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幻創決戦・〖國終りて、甦生しは勇ある者〗No.6 建国の騎士と次代の騎士


ガリア帝国の西側の大都市の名は〖イエルブラン・サイロー〗と呼ばれる白塔(ブランシュ・シャトー)魔黄水晶(マギアシトリン)でできた大廈高楼たいかこうろう都市である。その高層並び立つ都市は〖異界・不死議の國〗の迷いの迷路と交ざり合い高層迷宮へと変化を遂げてしまった。


そして、そんな高層迷宮の白き塔が老齢騎士〖ブランシス・シュバリエ〗によって、いとも容易く両断され‥‥‥‥‥


「ガリア天術〖白祆(はくてん)〗‥‥‥‥」


ズバアァァンン!!!!


倒壊する。


「グオオォォ!!!粉砕するっ!!ガリア剣術〖罵嚨堕(ばるだ)〗」


「一撃、一撃の規模が規格外過ぎるね‥‥‥‥神現魔法(黄橙)〖不純無き聖包〗」


そんな倒壊していく白塔の攻撃を粉々に砕くは、神代時代末期のガリアの騎士・マルクス・サイローと白亜の盾を持つセルビアの騎士・ギャラハットだった。


「外界か‥‥‥‥よもや、長きさ迷いの果て。我が平定し、初代様から任された地に戻ってくるとはな。これもまた面白き出来事なり。そして、お前達は少し邪魔だな絵札の兵隊に屍共‥‥‥‥〖白燐(はくりん)〗」


ブランシスが白刀の剣を横一線に軽く描くと、〖赤の女王〗の命令でブランシスを監視していた異界より現れた全てのトランプ兵と妖精屍体は真っ二つに切り裂かれ、魔黄水晶(マギアシトリン)の家々が細切れに破壊されると同時に絶命した。


「そんな万はいた筈の不死議の國の兵隊達が一瞬で‥‥‥‥どんな技量なんだ。この人は」


「〖選定の魔眼〗と〖騎士骨骼(ブラン・スケルテ)〗と言われる目と身体が異常に優れている騎士なのだ師匠は‥‥‥‥その二つの力とあの右手の名剣〖アスファル〗一本で現代まで続く、ガリア帝国の礎を築き上げたお方なのだよ」


「〖選定の魔眼〗?そんな魔眼持ちの人族なんて、聴いた事が無い‥‥‥しかもガリア人に魔眼持ちが入るなんて聴いたことがないですよ‥‥‥‥確かガリア人は七聖―女神―の怒りを買い、産まれる赤子の身体に魔力が宿りにくくした筈ですよね?」


「あぁ、その代わりガリア人は驚異的な身体能力を手に入れる事になった‥‥‥次が来るぞ。避けよ。ガラ青年」


スバアァァン!!!!


「そこに居たか、盾の騎士。マルクス‥‥‥‥そう我は初代皇帝ガリア様は過ちを侵した。魔法世界(アリーナ)の禁断とされる七聖―女神―が一神〖―女神―アテナ〗に恋をし、他の〖七聖―女神―〗から罰として、〖浮浪者(サマヨイビト)〗という呪いの祝福(ギフト)を与えられた愚か者が我なり。ガリア天術〖白廊(はくろう)〗」


「ですな師匠‥‥‥‥そして、貴方は忽然と私を含めた〖シュバリエ剣術〗の門下生達の前から忽然と居なくなりましたな。貴方の娘であり、我が最愛の妻、ブランシュを置いて‥‥‥‥私は貴方を探す為にアテナ地方中を探し回ったのですぞ。ガリア剣術〖罵娧莉愛(ばてりあ)〗」


二人のガリア騎士の凄まじい剣劇により、高層都市の建物が次々と倒壊して行く。



「そうか。それはお前達と娘には悪い事をした。七聖―女神―の呪い(ギフト)たる〖浮浪者(サマヨイビト)〗は一つの場所に止まれぬと言う呪い(ギフト)なのだ。だが、それも今日までの話‥‥‥‥我は外界から〖異界〗へ。〖異界〗から外界‥‥‥‥我が始まりの地たる〖イエルブラン・サイロー〗へと帰る事により呪い(ギフト)は消えた。これも〖赤の女王〗の気まぐれが生んだ奇跡か‥‥‥‥はたまた必然たる結果か」


