幻創決戦・〖國終りて、甦生しは勇ある者〗No.8 三つ巴の争い
〖ブルーグラス〗はガリア帝国南部に位置し、ガリア帝国副首都とした大都市である。
アテナ地方とフレイヤ地方の境目に位置し、一定の時間になると暗雲立ち込め、数時間に渡る小雨を降らした後に虹がかかる虹の都とも言われている。
アテナ地方とフレイヤ地方、二つの文化が入り交じる独特な都市文化を築き上げてきた。そして、この副首都にはガリア帝国の軍事施設が存在し、ガリア帝国南部の重要軍事都市としての側面を持ち合わせている。
だが、この〖ブルーグラス〗の都市も〖不死議の國〗との交ざりにより。〖ブラックハートの鏡の街〗と交ざり合い、可笑しな現象が起きていた。
ガリア帝国副首都『ブルーグラス』ガリア軍総司令部
「ランスロット様。アテナ地方側に住む〖ブルーグラス〗の住民は全てフレイヤ地方側に避難完了しました」
妖騎士ランスロット側近が一人〖サイラ・イラ〗
「アテナ地方側で反旗を翻したガリア帝国兵達もフレイヤ地方側に入ると正気を取り戻す様です」
妖騎士ランスロット側近が一人〖ライアン・ルラ〗
次々とガリア帝国南部の軍団長を務める〖六騎士第二席《妖騎士・ランスロット・ガラハント》へと報告が上がってくる。
「‥‥‥‥了解した。それでアテナ地方側の都市部は今も鏡と砂が入り乱れる不可思議な空間なのか?」
「は、はいっ!〖ブルーグラス〗の都市北部を呑み込みながら、ガリア帝国の内側へと広がっているよです」
「そ、それから、謎の絵札の兵隊と二足歩行の獣の集団が都市北部〖グロス〗を占領しつつあるとの事です」
「絵札の兵隊と二足歩行の獣?‥‥‥何でそんな存在が魔力災害や魔獣の驚異が皆無な人族の国に?‥‥‥それに此処はガリア帝国の副首都の筈。ガリアの北西の空が不気味な色に変わった事と何か関係があるのか?‥‥‥‥」
ランスロットが将校の報告を聴いている間にも次々と新たな知らせが届く。
「ほ、報告致します。都市北部〖グロス〗を掌握した〖赤の女王の兵〗を名乗る集団がフレイヤ地方側へと進行を始めました」
ガリア帝国将校・〖ライナー・ウーツ〗
「そ、それからは、突然、現れました。〖六騎士〗が第五席《知世の騎士・アクスレナル・ベルギスア》様と拳王姫・セシリア・アインズ殿が交戦を‥‥‥‥」
ガリア帝国将校・〖ベルベット・アーク〗
「み、見張りから伝令がっ!南側の〖ブルーレヴィア〗のフレイヤ三列連合に動きはなし。どうやら連合軍側もガリア帝国内部の事について気付き始めていと各師団長の見解です」
ガリア帝国将校・〖サグサ・ラーナル〗
「ほ、報告!!」「ガリア帝国内が‥‥‥」「皇帝陛下はゴール城にて‥‥‥」「西側に不穏な動きが‥‥‥」
あらゆる報告が次々に次々に上がって来るなか、ランスロットは冷静に全ての話しに耳を傾け。答えを出した。
「了解した‥‥‥〖ブルーレヴィア〗の師団長達は引き続き国境の防備を怠らないよう伝える様に、〖ブルーグラス〗内の騒動鎮圧が終了と同時に増援を送る。それから、〖ブルーグラス〗に進行を始めた可笑しな集団には私が出陣する。アスクレナルと合流後。軍を二つに分け、首都テトリクスにガリア皇帝陛下をお救いに向かう軍と、〖ブルーレヴィア〗の援軍として向かわせる軍に分ける」
「お、お待ち下さい。アテナ地方のガリア帝国内部側に近ければ、近い程、ガリア帝国民の人格が別人の様になっていると報告が上がっています。それなのに現在の首都テトリクスに兵を連れて向かうなど危険過ぎます」
「だが、アスクレナルと私のかつての仲間であるセシリア・アインズはアテナ地方側に居ながら、正気を失わず戦っているのだろう?それにアスクレナルは〖不思議の森〗の調査に行った筈なのにこんな遠い場所に現れたということは、何かに巻き込まれたという事だ。だから私は彼が知っている情報を一刻も早く聞く必要がある」
「で、ですが。突然、現れました獣の集団もそれなりに多く。ランスロット軍団長様に何かあった場合。この〖ブルーグラス〗の指揮系統は崩壊する恐れもありまして‥‥‥‥現在は副軍団長だったキャロル・ライルーマ様やアルケル・サイロー様も戦死し、このガリア帝国の副首都たる〖ブルーグラス〗を統治できる方はランスロット軍団長。貴方位しか最早、いないのですよ」
