真相は見え始め。白き竜は落ちていく
アグラヴェイン領・『ペリエの城』
俺は静かに自分のスマホに書かれたベディヴィア卿の情報を見た。
ベディヴィア卿はアーサー王伝説に登場する円卓の騎士の一人である。
『エクスカリバー』を湖の貴婦人に返還した人物として知られる。
アーサー王に執事としても仕え、ケイ卿やガウェイン卿らと並んで古くからアーサー王伝説に登場する。
ウェールズの伝承では、恐るべき膂力のベディヴィアというあだ名で呼ばれ、隻腕の屈強な戦士として描かれている。
日本の文献では、ベディヴィアとベディヴィエールがある。
『キルッフとオルウェン』では、ベディヴィアはキルッフの冒険に同伴した騎士の一人で、「隻腕にもかかわらず、同じ戦場でほかの三人の騎士より早く敵に血を流させた」という。
『聖カドック伝』では、グウィンスグ王国の王グウィンスィウがブリケイニオグ王国の王女聖グラディスを誘拐した事件をアーサーやケイと共に解決している。
このようにベディヴィアは最初期のアーサー王伝説からその名が見られ、このことから実在の人物であったのではないかと考える研究者もいる。
ベディヴィアはアーサー王を扱った現代の作品にも頻繁に登場しており、彼にグィネヴィアの愛人という、伝統的にランスロットが担っていた役割を与えている。
彼は屈強な隻腕の戦士として描かれており、エクスカリバーを湖の貴婦人に返還した人物として知られる。
マイナーな騎士ではあるが、かなり初期のアーサー王伝説から登場するためモデルとなった実在の人物がいるのではないかという説もあるという。
「以上、情報サイトよりか‥‥‥‥‥‥アグラヴェイン卿同様にここでもグィネヴィアの名前‥‥‥‥‥‥‥グィネヴィア‥‥‥‥ギネヴィア?‥‥‥‥ランスロット卿、アグラヴェイン卿、ベディヴィア卿‥‥‥‥唆される‥‥‥‥モードレッド卿か‥‥‥反乱を起こした六つの家系中四つの家系‥‥‥アーサー王物語の文献や資料に出てくる登場人物達と親密な関係になるか?」
俺は一息つく。
「‥‥‥‥‥ギネヴィア、湖の貴婦人、魔女、いや、モルガン様はこちらの味方だ。‥‥‥‥歪みか?ヴォーディガンは歪みそのものだった。自身を含めた三つの魔を飼い。自らを苦しみ続けた。マーリン師匠は?‥‥‥‥ギャラハット、聖杯サイクル、『中央魔法国』、救済、救済?‥‥‥救い?救われたって事か?ギャラハットに?」
俺の独り言は続く。
「ヴォーディガンは友である。オーディン様にどんな形であれ救われた。そして、マーリン師匠はおそらく、ギャラハットの聖杯だ。そして、厄災から救済へ反転した。‥‥‥‥‥竜に獣‥‥‥‥最後は神か?」
‥‥‥‥‥‥
「神?‥‥‥‥‥世界樹‥‥‥‥根元‥‥‥‥迷宮‥‥‥‥ギネヴィア‥湖の貴婦人‥黒い狼‥魔女‥神‥‥‥‥最後の厄災は自らを魔女から神へと進化しようとしているのか?世界樹を‥‥‥‥七聖―女神―の一柱『ユグドラシル』様を利用して?」
‥‥‥‥‥
「ヴォーディガンは地上に魔力をばらまいたと言った。『サラマンダー』『ウンディーネ』『シルフィード』『ノーム』そして、最後に『セルビア』中央にある首都『オーディン』‥‥‥その下は『妖精国』‥‥‥北中央は『キャメロット城』と『ペレアスの湖』‥‥‥キャメロット城には現在、味方側がガウェイン卿、トリスタン卿(アイツの分家もあるのかよ)ギャラハット卿の軍が駐屯。敵側がランスロット卿とモードレッド卿‥‥‥どれもアーサー王物語に欠かす事ができない人物達」
‥‥‥‥
「地上で五ヶ所の魔を撒き散らし。地下では、アーサー王縁の円卓の騎士達を集め。近くには世界樹の迷宮がある。‥‥‥‥迷宮‥‥‥なにか封印されている?‥‥円卓の騎士は生け贄?‥‥魔女‥‥神‥‥封印‥‥‥厄災‥‥‥全ては最初から仕組んでたってことか?!女王様とやらに?‥‥‥‥それが叶えば。エウロペ大陸‥‥いや、アリーナの世界は滅亡する事になるか‥‥‥ふぅぅぅ!!」
俺は静かに息を吐く。
「もう、神は、オーディン様は呼べない。『エクスカリバー』も行方不明。‥‥‥‥マーリン師匠はあそこから動けない‥‥‥七賢人は?いや、まだ、ここまでの真相にたどり着いてない。‥‥‥詰みだなこりゃあ‥‥‥終わりだ!はぁあ!」
俺はゆっくりとため息をついた。
「せめて、今、パーシヴァル領に向かっている。メリュジーヌ卿がベディヴィア卿に勝ってくれたら色々変わるんだけどな。今のこの状態じゃあ、動き様ないな。全く」
パーシヴァル領・上空
「そろそろ、着くよ。蓬莱君」
「も、もう、下ろしてくれ。オロオロオロオロオロオロ」
「うん!うん!頑張ろうね!蓬莱君」
「ち、違う!オロオロオロオロオロオロオロオロ」
「イックヨーーー!!!」
ドゴーーン!!着き煙が舞い。その日、パーシヴァル領に1つの災害が舞い落ちた。




