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幻創決戦・〖國終りて、甦生しは勇ある者〗No.4 魔竜闘技


「魔竜闘技‥‥‥‥〖屍邪染(カダヴル・サリスァン)〗」


魔竜(ジャヴァウォック)の身体から、邪悪な魔力が漏れ始める。神代の()まわしき汚れが〖レッド・グラン〗の都市中に撒き散らされる。


それは〖妖精屍(フェエリカダヴル〗を媒介に拡がっていく。〖異界〗の時間を過ごし、耐性のある者達を残して再びガリア人や〖赤の女王〗の兵隊達を苦しませる。


「これは‥‥‥お、おいっ!お主、いい加減にしろ。それ程までの濃すぎる魔力残滓(まりょくざんし)の濃霧など常人の者が浴び続ければ精神が崩壊するのだぞ。それにこの周囲にはお主の部下達もおるのだろう?」


「あぁ?!良いんだよ、別にね。今の〖赤の女王〗様との契約はガリア帝国を落として、僕が外界で自由を手に入れるところまでだった。〖外界に出る〗その手伝いを完遂させれば、僕を含めたあらゆる奴等が外界で夢を叶える。あらゆる国やのうのうと生きる多種族共に」


「‥‥‥‥ガルルル!!!!〖魔竜闘技〗は確か〖死の大地〗の発祥の魔技だったか?その弱点は神聖なる神話の力なり。今、それを見せよう。神話魔法(豹) 〖神聖豹の雄叫び(サンクトゥス・パンテーラ)〗」


神豹(・・)ケット・シーが放つ神話の力を宿した咆哮により、魔竜(ジャヴァウォック)が放った〖魔竜闘技・屍邪染(カダヴル・サリスァン)〗濃霧が霧散する。神話なる神話の力が具現化〖レッド・グラン〗を護る結界を形成する。


「神話の力は現実に干渉し具現化する。全くクソ猫は‥‥‥‥やってくれるね。邪魔しやがって」


「‥‥‥だから貴殿等〖魔〗は神話の力を嫌うのだ。それが貴殿等〖スリアの生き残り〗の最大の弱点。それ故に、先ずは神話魔法が余り使われないこのアテナ地方のガリア帝国を狙ったのだろう。エルフの国〖セルビア〗を襲ったのもガリア帝国強襲の予習が為か知らぬが‥‥‥これ以上は隙にさせん。アテナ様の契約獣たる我輩ケット・シー‥‥‥〖神豹・レオパード〗に名においてな」


ケット・シーの体格が変わる。小柄な二足歩行の愛らしい猫の姿から、大柄な体格の〖豹聖体〗へと回帰した。


「‥‥‥‥何と黄々しい‥‥‥まさかケット・シーが七聖―女神―アテナ様の契約獣だったとはな」


「可愛かったケット・シーちゃんがダンディーキャットになっちゃたよ‥‥‥‥」


「〖不思議の国〗が滅ぼされて本気になったのかい?ここにきて〖神明・回帰〗‥‥‥‥本気で僕をヤル気つもりみたいだね」


「貴殿が存在するだけで他者に危害が及ぶのならば、我輩は全力で対処する‥‥‥参る。神話魔法(豹)〖聖豹の切り裂き(パンテーラ・テムノー)〗」


「舐めるなよ。神話魔法(怨)〖邪竜の毒燐〗」


「‥‥‥‥(その力は誰から奪ったものか?聖蛇か?妖精竜か?元々は清き力を〖反転〗させたものだろう‥‥‥‥先ずは返したまえよ)〖聖痕点(スティグマータ)〗」


「ハハハ!!!〖魔技〗が駄目ならお前と同じ神話魔法を使うまで‥‥‥これで消えろ。クソ猫!!」


シュパンッ!!!!


神豹・レオパードの放つ光の斬擊が魔竜(ジャヴァウォック)の身体に直撃し、魔竜(ジャヴァウォック)の身体事態には何も起きなかった。そう身体にはである。内側は違ったのだ。魔竜(ジャヴァウォック)の偽りだらけの力。他者から奪った汚した力が神豹・レオパードの放った清めの一刀により浄化され、消されていく。


「ツアァァァ?!!!これは?!僕の育ててきた力が?!使えない?!何で?何で?何で?何で?何で?あれも!これも?あの力も?!聖蛇(アイツ)から奪った力も?妖精竜(ヤツ)から貰った力も?何で?何で?何で?何で?何でだああぁぁ?!!僕の物にした力が使えない?!!!」


「アテナ様のとある〖権能〗の一部により、貴殿の偽りの力を剥がした‥‥‥‥最早、貴殿は〖魔技〗しか使えぬ身体だ。そして、貴殿が今まで盗んだ力。汚し、〖反転〗させた力は、貴殿が消滅した後、その子孫達に返されるだろう」


「‥‥‥‥クソ猫。クソ猫。クソ猫!!!僕の自身を、僕の自慢を、僕が使ってきた時間を奪ったな?!全て奪ったな!!!消す、消す、消す消す消す消す消す消す消す消す消す消す消す、消してやるぞクソ猫!!!!そんなに〖魔技〗が喰らいたいならくれてやるっ!!魔竜闘技〖邪悪な鋭尻尾〗」


魔竜(ジャヴァウォック)の尻尾が神豹とかしたケット・シーに襲いかかる。


「‥‥‥‥ガルルル!!!!貴殿は馬鹿か?」


「何?!」


「我輩は貴殿と違い。一人ではない。頼りになる仲間が入るのでな。メイジー殿。エスフィール殿。我輩を援護してほしい。助けてくれっ!!」


「はいはい~!!!やっと出番だね神代魔法(赤)〖赤頭巾の赤絡〗」


メイジーが放つは赤色の魔力糸だった。それを魔竜(ジャヴァウォック)の尻尾に絡めていく。


「‥‥‥貴様とはセルビアからの縁だったのだな。魔竜(ジャヴァウォック)。だが、此処で確実に消えよっ!!闇魔法〖暗闇の縛り〗」


ユナ・エスフィールの魔法により、魔竜(ジャヴァウォック)を呑み込む様に暗き囲いが造られ、包囲していく。


「お前等はクソ猫に付いてきていた。メス達?!こんな大切な所で邪魔をするなっ!おいっ!ゴミ達っ!出番だよっ!奴等を足止めしろおぉぉ!!」


「ガルルル!!!!愚かなり。魔竜(ジャヴァウォック)‥‥‥‥貴殿が見捨てた部下達にすがり付くとはな‥‥‥‥そろそろ終わりにさせてもらおう。我輩の故郷〖不思議の国〗を荒らしに荒らした邪悪な竜殿よ‥‥‥‥」


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