終幕・終れ終りて交ざり合い破る No.1 女王の御茶会
〖ブラックハート〗は〖異界・不死議の國〗の中央に位置に辺り。〖不死議國〗では最大の都市を有し、毎日の様に誰かかの泣き叫ぶ声と楽しげな声が聴こえる狂った場所。それが今の〖ブラックハート〗である。
北には辱しめと磔の広場がある。
西には迷いの迷路がある。
南には鏡の街もある。
東には狂喜の処刑場もある。
‥‥‥‥その真ん中に流血の赤き城〖ハートの城〗が不気味に建ち。その瞬間を待つ。
北の赤狼族が守護する地域〖レッドウルフ〗を時計周りとして〖イエローリング〗⇒〖ブルーミーティア〗⇒〖シュガーグリーン〗⇒〖スノーホワイト〗の順番で現在は〖異界〗が形成され。
その五つの地域から現在、多種多様な存在達が〖ブラックハート〗の簒奪者〖赤の女王〗を倒そうと集団になり押し寄せ始める。
〖ブラックハートの北・辱しめと磔の門〗
魔法族の魔王〖ユナ・エスフィール〗と赤狼族のメイジーはその光景に驚愕する。悲惨で陰鬱な光景に、〖ブラックハート〗の元々居た住人達の生きたままの壁埋まりの光景を。
「何じゃ?‥‥‥至る所の壁に生きた者達が磔にされている?」
「‥‥‥‥これがルディお婆ちゃんが前に言っていた嫌なモノ?」
「ガルルル!!!貴殿等っ!何を驚愕しているっ!!!構えよっ!やって来るぞっ!!強者の気配がっ!」
第一に気づくいたのは〖神猫・ケット・シー〗だった。〖赤の女王〗の城から降りてくるは、偽りのだらけの魔竜〖ジャバウォック〗とダイヤの兵。
「「「「「ダイヤ、ダイヤ、ダイヤの兵士が出動、出動!!皆殺し!!!!」」」」」
ドオオオンンン!!!!
「おや?おや?‥‥‥‥君は確かセルビアで視た事あるねえ。魔法族の娘さん‥‥‥‥さぁ、さぁ、さぁ、始めようか終わりの時をね」
「魔竜?‥‥‥貴様は何を言っている?私と貴様は初対面の初じゃが?」
「おや?あの時はリスク君の時だったかい?済まないねえ。あらゆる所に魔の〖竜〗から色々見ているから覚え違いかな?‥‥‥‥まぁ、良いや。時間が来るまでは遊ぼうね。〖レッドウルフ〗の生贄共」
〖虚魔竜・ジャヴォック〗
〖西・迷いの迷路〗
「‥‥‥‥火魔法〖黒火炎球〗‥‥‥‥」
迷いの迷路の草木の通路に黒炎舞う。そして、〖ハートの城〗へと通じる道ができる。
「おぉ、相変わらず。凄い威力だね。サーシャ。この距離から彼処までモヤシ尽くすなんてね」
「‥‥‥‥うん。気合い入れた。マルクス。良いよ」
「うむ。感謝する。サーシャ殿。オーン副将ッ!行皆の者、行くぞっ!進めっ!進めっ!惑わされずに一直線に進み続けよ。迷いの迷宮に惑わされるな。我等の恩人を救い出せっ!」
「ハッ!進めっ!」
「「「「「ウオオォォォ!!!!!!」」」」」
「僕達も行こうか、サーシャ。と言いたい事だけど‥‥‥‥」
「‥‥‥‥うん‥‥‥ガラ先生。目の前のあれ」
カシャン‥‥‥カシャン‥‥‥カシャン‥‥‥
白い騎士鎧を着た老齢の男が現れる。
「神代や現代のガリアな血がこれ程現れるとは‥‥‥‥同じ血と争わせるとは思わなんだ‥‥‥最悪なり〖赤の女王〗‥‥‥だが、これも運命と思い消えてくれ。先祖達よ」
ガリア帝国建国者が一人〖白騎士・ブランシス・シュバリエ〗
「‥‥‥‥凄い魔力残滓を放つね。目の前の騎士さんは」
「‥‥‥‥どうする?二人で相手する?」
「いや。私が請け負うよ。サーシャはマルクスさん達と先に行きなさい。個と個なら被害は私だけで済む‥‥‥‥そうじゃないと全滅しかねないからね。目の前の白騎士さんは私の盾意外では防げないとみたよ」
「‥‥‥‥分かった。頑張って勝ってね。ガラ先生」
「うん。そっちもティターニア嬢王を無事に救い出してあげなさい。サーシャ」
「‥‥‥‥うん」
「‥‥‥‥話は終わったか?盾の騎士。悪いがこれも運命と思えよ。我は〖赤の女王〗が消えぬまでは動く屍‥‥‥覚悟せよ」
