幻創決戦・〖國終りて、甦生しは勇ある者〗No.11 サテュロスの末裔
〖大樹の書庫〗セシリア・アインズ幼少期
「いいか。セシリア。ワシ達は大英雄『サテュロス』の末裔だ。そして、このユグドラシル地方の要となる〖始まりの大森林〗を守護する戦士だ。だから、知識、魔法、神気を確りと身に付け、将来に備えなければ‥‥‥‥」
「ニャー、パパ。そんニャ事より。わっちは美味しい焼き菓子食べたいニャア。パパが此処に美味しいお菓子があるぞって言ったから来たニャゾ。なのに此処には本しかないのニャア」
「当たり前だろう。此処は森の賢者達が知識を学ぶ為の〖大樹の書庫〗。そんな場所に焼き菓子があると思っているのか?」
「ンニャア?!!わっちを騙したのかニャア?パパ。ブザケンニャア!!!焼き菓子寄越すのニャア!!」
「‥‥‥‥欲しければ勉強しろ。不真面目娘よ‥‥‥‥お前はワシと同じく、神話時代の獣族の祖たる〖サテュロス〗の血を色濃く継いでいるんだ」
「ニャー、また〖サテュロス〗ニャア?何が凄いのニャア?その祖先様はニャア?」
「‥‥‥‥だから、勉強して覚えろ。バカ娘よ‥‥‥‥〖サテュロス〗は知恵の獣であり、神獣化も行えた凄い方だったと言われている。その血がお前にもあるのだから、知恵の方だけでも身に付けろ。セシリア」
「ンニャア~!知恵は無理そうだから神獣化の方を身に付けるニャー、パパ。そっちの方が楽に身に付けれそうだしニャア~‥‥‥‥ニャア‥‥‥何でわっちの頭を持つのニャア?パパ‥‥‥‥や、止めるニャアアアア!!!!空中のアイアンクローは駄目なのニャアアアア!!!!」
「ならば〖獣族の神話書〗から勉強を始めるぞ‥‥‥‥たく。頭は良いはずだというのに怠け癖を身に付けるとは誰に似たやら‥‥‥‥その不真面目叩き直してやろう。バカ娘!!」
「ギニャアアアア!!!ゴメンニャサイ。パパ!!べ、勉強するからアイアンクローは駄目なのニャア!!!!」
◇◇◇◇◇
『ブルーグラス都市北部・ガリア軍事館』
「あの猫娘を休ませるなっ!隙を与えれば。こちらが全滅する羽目になるぞっ!!!」
〖黄金魔獅・バルバルガ〗
「ムリ、ムリ、ムリ、ムリ♪ムリです。バルバルガ様♢」
「近づくだけで切り刻まれるよぉ♡」
「大きすぎて、速すぎて、近づけないよぉ♧」
「そうそうそうそう。トランプの兵隊が紙屑に♤」
「ルアアアアアア!!!!風魔法〖大万風蘭〗」
「「「「ギャアアア!!!!!」」」」
「‥‥‥‥〖赤き女王〗様の兵隊がこうも容易く、新スリア人の兵共。突撃しろっ!あの猫娘は外界側の者、元ガリア人あるコイツ等に攻撃する事に躊躇する筈、その一瞬隙をついて、猫娘に止めを‥‥‥‥」
「ケヒヒーー!!!」「あぁぁあ!!!」「身体が勝手に!!!」「もうゆるじでぇぇグダザイ!!!」
「邪魔‥‥‥だニャア!!!〖風天放〗」
「「「「グギャアアア?!!!!!」」」」
「何の躊躇いもなく吹き飛ばした?外界の者同士ではないのか?‥‥‥‥外界の奴等は仲間意識すら持たないのか?」
〖セシリアの背中の上〗
「‥‥‥ヘンゼ兄様。この猫娘さんとてもお強いです」
「グレーテ‥‥‥何、目を輝かせてるだ。アスクレナルとセレナとは離れ離れになってしまったんだぞ。それにまさかあんな場面に遭遇するなんて思っても見なかったよ」
▽▽▽▽▽
〖ブラックハート・鏡の街〗
