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幻創決戦・〖國終りて、甦生しは勇ある者〗No.17 割れ狂い知る


『ガリア・キテリクス工業区』の戦いは最初は苛烈を極めていた。だが時間の経過と共に戦況は変わる。

〖スノーホワイト〗の白き姫軍と〖ブラックハート〗の赤の女王軍の戦いに割って入ったガリア帝国特殊部隊〖リストリア〗。この部隊の登場により、白き姫の軍は優勢になり、赤の女王軍は劣勢の道を辿る事になる。


〖リストリア〗‥‥‥この部隊は皇族の血筋の中でも、その世代でもっと優れた者が指揮をガリア皇族直属の隊であり、《新皇の騎士・セレナ・ガリア・リストリア》はその隊長を任されている。


そして、ただ優れていだけでは、なる事はできず、性格、狂喜性、異常性が無い事が特殊部隊〖リストリア〗を率いる最大の条件とされる。


これにはちゃんとした理由があり、皇族の長き歴史の中でも三つの汚点とされる一つジル・ガリア皇族王子の〖シグアの娘〗殺害事件である。


神代のガリア帝国動乱期であった為、今となっては資料に乏しいが、時期皇帝を勝手に名乗るジル・ガリア皇族王子が、七聖―女神―アテナ神の眷属たる〖ロウトル・シグア〗の娘を無抵抗に殺したという悲惨な事件。


これにより、当時の〖六騎士(シス・シュバリエ)〗の長であった《アルダイン・マテリナル》は謀反を起こし逃亡。


ガリア帝国に多大な恩恵をもたらした七聖―女神―アテナ神の眷属〖ロウトル・シグア〗は行方不明になり、事件後、女神の怒りを買ってしまったガリア帝国は、領土全域の魔力残滓(まりょくざんし)が低下し。


その責任を取る形で皇族ジル・ガリア王子はガリア帝国西側にある〖エドモン流刑塔〗へと収容後、ガリア皇族初となる処刑が行われたという。


純粋なガリア人は魔法の行使が余計にこんなになったと記録されている。


その事件はガリア帝国によってあらゆる意味を持った転換期になる事件であった。


正しき心を持ったガリア皇族の育成。


ガリア皇族の闇の粛清。


六騎士(シス・シュバリエ)〗の絶体権限を与え、ガリア皇族が過ちを犯した場合。その場での処刑の許可。


希少種〖シグア〗及び、ガリア人以外の弾圧行為を全て禁止し、それらの行為を行った者はその場での処刑が行われる。


七聖―女神―アテナ神に対する絶体的な崇拝とその眷属の絶体優遇。


そして、その眷属であった〖ロウトル・シグア〗の血縁者の子孫及び関係者のガリア帝国での愛遇の確約。


それらが、皇族ジル・ガリア王子が起こした悲しき事件が発端となり定められたガリア帝国の新たな法として加えられた。


高潔や意思と優しき性格。それが有するガリア皇族ではないと、ガリア皇帝にすらなる資格は与えられないのだ。


そして、卵男爵(ハンプティダンプティ)となり、変わり果てたロウトル・シグアはこのガリア帝国の彼への謝罪と敬意を示す法を一切知らない‥‥‥‥



〖ガリア・キテリクス商業区〗


そして、卵男爵(ハンプティダンプティ)こと〖ロウトル・シグア〗とガリア皇族のアリス王女と姫騎士セレナの闘いは拮抗していた。


「ホホホホ!!!!現代のガリアの皇族共っ!お前達はあれなのだろう?忌まわしき狂気の皇族ジル・ガリアの血筋が入った汚れた血筋なんだろう?んー?神代魔法(白)〖博玉〗」


「はぁー?何で私達があんなガリアの汚点と。〖牛玉(カーダ)〗。セレナーッ!コイツにちゃんと説明してあげなさい。勇者様が言ってたけど。この卵男爵(ハンプティダンプティ)てっロウトル・シグアなんですってっ!転移迷宮の魔力残滓と〖ブラックハート〗で感じた魔力残滓が凄い似てるって言ってたのよ!!」


「‥‥‥‥この方が?卵男爵(ハンプティダンプティ)‥‥‥‥ではなく〖ロウトル・シグア〗様?その話は本当ですか?」


「ホホホホ!!!当たり前だろうっ!俺はこんな醜い姿になってでも、お前達ガリアの血筋に‥‥‥ジル・ガリアの血筋に復讐してやるんだよ。お前らの先祖のジル・ガリアになぁ!!」