「そうですか。ならば長期戦といきましょう。初代ガリア元帥〖ブランシス・シュバリエ〗さん」
南〖鏡の街〗
その街の全ては鏡でできていた。全ての存在が鏡で。
「ニャア‥‥‥凄い所に来たニャア。マーリン」
「だね‥‥‥‥‥それにこの鏡は色々と不味いね。全て割ってあげないと、〖ブラックハート〗に集まってくる皆が困る事になるね‥‥‥」
「ブルルル!!!いやいや。それは困るな。白い魔法使い」
「グルルル!!!そうそう。我々を困らせるな。猫の娘」
「「女王様の芸術を壊されては困るのでな!!」」
「二体の幻獣ニャア?」
「幻白馬と黄金獅子‥‥‥‥〖幻獣の楽園〗の者が何でこんな所に?」
「ブルルル!!!そんな事を教えるか」
「グルルル!!!そうそう。我等はただ、お前らを狩るだけの存在。だから消す」
「ニャー。殺気立ってるのニャア。恐いニャー」
「じゃあ、ここはセシリアに任せて私は大魔法を放って、この不可思議な鏡の街と〖ブラックハート〗の一部の地形を変えるからよろしくね。セシリア‥‥‥‥神明魔法」
「ギニャア?何を言ってるのかニャア?!マーリン」
「あっ!ゴメン‥‥‥もう撃っちゃったっ!〖白銀の嵐〗」
白の魔術師の破滅の魔法が放たれる‥‥‥‥鏡の街の鏡が割れ始め、砂へと姿を変える。それは意思を持つかの様に動き、ヘファイストス地方の砂漠津波の様に流動し始めた。
「ブルルル!!!貴様っ!何をした?」
〖魔白馬・モノケロス〗
「グルルル!!!女王様の芸術があぁ!!」
〖黄金魔獅・バルバルガ〗
「五月蝿い子達だね。たかだか、昔の〖ブラックハート〗に戻しているだけでしょう‥‥‥‥君達が造り替えたこの場所をね。じゃあ、私は空から〖ハートの城〗に向かうから此処は任せるよ。セシリア。バイバーイ」
「‥‥‥‥ニャー、ヤベエ光景になったニャア。とんでもないニャア‥‥‥てっ!待つニャア!!マーリン!!わっちを一匹にスルニャゾ!!」
「あー、心配無いよ。君の〖魅了猫の加護〗で味方の子がやってきたからね」
「味方‥‥‥ニャア?」
スタンッ!
「‥‥‥‥崩壊の音を聴いて来てみましたが。まさかこんな場所で再会を果たせるとは思いませんでしたよ。愛しのセシリア嬢。察するに魔物二体に襲われている様ですねっ!今、お助けしますっ!」
「その声は‥‥‥‥バカセニャル。ニャア?!!ニャンでテメエがこんな所にいるのニャア!!!」
「おぉ、懐かしきその罵声‥‥‥‥心に染みます。再会できて良かった。我が妻殿」
「誰が妻だニャア。バカセニャル!!!わっち馬の方を相手するから、お前は獅子の方をやれニャア!!」
「了解しました。愛しのセシリア嬢‥‥‥‥この再会を祝して貴女に勝利をっ!」
東〖狂喜の処刑場〗
三方の戦いが始まるなか、東側では赤の女王の軍隊と白き姫の軍隊の戦いが繰り広げ初めていた。
「「「「「「「ハイホー、ハイホー、進めやっ!進めっ!」」」」」」」
「「「「「我等は女王様のトランプ兵士!!!反逆者達をコーロースー!!!!」」」」」
「ホホホホホホホホ!!!!絶景ですな!!女王様!!!元は同じ〖異界・不思議の国〗の者共が殺し合ってオリマスゾオォオ!!ホホホホ!!!!」
「‥‥‥何だあれ?卵が空中で踊ってる?」
「何を流暢に言っているのです?貴方とソフィアともう一人の合計三名を此方の〖異界〗に転移させたのはあのハンプティダンプティの仕業ではないですか」
「は?ハンプティダンプティ?‥‥‥‥何でチョ○エッグのキャラが?それにアイツが俺達を転移させた原因ですって?」
「あぁ‥‥‥生前の名は確か〖ロウトル・シグア〗とか言う方とあの方は言っていましたね」
「〖ロウトル・シグア〗だって?!アイツがロウトル?‥‥‥‥何であんな狂喜じみた化物の姿に?」
「‥‥‥‥だから流暢に会話をしている場合じゃないと言っているでしょう。気づかれました。来ますよ」
シュンッ!
