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終幕・終れ終りて交ざり合い破れり No.2 偽りの魔竜再び


〖ブラックハート・辱しめと(はりつけ)の門〗


「へー、今回は銀髪の少女と金髪の少年はいないのかい?まぁ、此処は〖異界〗。いなくて当然だね」


「リスクとは‥‥‥確かセツナが相手した身体を乗っ取られていた蛇の名前‥‥‥それにメリュジーヌ卿とアルディス先輩が闘ったという〖ジャバウォック〗も本当はメリュジーヌ卿のお父上が精神を蝕まれた姿だった。その操っていた者がいるとすれば‥‥‥」


「だいたい正ー解。僕が裏で手を引いていたんだけどねぇ。〖ヴォーディガン〗君にはがっかりだったね。あのままセルビア国を落とした日には、〖女王〗様と同じ〖神々の黄昏(ラグナログ)〗の〖節制〗に選ばれたというのに。哀れにも負けてしまったとはねぇ」


「‥‥‥おぉ、そうなのか?それは残念じゃのう‥‥‥」


「‥‥‥何か。ユナさんの様子可笑しくないかな?ケット・シーちゃん‥‥‥いや、私も何か頭がクラクラするし‥‥‥」


「ガルルル!!!エスフィール殿。その様な悪意ある〖魔竜〗とまともに会話など()すのだ。心を蝕まれる。我輩が前に出る。貴殿はメイジー殿と一緒に我輩を援護をっ!エスフィール殿っ!正気に戻られよっ!ええいっ!か弱き乙女を惑わすなっ!悪辣な〖魔竜〗よっ!神代魔法(●)〖キャルバ・ドーマ〗」


ケット・シーの神聖なる剣先が〖魔竜・ジャバウォック〗の硬い黒き鱗に突き刺さる。


「はっ?私はいったい‥‥‥何を?」


「私も頭がボーッとしてしちゃってた?」



「‥‥‥‥おいおい。邪魔するなよ。喋る猫。もう少しで彼女達の心を此方側に引き込めたんだぞ。この魅了魔技は最初に成功しないと成功率がガクンと下がるっていうのに、どう責任を取るつもりなんだい?」


「ガルルル!!!黙れっ!邪悪なる魔竜っ!まさかこれ程の存在が我が故郷を蝕んでいるとは、思いもせず。ただ、ヘルデアの牢で時を過ごしたとは不覚なりっ!!だが貴殿は此処で確実に屠ろうっ!!貴殿は危険過ぎる。『奈落の(その)』の者よっ!」


「‥‥‥‥あぁ、そのお怒りよう。君は神話時代から生きる存在かい‥‥‥なら色々知っているのにも納得が行くね。厄介。君はとても厄介になりそうな相手だから。先にあの二人の少女達を此方側に付いてもらう事にしようかな?‥‥‥‥飛ばすぜぇ!!神話魔法(怨)〖邪竜の息吹き〗」


「ガルルル!!!‥‥‥‥我輩を無視するとは‥‥‥‥何たる侮辱か‥‥‥‥神話魔法(●)〖キャルバ・テール〗」



ケット・シーのその一撃を見て。やっと私は意識を正常に戻す事になった。その衝撃的過ぎる光景に度肝を抜かれたからなのだ。


魔竜・ジャバウォックと神猫・ケット・シーの大きさ差はあまりにも違い過ぎていたそれは地球側での例えで説明するならば、巨人と小人の大きさ程の差があった。


なのにじゃった。なのに魔竜・ジャバウォックはケット・シーの強烈な尾の攻撃により、〖異界〗の空高くへと宙に浮いたのだ。


「おいおい。いきなり全力過ぎないかい?喋る猫‥‥‥‥何をそんなに急ぐ必要があるんだい?〖女王〗様の御茶会は始まったばかりだというのにね」


「ガルルル!!終わりが近いの間違いであろう。エスフィール殿。メイジー殿。我輩の契約猫に乗りたまえっ!追尾する!」


「ミニャア~」「ミーミーミ」


「なっ?これは?!‥‥‥‥乗る?」

「か、可愛いっ!‥‥‥けど乗れるの?」



〖辱しめの広場〗


「何だい?あの可笑しな姿の蛇は?それに壁に生きたままの存在を埋め込むかい?普通?‥‥‥どこまで可笑しくする気だい?この〖不思議の国〗を‥‥‥‥埋め込まれてる子達を助けながら。奴等を倒しな。子供達」


