっとっ!いきなり何をするんだい?ウェルキン・ゲトリクス・アルウェルニ!神明魔法〖白銀の盾〗」
〖ガリア帝国〗最強の騎士の白き剣激と〖魔術院〗の最高峰の魔術師の白銀の魔法が空中を舞う。
「‥‥‥マジか。あのマーリン先生と互角の撃ち合いを‥‥‥流石がウェルキン元帥だな」
「フフフフフフフフフフフフ‥‥‥余所見してんじゃないわよ!!!迷子の少年!!」
「たくっ!こっちはこっちで五月蝿いなっ!セクウィ。散らせっ!」
(了解だよ。主‥‥‥)
「(〖歪白梟な枝分霊〗)」
〖白梟の歪剣〗から白き不思議な枝葉が現れ、〖赤の女王〗に向かって行く。
「フフフフフフフフフ‥‥‥‥これは邪魔‥‥‥アテナの白梟の攻撃?!邪魔しないでくれるかしら?!」
「離れたか。ベヒーモスの方に〖赤の女王〗の軍が群がって来てるな‥‥‥叫べっ!ベヒーモス!!〖獣轟の咆哮〗」
俺が下で暴れるベヒーモスにそう告げると、ベヒーモスは反応する。孤軍奮闘する中、味方を得る為に咆哮を上げる。
「ゴルルルル‥‥‥‥ルオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
その咆哮は魔法大陸全土に響き渡り。ベヒーモスの咆哮に〖魅了〗され、呼応する獣系の魔獣が地方を超えて魔獣行軍を発生させる。
辛うじて意識を〖魅了〗されず耐えたのは、亜人種、獣人種、夢魔種、高位幻獣等の意識疎通が可能な者達のみ、それ以外の魔獣が〖不思議の森〗とスリアの地に向いやって来る。
ベヒーモスを助力しようと新たな戦力として、災害の様に行軍する。
〖ヘファイストス地方・モンスターズ・サンド〗
「ギャシャラアアア!!!」「グルアアア!!!」「ゴアアアア!!!」
〖ヘスティア地方・剣山〗
「シュアアアア!!!」「ルアアアアアア!!!」「ガアアアアア!!!」
〖ユグドラシル地方・スパイング山脈〗
「キシャアアアア!!!」「ギャオオオオオオ!!!」「シャアアアア!!!!!」
〖フレイヤ地方・赤霧の隠し谷〗
「┣┓┗┓┃┓┗┣(!!!ガリアに復讐を!!)」
「┳┓┃┗┣┗┓┳┣┃┗┳!!!(●セ●セ●セ●セ!!!フレイヤ様の契約獣をお助けしろ)」
「┗┓┃┣┗┃!!(滅びの時ヲオオオ!!)」
「イグニッション様‥‥‥‥野生化きらまだ戻らない者達が皆、北上していきます」
「‥‥‥‥彼等の好きにさせろ。ベヒーモスの咆哮が魔法大陸の全土に響いたなら‥‥‥‥彼等が行く終点は滅ぼされる事になる。彼等は無事に戻って来る」
「‥‥‥ハッ‥‥‥ですがそれではガリア帝国の西方はもう‥‥‥」
〖不思議の森〗上空
「フフフフフフフフフフフフ‥‥‥貴方、何をしたの?ねぇ?凄まじい数の魔獣が此処を目指して来てるじゃない?フフフフフフ‥‥‥何を余計な事をしたのよ?!」
「‥‥‥何を切れてるんだ?俺はアンタらがやった事と同じ事をしただけだぞ。女王様」
「あっ?同じ事?‥‥‥‥フフフフフフフフフ。意味が分からないわ」
「援軍を呼んだ。アンタ等がガリア帝国の住民の身体に〖魔の者〗を入れて味方にした様に、俺はベヒーモスに頼んで、〖魅了〗の力で魔獣達を従わせたのさ‥‥‥‥まぁ、アンタに仕えていた奴等も倒され初めてる様だけどな‥‥‥気づいてるか?ガリア人達の中にいた〖魔〗がだんだんと消滅し始めてるのに?」
「‥‥‥‥‥」
「俺との闘いで力を消耗してきたか?やり返してやるよ。女王‥‥‥外界の獣達の力をたらふく堪能させてやる」
「(ブチッ)‥‥‥‥フフフフフフフフフフフフフフフ!!!そんなもの私が全て殺してあげるわ。この赤黒のドレス衣装でねぇ!!フフフフフフフフフフフフフフフ」
「‥‥‥〖黒〗は俺からの借り物だろう?そろそろ返せよ。アリスの気持ちを返した様にな。借り物女王」
俺はそう言って赤の女王を挑発すると。
「‥‥‥‥フフフフフフフフフフフフ。あぁー、本当にムカつく迷子の少年‥‥‥ムカつく!ムカつく!ムカつく!ムカつく!ムカつく!!!大アルカナ‥‥‥〖豪傑〗‥‥‥」
「はっ?アンタ何をして‥‥‥がぁ?!!」
ドゴオオオオオンン!!!
赤の女王は俺が展開した〖白梟と獣達の狩遊場〗の壁にいきなり激突すると、そのまま、ガリア帝国の中心へと飛び始めた。
「‥‥‥なんつう〖力〗だ。これが‥‥‥本来の赤の女王の力かよっ!」
「ウワアァ!!何なんだい?この揺れは‥‥‥」
「我が女王様のお力だ‥‥‥」
「フフフフフフフフフ。この可笑しな空間ごと移動してあげるわよ。ガリア帝国の中心‥‥‥‥首都テトリクスにね。フフフフフフフフフ。さぁ、付いてきなさい。私の新スリアの軍。そして、首都には私の新しい精鋭達が待っている。ガリア帝国の全てを破壊するのよ‥‥‥フフフフフフフフフ‥‥アハハハハハハ!!!」
戦いの場は首都へと移る。赤の女王の〖力〗で強制的に変えられた〖不思議の森〗とスリアの地に残された赤の女王の大軍勢は消える。元ガリア兵以外の全ての〖異界〗兵は跋扈として集まる魔獣達に蹂躙され、息絶える事が此処に決まった。
‥‥‥‥この魔獣行軍はガリア帝国領土全体に及ぶ。