「その方の血筋でしたら、神代の中期頃に他のガリア皇族派閥により、根絶やしにされました」


「‥‥‥‥何?」


「ですからジル・ガリア皇族派閥及び、その関係者は〖リクスの大粛清〗により、全て根絶やしなり、今は女性初のガリア皇帝となった〖リストリア〗女皇帝の血筋が主流になっております」


「は?‥‥‥‥〖リストリア〗?‥‥‥俺の娘と良く遊んでいた神官で保護していた皇族の()が?」


「〖リストリア〗様は‥‥‥幼少期。兄のジル・ガリア王子に命を狙われていたと記録されていますね」


「‥‥‥‥そうだ。だからそれを心配した―女神―アテナ様は、自身の神聖で守っているアテナ神殿にリストリアを匿って、神殿で保護していた‥‥‥‥はぁ?まさかあんな小さい娘だったリストリアがガリア帝国初の女皇帝で‥‥‥‥それが今のガリア皇族血筋の主流?‥‥‥知らない。俺はそんな事を全然知らない。知らされてない!!赤の女王に教えてもらってない!!」


「はぁ?アンタ。嘘つくんじゃないわよ。リストリア女皇帝の話なんて、神代中期からのガリアの歴史で皆、習う筈よ。前に〖異界〗に行った時も、迷い子のガリア人の人達はちゃんと知っていたもの」


「‥‥‥‥いや、そんな。俺は赤の女王に‥‥‥M・G・エレインに何も聞かされていない」


「‥‥‥‥ちょっとアンタ。それって‥‥‥」


「グリーンシュガーの仲の良いご兄妹はこう言っていましたね。〖赤の女王〗は数年前に突然現れたと‥‥‥〖異界〗には外から来た。つまり、魔法大陸(エウロペ)で一番の認知度を誇るガリア帝国を知らないわけありません。まして、その正体がスリアの〖魔の者〗‥‥‥‥ガリアの歴史を把握している筈です」


「‥‥‥‥‥だろうな。そうでなくてはガリア人を新スリア人にして、ガリア帝国をイカれたスリアの國に変えるなど言わんだろうな‥‥‥‥‥今さら〖赤の女王〗に騙されていたとは言わん。感謝もある。怒りもしない‥‥‥‥セレナとか言う皇族娘。ジル・ガリアが死んだ後にガリア帝国は変わったか?」


「‥‥‥‥ガリア法廷書です。簡易番の為、主要な部分しか書かれていませんが」


「十分だ‥‥‥読ませてもらう‥‥‥‥〖シグア〗及びそれ以外のガリア人による弾圧は処刑‥‥‥随分の重い罪だな。七聖―女神―アテナ神への崇拝及び国教と定める。ハハハ‥‥‥あの方も随分と崇められているとは‥‥‥皇族の再教育及び、性格に異常性の有る者は皇帝及び騎士から除外する‥‥‥あの時が原因なのか。あの皇帝陛下も思いきった事をしたものだな‥‥‥―女神―アテナ神の眷属に対する絶体的な愛遇か‥‥‥そうか現代の眷属は俺の様な立場にはならないで済んでいるのか。良かった‥‥‥セレナ姫。これは返す‥‥‥」


「はい‥‥‥真実は知れましたか?ロウトル・シグア様」


「あぁ、新たな目的もできた。もう行く」


「行くって!私達との闘いはどうするのよ?!」


「そんなものお前達達の勝ちでいいわ。狂った演技ももう終わりだ。それより、アリスとか言う皇族娘。現代のアテナ様の眷属は何処に居る?」


「何処に居るって‥‥‥ていうか、アンタその姿‥‥‥人に変わってない?」


「良いから早く答えてくれ。遅れるだろう」


「‥‥‥‥首都よ。ガリアの首都に彼は居るわ。〖不思議の森〗から強制的に移動させられたみたい」


「そうか。ならば先代のアテナ様の眷属として助力に行く。お前達もなるべく早く来い‥‥‥この場はもう。あの小人とセレナ姫の部下達で終わらせられるだろうからな。転移魔法〖零点の神威〗」


「‥‥‥これが転移魔法ですか」シュンッ!


「はい?いや、闘いはどうするのよ?‥‥‥何なの?この展開はぁ!!!」シュンッ!


卵男爵(ハンプティダンプティ)の憎悪の衝動の消失により、ガリア・キテリクスでの元神の眷属とガリア皇族達の戦いは突如として終わった。〖ロウトル・シグア〗がガリア皇族の真実を知った事で、ガリア帝国全土で起こっている戦いの決着は首都・テトリクスでの戦いを経て決まる事になる‥‥‥‥

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