「了解した。狼婆様」「カード兵に腐りきった魔蛇の亡骸とは‥‥‥‥」「焼くしかないだろうな」「イカれた世界にしやがってよう」「復讐よりも平和の為に‥‥‥‥」


「「「「「レッドウルフの残党共をミナゴロシイ!!!」」」」」


「「「「「バアアアアアアア!!(ゴロジデ‥‥‥ゴロジデバダジダジヲゴロジテ‥‥‥‥‥)」」」」」


「‥‥‥メイジーが心配だけどねぇ。此方も此方で大変そうになりそうだねぇ。全く。本当に可笑しな世界に変えてくれたものだよ。〖おとぎ話の魔女〗とスリアの王女の交ざりの()はね‥‥‥‥神代魔法((しゅ))〖遥か昔の赤狼の少女に〗」


現代魔法が天候の力とその使い手をの特性により能力が変わる時があるように、神代魔法も使い手の能力とその使い手の練度で〖(しょく)〗の能力が変化する時がある。


赤狼(レッドウルフ)種の長であるルディール・ヴァイオールはその使い手である。


神代魔法の基礎の七色の〖赤〗から〖(しゅ)〗へと変化したルディールの現在の能力は‥‥‥‥流動せし赤色を操る能力‥‥‥敵と見定めた者達の血流を自在に操り、朱色の色へと変える力である。


「‥‥‥‥朱を吹き出しな〖破裂の血飛沫〗」

朱人狼形態(スカーレット・ウルフ)・ルディール・ヴァイオール〗


「倒せっ!倒せっ!‥‥‥」スパンッ!


「ブアアアア!!‥‥‥‥」スパンッ!


赤の女王の兵達が朱色の〖色〗が辺りに舞う。


「孫娘の命がかかってんだ。神代振りに本気でヤらせてもらうかね。不気味な札絵と屍蛇共!!!」



〖ハートの城・牢獄〗


カチャカチャ‥‥‥‥ガゴッ‥‥‥


「‥‥‥‥誰ですか?こんな暗き場所に‥‥‥」


「たくっ‥‥‥良い具合に手薄になったら逃げ出そうとと思ってたんですがね‥‥‥だけどたまたま通ったから来ただけですぜぇ。王」


「貴方はっ?!‥‥‥‥まさか?何故、此処に?」


「‥‥‥‥何たる傷。こんな仕打ちをされてたなんて‥‥‥‥思わなかったぜぇ。とりあえず助けるぜ。王」


「‥‥‥‥ありがとう。でも無理よ。手枷に‥‥‥それに私は飛べなくなってしまったもの‥‥‥ジュ‥‥‥」


「シーッ!シーッ!だべよう。王‥‥‥‥手枷の鍵と王を癒す為の聖石の粒屑を変な娘っ子から渡されたでよう」


「‥‥‥‥変な?娘っ子?」


「時間がねえから。解放されたら大人しくオラの腹の空間に居てくれよな‥‥‥手枷はこうして‥‥‥聖石の粒屑をパラパラと‥‥‥‥」


「‥‥‥手枷が取れた?‥‥‥‥それに私の羽根が癒えていく?」


「おぉ、本当だべな。あの黒服の娘っ子の言った通り治ったべ‥‥‥良かっただな。王」


「え、えぇ、ありがとう。ジュゼ‥‥‥‥」


「んだんだ。ならオラの中へ隠れてるべぇ。そんで急ぐべよう。オーロラの元へ向かうべよう」


「あっ!ま、待ちなさい。少し私に話を聞きなさい。それと貴方にまだ深々とお礼もしていませんっ!ジュゼ‥‥‥」


「‥‥‥‥急ぐべよう。王‥‥‥じゃねえと重なっちたまうぞ。色々とよう」


そうしてティターニア嬢王を助け、癒した木の人形はある場所へと急ぎ向かい始めた。

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