幻創決戦・〖國終りて、甦生しは勇ある者〗No.12 妖騎士 VS 知将軍
〖ブルーグラス・ガリア軍事学校〗
「待てっ!何処まで行くつもりだっ!貴様っ!ガリア剣術〖応嵐〗」
「イヒヒヒ!!!!‥‥‥‥しつこく付きまとうなよ。万年二番手君。ガリア妖剣術〖幻想剣〗」
ランスロットが手に持つ〖泉の妖剣〗から白色の霧が発生し始め、アルケルを包んでいく。
ランスロット・ガラハントはエルフと妖精の国〖セルビア国〗の円卓の騎士・十二家〖ランスロット家〗の遠縁にあたる。
神代の頃は妖精族の特殊な力とガリア人の優れた身体能力により、ランスロット家は優れた軍人を多く輩出し、多くの武功をあげたという。
そして、その功績によりガリア帝国内では、上位貴族の地位を確立し、強い発言権を有していた。
だが時代が進むにつれ、ランスロット家の人族と妖精族の二つの血は世代が進む事に薄れていき、現代の今では没落しようとしていた。
そんな没落寸前にランスロット家に産まれたのが、ガラハントであった。彼は産まれながらにして妖精族の魔力が使え、通常のガリア人の兵隊を軽く凌駕する強靭な肉体を持って産まれてきたのである。
それはとある神の勘違いによる肉体への〖神代・回帰〗だった‥‥‥‥ランスロット・ガラハントは産まれながらにして、恵まれた力を有して産まれりその力を活用しながら数々の武功を上げ、没落寸前だったガリア帝国貴族〖ランスロット家〗を建て直したのだった。
「‥‥‥‥霧の剣。身体を奪われてもやる事は変わらん様だな。俺を惑わし、もやもやさせる男。〖ランスロット〗。さっさと起きろっ!起きて、俺とちゃんと闘えっ!ガラハント!!正気を取り戻せっ!」
ガキンッ!
「アヒヒヒ!!何で僕チンの幻想剣が防がれるんだい?何をしたんだい?二番手君」
「‥‥‥‥貴様。また、ランスロットの‥‥‥‥ガラハントの記憶を勝手に覗きこんだのか?個人の記憶を‥‥‥‥」
「イヒヒヒ!!!!肝心の本質の記憶は全く見せてくれないけどねぇ。覗き込めるのは軍学校の記憶しか見れないねぇ‥‥‥この身体は完全には、僕チンの支配に落ちていない様だね‥‥‥‥腹が立つ」
「そうか。それはとても良い事を聞いた‥‥‥では貴様を倒せばランスロットは‥‥‥‥ガラハントの奴はまた元通りに戻るのか。良かった」
「イヒヒヒ!!!!おいおいおいおーい。何を安心した顔をしているんだい?二番手のアルケルくーん。君じゃあ、僕チン(ランスロット)には絶対に勝てないよぉねぇ。だってこのガリア帝国内じゃあ、ずっと君は二番手で、僕チン(ランスロット)が一番だったもんねぇ!イヒヒヒヒ!!!!」
「そう‥‥‥それが俺にとってずっと苦痛だった。そして、俺にとってランスロット・ガラハントは越えるべき目標であり、軍学校からのライバルだと勝手に思っていた‥‥‥‥だがお前はランスロットではない‥‥‥ただの死にかけの〖魔の者〗。そんな奴に俺は負けないだろう」
「‥‥‥‥お前、ムカつくねぇ。まるであの少年を見ている様だよ。僕チンの前の身体を丸焦げにしたあの憎たらしい少年にねぇ」
「少年?‥‥‥‥あぁ、今の姿のカミナリ殿の事か‥‥‥あの方が憎たらしいとは可笑しな事を言うな。貴様は」
「‥‥‥‥何だと?」
「あの方は俺の両腕を治し、命を助けてくれただけでなく、新たな力も武器も与えてくれた。そして、あの方の考え、力、財、魔法を知れば知る程、驚かされるばかりなのだ‥‥‥‥あの方は本当に素晴らしい方‥‥‥‥俺の大切な友人であり、恩人だ。そんな方を憎たらしいなどと俺の前で言うとは‥‥‥‥消されても文句は言えんぞ」
「イヒヒヒヒ!!!!何を年下に妄信しているんだい?アルケルくーん。馬鹿だろうお前‥‥‥‥ガリア妖剣術〖不義理の幻想〗」
「オオォォォ!!!!」「アアァァァ!!!」「ウォオオオオ!!!」「グガアアァァ!!!」
〖ブルーグラス〗の各地に散る〖異界・不死議の國〗から現れ、倒された〖魔の者〗の残骸が黒き塊となって不気味猫の周りへと集まり、大群を成していく。
「イヒヒヒヒ!!!!喰ってやれ、怨念共」
「‥‥‥これがガリアの怨む者達の闇‥‥‥‥ガブリエル殿。貴女に教えて頂いた力使わせて頂きます。ガリア剣術・天〖綠天使の一刀〗」
アルケル・サイローの緑の一刀。それにより生じるは不気味猫が呼び出し、集め、攻撃の群れを一瞬で消失させた。
「イヒヒ‥‥‥‥僕チンの攻撃が一瞬で消された?!」
「貴様は〖神秘〗とやらを操るのだろう?ならば俺の〖神殺しの力〗というのが弱点となるらしい‥‥‥‥覚悟せよ。ガラハントに取り憑いた不気味猫よ」
「イヒヒヒヒ!!!!やなこった‥‥‥二番手君ガヨオオオウウ!!!」