「ホホホホホホホホ!!!!異様な魔力残滓の御持ちの皆様。此方に居られましたか?ホホホホ!!!!さまさま、アナタ方は少々、邪魔ですので殺させて頂きますぞぉ!!ホホホホ!!!!」
「‥‥‥‥そうですか。ならば此処は貴方の天敵であるガリア皇族の御二人に任せて行きましょうか。黄の方。来なさい。アリスとその妹さん」
オーロラ姫は喚ぶ。ハンプティダンプティの天敵たるガリア皇族の姫達を、魔力霊体にして此処へと喚ぶ。
シュオオ!!!
「何?私は確か。勇者の居住魔道具の中に居たのに?!‥‥は?セレナが何で此処に?」
シュオオ!!
「アクスレナルさーん!!何処ですか‥‥‥てっ?!アリス御姉様?」
「‥‥‥‥いや。何を言っているんですか?オーロラ様。こんな‥‥‥以上な魔力持ちって‥‥‥セレナ第5王女が何で此処に?」
「‥‥‥‥‥幼くなった勇者様?!」
「再会は後にして下さい。今は赤の女王を邪魔するのが最優先。行きましょうか黄の方」
「いや。ちょっと待って下さい。ハンプティダンプティはどうするんですか?」
「それなら彼等と彼女達で倒せますよ。ドック、グランピー、ハッピー、バッシュフル、スリーピー、スニージー、ドーピーッ!この場は任せます。勝ちなさいっ!」
「お転婆姫がっ!」
「全くっ!」
「無茶言うな」
「ハハハ、だがな」
「言われたからには」
「勝つしかなしっ!」
「ではでは‥‥‥‥」
「「「「「「「勝つぞっ!我等がオーロラ姫の為にっ!!!!!!!」」」」」」」
「何で卵男?」
「アリス御姉様。それよりも、今は何故。勇者様と一緒に居たんですか?話しなさいっ!これは〖六騎士〗としての命令ですよ」
「へ?セレナ、アンタ。〖六騎士〗になったの?凄いわね‥‥‥‥」
「ホホホホ‥‥‥‥俺を殺したガリア皇族の血筋が目の前に‥‥‥これは他の事などどうでも良くなったわ。貴様等‥‥‥‥」
〖転移魔男爵・ハンプティダンプティ〗
〖ブラックハート・御茶会の宮殿〗
「フフフフフフフフフフフフ‥‥‥‥魔法族の魔王。神代のガリア騎士。次代の魔女。妖精の国の騎士。白の魔術師。獣族の英雄姫。現役ガリアの皇族の血。逃げ隠れする得たいの知れない男の子‥‥‥‥これだけの生贄が一斉に‥‥‥それとおろかな五つの〖色〗の生贄達‥‥‥‥全てを使って私の望みが今、叶‥‥‥‥」
(わせませんよ‥‥‥‥スリア。神代魔法(皚))
「〖冬季日の白雪〗」
白色の異質な神代魔力が御茶会の宮殿を氷結させる。
「フフフフフフフフフフフフ‥‥‥‥そう。来たのね。眠りのオーロラ‥‥‥邪魔な。オーロラ!!‥‥‥それとお久しぶり。迷いの子」
「あぁ、お久しぶりですね。赤の女王‥‥‥‥そして、お別れだな。〖神々の黄昏〗っ!天雷魔法〖雪雷〗」
阿鼻叫喚渦巻く御茶会の宮殿に雷光が堕ち、これより始まるは赤の女王が主催する狂喜の御茶会である。