パーシヴァル領・奪還戦 No.3 隻腕
パーシヴァル領『ロンギヌの丘』
「た、助けてくれ～！」
「ギャシャーーア！！」
「いやぁ！、いやーー！！」
「反逆に加わった、貴様達が悪い！」
「ぎゃあああ！！」
「『白石投』」
「くっ！反撃だ！反‥‥‥‥」
ぐしゃりっ！
『ロンギヌの丘』に駐屯していた。ベディヴィア軍はメリュジーヌ卿が召喚した３匹の竜達によって文字通り。鏖殺されている。
「‥‥‥‥‥‥」
「‥‥‥‥‥‥」
見つめ合う。メリュジーヌ卿とベディヴィア
「‥‥‥いやー！流石だよ！ベディヴィア！やっぱり君の強いね！」
「あっそう！こっちは自分にかけられた呪いを必死に解こうとしてるのに、あんたのせいで私の部下達が殺されて逝くのを何で見なくちゃいけないのよ！！！」
「‥‥‥‥‥じゃあ、反逆なんかに加担しなきゃ良かったんじゃないかな？」
「あんたは、円卓の騎士の枠の中でもサグラモールさんと同じ抑止力。それと違って私やユーウェイン、アグラヴェインなんかは、円卓上位連中に色々気をつかはないといけないのよ！ギャラハット、ガウェイン、トリスタン家の人達は気にしてないけどね」
「あぁ、あの三人は穏やかだからね。それとは違って」
「ランスロットをはじめとした強硬派の筆頭モードレッドや『ペレアスの湖』の管理を任されているペリノアは五月蝿いのよ！！」
「そうだね！特に君はあの件で南側の領地に左遷させられた君は」
「アイツらに良いように使われる小間使い領主よ。昔はペンドラゴン王家に使える筆頭執事だったのに‥‥‥‥」
「うぅぅ！可哀想に‥‥‥‥」
「全てはあんたが引き金よ！全く！‥‥‥‥」
ベディヴィア卿の雰囲気が変わる。
「ん？なんか、さっきとまるで違う殺気に変わったか？」
俺がそんなことを言うと。
「来るよ！蓬莱君。ベディヴィア卿の十八番。隻腕の青紫剣がね」
「あん？隻腕の青紫剣？なんだそりゃあ？」
「‥‥‥‥神代・回帰(紫青)『隻腕の剛健・藤』」
「あん？右腕が青紫色に光ってやがる！！」
「本来の神代・回帰は技の威力や能力を爆発的に増幅させるんだ。だけどベディヴィアの場合の神代・回帰の場合は‥‥‥‥」
「いくわよ！フローレンス！！！」
「あの左手に持つ剣に自身の魔力を一点集中させる。神代・回帰！！その威力はね！！！」
「悠長に喋ってんじゃないわよーーー！！！フローレンス！！！」
「南側諸、侯随一の速さと威力を乗せた神代・回帰。それが、ベディヴィア卿の『隻腕の剛健・青紫』！！くぅぅ！！」
スパン！！
俺の目の前でメリュジーヌ卿の右手が切られ。血飛沫が舞う。
「は、速えええ！！」
「‥‥‥くぅ！そう、凄く速いんだ！」
「呑気に会話してると死ぬわよ！フローレンス！！」
「君の言う通りだね。ベディヴィア！‥‥‥神代・回帰(赤白)『天の赤白龍・終点』そろそろ、終わらせようか！」
「フローレンスの神代・回帰‥‥‥奥義技？初めて見た」
「いくよ！ベディヴィア！その隻腕の剣、叩きおる！」
「ふん！やれるもんならやってみなさいよ！フローレンス！」
「うん！神代魔法(赤白)『赤白螺旋』！！！」
「神代魔法(青紫)『青紫一閃』！！！」
赤白の螺旋は黄金率で回りはじめ。
青紫の一点集中・『青紫一閃』は一筋の線を描く。
「これで終わりだよ！！！」
「それは、こっちのセリフよおおおお！！！」
キーーーン！！！
バリバリバリバリバリバリバリバリバリバリ
２人の衝撃の余波で『ロンギヌの谷』に激しい衝撃が走る。
「‥‥‥‥‥‥そ、そんな！私の『隻腕の剛健』が砕かれた？！」
「‥‥‥‥今回は、契約者がいる此方の方が強かったみたいだね！ベディヴィア」
「あんたに契約者？‥‥‥嘘？あんたを服従させられる奴がこの世にいるの？‥‥‥‥」
「うん！いるよ！それは、君のその呪いを解く人でもある。雷撃君さ！」
「ら、雷撃君？！いったいどんな‥‥‥‥」
「この『セルビア』国の窮地を救う。此方達の救世主さ！！」
メリュジーヌ卿はそう言いながらベディヴィア卿に右手を差し出す。
「勝負アリだね。ベディヴィア！」
その右手をベディヴィア卿は見つめ
「‥‥‥勝てるの？ランスロットやモードレッド、それに女王に？」
「負ける気がしないよ！」
ガシッ！と右手でメリュジーヌの手をベディヴィアは力強く握る。
「ならちゃんと証明しなさいよ！フローレンス！！」
「勿論さ！ベディヴィア卿！！！」
「ふん！あっそう！」
パーシヴァル領・奪還戦
勝者・メリュジーヌ・フローレンス卿