「ウニャア!!準備できたニャア。ヤルニャ、ヤルニャア。危ないから少し離れてるニャア。アホセニャル」
「はい。私の未来の妻よ」
「誰が妻だニャア。アホセニャル!!‥‥‥いくニャア!!〖サテュロス〗の力の一部を此処に‥‥‥‥神獣・回帰‥‥‥‥〖風の神話猫〗」
「あっ!彼処に居た。おーい。アスクレナル。探したんだぞ‥‥‥てっ!何だ?!不気味猫の奴より大きぞっ!」
「セレナ様はご無事なんですか?‥‥‥大きな猫?」
「‥‥‥セシリア様‥‥‥その姿は?」
「ルアアアアアア!!!!〖神獣・回帰〗ニャア。初めてニャッタけど上手くいったニャア」
「う、美しいお姿です。セシリア様。何と神々しい‥‥‥ん?何だが空が暗く」
「ガルルル!!!!〖異界〗が終わるからな。俺達はそれを待っていた。そして、お前達も此処で終らせてやろう。去らば、神代魔法(黒)〖獅子奮迅〗」
「ニャア‥‥‥わっちがアホセニャルと話してるのに邪魔すのかニャア?‥‥‥‥ムカつくニャア。〖風烈〗」
セシリアが軽く放った風魔法〖風烈〗がバルバルガの右目に直撃する。
「ガァ?!何だ?その強者の一撃は‥‥‥」バタッ!
「‥‥‥‥〖赤の女王〗の配下を一撃で倒れ込ました?」
「まぁ、お強い猫さんですね。ヘンゼ兄様」
「技まで素敵とは‥‥‥さすがです。セシリア様」
「‥‥‥‥‥そんな事より、おニャア等。全員、わっちの背中に急いで乗るのニャア‥‥‥‥この世界が閉じるニャア。不味いのニャア‥‥‥‥」
▽▽▽▽▽
「セシリアさんに乗せられて、変な孤島に飛ばされたと思えば、次は外界に直ぐに飛んだしな」
「まるで夢でも見ている様ですね。兄様」
「ルアアアアアア!!!!!全然、疲れないニャア!!!〖契約の輪〗からセツナの魔力がメチャクチャ流れて来るニャア!!!最高にハイッになっちゃうニャアアアア!!!」
「‥‥‥‥‥数千の〖赤の女王〗軍を相手に行一つ切らせないだと?‥‥‥‥ふざけるなよっ!たかだか、猫風情の分際で。俺の本気の力を喰らわせる‥‥‥神代魔法(黒)〖獅子の苅尾〗」
黄金魔獅・バルバルガが被る王冠が巨大化し、セシリアへと襲いかかる。
「ニャア‥‥‥‥ニャンか飛んできたニャア。返してヤルニャよ。風魔法〖風拳〗‥‥‥‥」
バルバルガの直ぐ近くで、そよ風が起こり、そして‥‥‥‥
「ガアァァァア?!俺の王冠が押し返される?!そして、俺の体内で‥‥‥‥風で筋が切り刻まれる‥‥‥アァァアァァア!!!‥‥‥勘違いしていた。奴と俺の実力差を‥‥‥‥こんな‥‥‥‥本物の化物が俺の前に現れるなんて、聴いていませんでしたぞ。〖赤の女王〗様‥‥‥‥」
スパンッ!!!!
「黄金魔獅の身体が内側から弾け飛んだ?」
「‥‥‥‥兄様。私、吐きそうに‥‥‥‥うぅぅ‥‥‥‥」
「威勢だけのただの獣だったニャア‥‥‥‥ニャア?!そのまま残りの兵隊を殲滅するニャア?‥‥‥‥ニャア‥‥‥‥ニャア?!ランスロが此処に居るのニャア」
「何だ。誰と会話してるだ?」
「オロロロ。兄様。私、暫く横になってますね‥‥‥‥それと多分、セシリアさんと言い方は念話で誰かと話してるんですよ‥‥‥‥オロロロ」
「ニャア。分かったニャア。アホセニャルとランスロを回収したら。中央に行けば良いのニャアネ‥‥‥了解したニャア。セツナ」
セシリアはそう言うとランスロット‥‥‥‥‥ではなくランスロットの身体を乗っ取った不気味猫の元へと向かい始めたのだった。