「何故です?何故、ブランシス師匠、程の方があの様な不快な存在である〖赤の女王〗などに付き従うのです?貴方はガリア帝国の大英雄なんですぞ!」


「大英雄か‥‥‥‥そんなもの我は自覚していない‥‥‥‥我の願いは一つ。あの忌まわしき〖異界〗から逃れ、産まれ、育ち、ガリア様から任され、育てたこの地に帰り‥‥‥‥死ぬ事だった。だから、〖赤の女王〗にも協力した‥‥‥‥故郷へ帰ると言う願いは叶った。後はお前が俺を討て。マルクス‥‥‥‥それで我は満足して消え去れる。手は抜かんがな。〖白連(はくれん)〗」


白き連撃が飛ぶ、百、千‥‥‥‥‥いや、万の連撃が高層の街を破壊しながら崩壊させていく。


「グオオオオオ!!!!自分からは死にたいと言うお人がこれ程の攻撃をするのか?!!!捌き切れん!!」


「‥‥‥‥私が防ぎます。神現魔法(黄橙)〖白亜の壮麗〗‥‥‥‥ガアアア!!!一撃が必殺の威力過ぎませんか?!盾で防ぐので手一杯になってしまう」


ドガアァァンン!!!!!


ブランシス・シュバリエの白の連撃によりマルクスとギャラハットは攻撃を防いだものの、倒壊する建物の瓦礫に呑まれた。



〖イエルブラン・サイロー・マルクス街道〗瓦礫郡


「とんでもない強さだ‥‥‥‥あれが初代ガリアの騎士と呼ばれ、〖六騎士(シス・シュバリエ)〗の原型となった初代〖六騎士(シス・シュバリエ)〗の第一席の力ですか」


「‥‥‥‥あぁ、ブランシス師匠、本人は《我には〖神殺しの力〗なる力があり、それを常時扱えるのだ》と言っていた。師匠はその力と神代の〖色〗を乗せているともな」


「〖神殺しの力〗と〖色〗を乗せる?だからあれ程の威力と攻撃範囲が出せるということですか?‥‥‥‥それにしても、唯一の幸いはこの〖イエルブラン・サイロー〗一帯に何故か住民税達が居なかった事ですね」


「‥‥‥‥先程の孤島から黒き布での転移の際に、入れ違いで此処の都市の区画の住民を転移させた人物が入るのだろう。でなければ、これ程までにガリアが居ないのは可笑しい」


「転移させた人物‥‥‥‥まさか彼が‥‥‥‥」


「ガラ青年‥‥‥‥今はそんな事よりも、ブランシス師匠を倒す事だけを考えよう。どうやらブランシス師匠は我々を見失っている様だしな」


「あっ!すみません。つい知り合いの事を考えてしまって‥‥‥‥」


「サーシャ少女か?そういえば、彼女とは転移の際に離れ離れになってしまっていたな。少し待て探ろう‥‥‥‥ガリア剣術〖眼土(がんど)〗」


「いや、そうじゃなくてですね。てっ?‥‥‥‥探るですか?何を?」


「‥‥‥‥‥このガリア帝国の中央に居るな‥‥‥‥‥大柄の誰かと合いまみえているぞ。優勢だな」


「はっ?ガリア帝国の中央ってまさか?テトリクスですか?何でそんな場所にサーシャが?」


「分からん。分からんが全てはブランシュ師匠の相手を終えた後に考えよう。私に一つの策がある。今、この場所、このタイミングでしか使えない策がな。少し手伝って頂こう。ガラ青年‥‥‥‥私の憶測が正しければ。ブランシス師匠に一撃でも与えれればこの戦いは終わらせられる筈なのでな」



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