「‥‥‥‥分かった。無理はしないさ。アスクレナルと合流し、〖ブルーグラス〗北部を占領した者達を鎮圧したら一度この軍総司令部に戻って来よう‥‥‥‥サイラとライアンを副官とし、一万の兵で出る。残った将校達は此処を確りと守る様にっ!可笑しな事が起きていて不安になると思うが堪えてほし‥‥‥‥此処がガリア帝国の最後の砦と考えよ。ガリア帝国滅亡を阻止するぞっ!」
「「「「「「ハッ!!!!!」」」」」」
フレイヤ地方『ブルーグラス都市南部』
「ブルルル!!!!アテナ地方から出た瞬間。〖赤の女王〗様の支配力が消えいないか?」
「ガルルル!!!!然りだ‥‥‥‥どうやら現地点での〖赤の女王〗様の支配領域は新〖スリアの国〗内だけに止まっている。故にあちら側に入った新たなスリア人は皆、魂が消滅している」
「だが〖異界〗から連れて来た者達は普通に動ける様だぞ‥‥‥‥そして、〖不思議の国〗とも共に消えたと思えた、猫族と片目の騎士は我々の前に再び現れるしな」
「ガルルル!!!!良いっ!俺の右目の仇を撃つ‥‥‥‥」
「‥‥‥‥‥アレを撃つ?‥‥‥‥あの化物か?」
「ルアアアアアアアアアアァァ!!!!!風魔法〖風峨〗‥‥‥‥オニャエラ弱すぎニャアアアアアァァ!!!」
「私のフィアンセが‥‥‥‥巨大な猫に‥‥‥変わるとは。なんという美しい姿でしょか‥‥‥」
「ブルルル!!!!何をボサッとしているっ!!お前の相手は俺様だぞ。片目の騎士!!!神代魔法(青)〖悪辣な白馬噛〗」
「‥‥‥‥また貴方ですか?馬面の方。私の妻殿がたたかってる様子を観るのを邪魔しないで頂きたい。ガリア機術〖偽光視〗」
「ランスロット様。彼処です。知世の騎士・アスクレナル様が敵と混戦しています」
「あぁ‥‥‥‥ガリア兵達よ。アスクレナルを助け‥‥‥」
(イヒヒヒ!!君のその身体とても良いねぇ!!僕チンの新しい身体として使ってあげようね。イヒヒヒ!!!)
「‥‥‥な、何だ?この不気味な声は‥‥‥いったい何処から声が?‥‥‥‥がああぁぁぁ?!!!」
「ラ、ランスロット様?」
「いかが致しました?軍団長!!」
〖ブルーグラス〗の暗い空に黒い霧が忽然と現れた。そして、ガリア帝国南部・軍団長ランスロットの身体の中へと入って行く。
「ぐああぁぁ?!!!!意識が沈められる?!‥‥‥‥‥イヒヒヒ!!凄い、凄いねぇ!この身体‥‥‥魔力と妖精の力め持ち合わせているいるのかい?イヒヒヒ!!!良いねぇ!凄く良いよ。それに何だい?この身体は軍団長何て地位に入るのかい?‥‥‥‥便利な肩書きだねぇ。今後のスリアの国の統治に上手く使わせてもらうよ。ランスロット君!イヒヒヒヒヒヒヒヒヒ!!!」
「ラ、ランスロット様?!」
「どうかされたのですか?そんな不気味な笑い方をするなんて」
「‥‥‥‥‥イヒヒヒ!!何だい?君達は?‥‥‥そうだね。そっちの女の子は後で僕チンが弄んであげようね‥‥‥それと男の方は‥‥死刑確定‥‥‥僕チンが直々に処刑してあげよう。バーイーバーイー!」
ランスロット‥‥‥‥の身体を乗っ取った不気味猫はランスロットが持つ名剣〖泉の妖剣〗を側近であるライアンに振り下ろそうとした瞬間だった。
「ラ、ランスロット様?!ど、どうされたのですか?!な、何をするんですか?!お、お止め下さっ!」
「少し見ない間に側近に手を出す様になったのか?ランスロット軍団長。失望したぞ。我がライバルよっ!水魔槍〖水棟〗」
ガキンンンン!!!!
「‥‥‥‥誰だい?君は?何で僕チンの邪魔をするのかな?」
「お前が部下を簡単に殺そうとしたからだ。ランスロット‥‥‥‥いや、スリアの魔厄猫。貴様はこのアルケルがカミナリ殿に代わり討伐しよう」
「‥‥‥‥そうかい。此処でも僕には邪魔が入るかい。全く難儀だね。外の世界はさぁ!!!!!●すよチミ!!!!」
「やれるものなら実行してみろ。不気味な者よ。」
〖ガリア帝国南部・副軍団長アルケル・サイロー〗現る。